そんなに驚くな 公演情報 そんなに驚くな」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-4件 / 4件中
  • 汚い これぞ人間
    うっと鼻をつまみたくなるような芝居。でも2回目の韓国劇団の公演は
    なんだかカッコよさを殴り捨てた汚さで涙すら出た。
    パク・グニョンのうわさはかねがね聞いていたけど、スゴイ。
    感動。観てよかった。

    ネタバレBOX

    BeSeTo演劇祭のひとつが偶然にしても見れてよかった。
    便所で首吊りってのが「秘密の花園」でショックを受けたシチュエーションだったので、パクリ?かとも思ったが、そんなの日常だよね(違)
    コメディなのかシリアスなのかわからない脚本もおもしろかった。
    引きこもり、死体、便秘、浮気、近親相姦・・・
    さまざまなテーマを投げかけてくる。 しゃあ~~
  • 満足度★★★

    死体をめぐ…らないブラックコメディー
    結構前から、色んな演劇人のインタビューで韓国の俳優は凄い、という
    話をちらほら聞いていて、気になってた矢先に本作品の案内。
    どんなものか?と軽い気持ちで観に行きましたが。

    とりあえず日本のと比べて、色々とあけすけ、というかズバッと
    言っちゃう、核心をついちゃうことが多いと感じた。
    日本の劇団だったら雰囲気に任せてはっきり口にしない、客任せな部分も
    韓国のホンだとえッ?と思っちゃうほど明確に口にしますね。
    本作品では、特に後半部分に顕著でしたが。。。

    そして、よくも悪くもよくしゃべり、よく動きます。 日本人的感覚では
    ちょっとやり過ぎじゃ?と思う動きの派手さも、慣れれば新鮮で良いですね。

    劇団・本谷由希子とか楽しめる人にはぴったりかと思います。

    ネタバレBOX

    下の方で詳細、かつ的確なネタバレがあるので。
    簡単な人物のアウトラインを。

    父…序盤ですぐに首を吊ってしまうので細かいことは不明だが。
       どうも自殺を図った時は情緒不安定だったようだ。
       死体となった後もほとんど意識されないことから、生前も
       ほとんど空気に近いような存在だったことが推測される。

    長男…大物映画監督を目指すが、正直その器でない、良くて二流の人。
         本人もそれに気が付いているのか、必要以上に映画にのめり込み
         家庭をないがしろにして後悔も反省もしていない。
         本人の言動、また自分の妻にスナックの仕事を斡旋しておきながら
         その事実を全く覚えていない等、自分のことにしか関心の無い
         典型的な現代人。

    次男…既に自宅から一歩も出てない生活が数年来続く典型的なヒッキー。
         後述の兄嫁に横恋慕し、その写真を自分の日記に貼っている、
         情緒不安定なせいかモノが食べられず、常にひどい便秘に
         苦しみ続ける、等自他共に認める「人間のクズ」。

    義姉…夫が家庭を顧みなくなったせいで情緒不安定に陥っているばかりか
         それに加えて結構重度のアル中持ちの、相当ボロボロな人。
         寂しさを埋め合わせる為に、自分の店の客と頻繁に性交渉を
         結んでいる様子。 

    以上でも分るように、個々人がバラバラでお互いの都合ばかりを叫び合う
    この家庭は、父親が死んだところでどうといった変化は起こらない。

    父親がぶら下がっているトイレの、扉を隔てた向こう側では、義姉が
    男を連れ込み、たまに帰ってきた長男は弟相手に壮大な(でも、いつ
    撮られるのか分らないような)映画の構想をぶちまけ、興奮に浸る。

    父親? それは表面では悲しまれつつも、その実、各人の都合で
    天井から降ろされもせず、まして葬式も挙げてもらえない、トイレに
    設置されている壊れた換気扇以下の存在になってしまっている。

    後半に進むにつれ、父親はほとんど忘れ去られ、義姉、そして
    彼女としけこんでいた間男をめぐっての一家内バトルの様相を
    呈してくる。 死人の処遇<浮気の話し合い な、この不気味な構図。

    結局、最後に死んだ父親の口から一カ月経っても、まだ梁から
    下ろして貰えずぶら下がったまま、との報告がされて幕。

    終始、重くならず、どちらかといえば軽めの、笑いもしばしば
    ちりばめられたこの作品は、それだけに黒さとエグさが高いです。

    個人的には義姉のぶっ壊れたテンションの高さと、長男の、人を
    小馬鹿にしたような目の演技が見事。 

    長男が、浮気相手から「あんたがこの女の旦那だってこと証明して
    見せろよ」と迫られて返した答え、「僕と妻はずっと昔に結婚しました。
    それで充分じゃないですか」はこの映画監督の、他人への関心が
    いかに低いかを如実に表現した、本作品随一の名セリフだと思う。
  • 満足度★★★★★

    寂しいうさぎ
    序盤のコミカルな滑り出しからコメディか?なんて思ったのも束の間、終盤では人間の弱さを露呈した人間模様の芝居だった。どのキャラクターも死にたいなんて心の中で叫び声をあげながらも絡まった糸を解せないさまは哀れで悲しい。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    トイレというよりも便所といったほうがお似合いの場所でふんばる義弟。どうやら慢性の便秘でイキバルあまり血も出ちゃうような画。笑) その光景の中、彼の父は友人の葬式で、家出した妻が友人の家族のように振舞い喪服姿で接客している様子を見て、改めて妻の不貞を確信しショックを受け「もう潮時だ!」なんて言って自殺する。しかし死に切れない。死体のように吊る下がった物体は便所の中で生きている。笑

    一方で映画監督を夢見る夫は家庭を顧みず、いわば夫の家族の生活を支えるためにカラオケ・スナックで働くその妻。母が家出してしまってから引きこもりになってしまい母の面影を追いながらも義姉に横恋慕する義弟。

    家族は父が死んだと思い込み死体のそばで何事もなかったかのように暮らし続けるが、これらの情景はそれぞれが抱えた闇から逃れるための現実逃避だ。弟と妻が関係して出来た子を養子に出した過去、家庭を顧みない夫に孤独を感じ、その穴埋めに奔放にセックスする妻。妻の不貞を知りながら見ないふりをする夫。

    誰もが悲しく切ない。やがて・・苦しくて仕方がない心のうちを妻は夫に吐き出すも、まともに相手にしない夫の前で鋏で腹を刺す妻。バラバラになった家族はついぞ結びつかないまま、弟はつぶやくのだった。「ああ、母がいたあの頃は良かったな。初めて食べた蟹カマが旨かった。」幸せだったあの頃の残像を懐かしんで幕は引かれる。

    序盤から終盤近くまで殆どコミカルに引っ張る。字幕と役者の表情を確認しながらの目線はあっちこっちと忙しいものの、とにかく面白い。終盤になってこの物語の悲哀を一気に見せ付ける演出は素晴らしかった。どのキャラクターも寂しいあまり現実を見ない。そのほうが楽だからだ。今を生きてる現実に自信がないさまは人間の根底に潜む弱さだろうか・・。


  • 満足度★★★

    におい
    冒頭より、においがからみつくような舞台でした。うれしいにおいではないけど、それだけ迫力があったと言うことですね。

    役者さんはみんな力がある方だと感じました。特に、唯一の女性の方がすてきでした。彼女次第という舞台じゃないでしょうか。
    字幕が自然で、違和感なく見ることができました。

    でも、タイトルほどには意外性は感じなかったです。
    登場人物はみんな、普通人の感覚から、はずれてなかった。
    もう少しはずれたのを期待していました。

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