満足度★★★★★
ブレヒトによる「性の寓話」
初見の劇団。ご贔屓の「東京演劇アンサンブル」と活動状況に共通点がある劇団があると、夫が教えてくれたので、観に行ってみました。
なるほど、専用劇場を持っているとか、学校公演を行っている点やHPのつくりなども東京演劇アンサンブルと似ている。
本作は「性の寓話」だが、ブレヒトはこういう短編茶番劇も書いていたんですねぇ。
高台の舞台の3方を客席が囲む。舞台装置や「場」の説明、ト書きなどを俳優自らが行うのが印象的。
女郎屋の建物をミニチュアで配したり、女郎屋のランタンの「青い灯、紅い灯」を表現した照明や軽快な音楽など、アンティークな雰囲気がとても洒落ていた。松本修の演出と似たところもある。
上演時間は約1時間と短いが、最近2時間以上の小劇場芝居が続いたせいか、すがすがしく感じた。上演時間が長ければいいというものではない。先ごろ、同じブレヒトの「アルトゥロ・ウイの興隆」をピーチャム・カンパニーで観たが、あの長時間屈葬状態の悪環境での観劇のときとは別世界の快適さ。
大人の鑑賞に堪えうる劇団にまたひとつ出合うことができた。とても嬉しい。