今から本当の事を話しますよ
今から本当の事を話しますよ、と歴史の登場人物が観客に語りかける。
項羽と劉邦の話の知識が、そもそも無いので、どれくらい史実(と云われているモノ)を遊び倒しているのかは定かではないが、
博物館で、自分の持ち物だった遺物を手に取り、「本当はね~」ってな具合で話しかけてくる項羽は愛くるしい人物だった。
満足度★★★★
中国劇の力の一端がここに…
現在の世、項羽が自身の時代を振り返り、物語る形で本作は幕を開ける…。
いや、凄かったですね。
観ようかどうか迷っている人は観た方が良いと思います。
中国という国の、演劇力の高さに「わずか」に触れた一夜でした。
項羽と虞姫。二人が初めて出逢った時に姫が見せた艶やかな舞。
ひらひらと軽やかな身のこなしに合わせてふんわりと舞っていく生地の
動きに合わせるように、音楽が鳴り響いた時にははっとさせられ、
有名な「鴻門の会」のエピソードの時の、劉邦を狙う項荘の剣舞の
身のこなしの凄まじさに目を奪われる。
中国の役者は迫力があるね。 つい食い入るように見てしまう。
惜しむらくは、もっと広いステージで上演したらさらに迫力ある舞台に
なっていたのではないかということ。