1968・12・10雨『無血』全公演終了いたしました。ご来場の皆様に感謝いたします。 公演情報 1968・12・10雨『無血』全公演終了いたしました。ご来場の皆様に感謝いたします。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    真面目さと不真面目さ
    不真面目な部分は必要なかった。弁護士の赤いドレスには、かなりの違和感があり、キャラクターも好きになれなかった。コメディとしての部分的なものを省けば、かなり職人気質な劇団だと思う。計算された物語性は満足だった。

  • 満足度★★★★★

    獏天の最高峰
    今まで観た獏天作品の中でいちばん良かったです。
    (最高峰は常に次の作品で更新されたりしますが)


    子どもの頃、銭湯に行くといつも貼ってあった三億円事件犯人のモンタージュ写真。
    思えば「モンタージュ」という言葉を憶えたのもこの事件ででした。

    事件の概要はざっくりとは知っているものの、
    そもそも事件の核心にはまったく触れたことがなかったため
    (過去の同事件を扱った他作品も殆ど知りません)
    ほぼまっさらな状態での観劇でした。


    A、BおよびABミックスバージョンそれぞれを1回ずつ観劇。
    脚本は圧倒的にBが秀逸でした。
    最後の種明かしは圧巻。

    演出も印象的なものが多く、
    特に「君にプレゼントをあげよう、時間という」という台詞の後の時間経過のシーンが
    無言で心情を表していてとても素晴らしかったです。

    役者さん達も二役、三役をそれぞれの年代で使い分けて
    どの役も申し分なかったと思います。
    キャストで特に印象に残ったのは西村さん。
    じわじわと齢を重ねていって、やがて納得して最期を迎えゆくさまが胸にきました。

    3回のみの観劇となりましたが、時間が許せばもっと観たかったです。

  • 満足度★★★★

    無血(A)観ました
    アクションすごい!
    展開がめまぐるしい!
    衝撃のラスト!
    AB公演観たかった!

    ネタバレ含む感想をBOXに。

    ネタバレBOX

    ネタバレ含む、感想です。

    まずは、激しいアクションに圧倒されました。
    すごい!
    あのスペースであんな激しいアクションが観れるとは!
    感動しました。

    登場人物それぞれのストーリーが交錯していて
    アホの私の頭がついていけなかった部分も若干…
    いくつか残った疑問は、B公演を観た友人に解説してもらい
    なんとか頭を整理した感じです。
    AB公演が観たい・・・。

    2時間では足りないくらい、詰まってた気がします。
    もうちょっと、描いて欲しかった部分とかもありますし。
    草野家の父子関係とか…



    しかし…なんといっても一番の衝撃は
    最後のジョージのセリフです。
    「俺の20年はオマエだった!」と。
    裁判劇だと思って観ていた舞台は
    実はすごいラブストーリーだったという・・・・。
    ラブストーリー苦手な私には泣けないラストでした。

    中盤の運命に翻弄されるジョージの
    葛藤、苦悩…そのあたりが、個人的にすごく好きです。
    AB公演が観たかったです。



  • 満足度★★★★★

    迫力に圧倒されました。
    それぞれの登場人物の想いがとても切ないのですが、三億円事件について深く考えさせられるきっかけになりました。

  • 満足度★★★★

    かなりの力作
    オープニングではちょっとビックリしたが、そのあとは一気呵成に進む物語に没頭できた。笑いを取るべく盛り込まれた部分は、不要だ。すべり気味だったし、無いほうがすっきりしてよかったと思う。

  • 満足度★★★★

    いいですよね。
    あの熱い感じ。
    わくわくと、そしてドキドキとしました。

    ネタバレBOX

    愛の反対は何か?って話、納得させられました。
    憎しみ・・・と心の中で僕も答えていましたから。
    けれど違うんですよね。
    憎しみは愛の一部、愛の反対は無関心だって。
    ああ、なるほどと思いました。

    いい俳優さんが集まっていますよね。
    あの男らしさ、いまどきなかなか出せないんじゃないでしょうか。
    願わくば自分もあんな男たちに生まれてきたかったです。

    最後の雨のシーン、心に残りました。
  • 満足度★★★★

    狂わされた人生の交錯
    3億円事件をきっかけに、人生を大きく捻じ曲げられた人々の物語。

    ネタバレBOX

    題材こそ、3億円事件であるが、3億円事件そのものの謎解きというよりは、ある出来事によって大きく人生を狂われてしまった人々の悲哀、心のよりどころ、そして、それぞれの末路を丹念に描く。

    一見すると、ハードボイルドもののVシネのような作りとなっているが、3億円時間をきっかけとして、一人ひとりがなぜにかくもこの事件に固執するか、昭和43年、昭和63年、平成16年、平成20年と時代を行き来しながら、徐々に明らかにする。

    役者陣は、あて書きされたかのようなはまり役ばかり。
    なかでも、裁判官・3億円事件の真犯人ではないかと疑われ、最後には自殺した男・草野を演じた五十嵐康陽が出色。とくに、人生をめちゃくちゃにされた男・草野の悲哀を見事に表現した後ろ姿は一見の価値あり。


  • 満足度★★


  • 満足度★★★★

    Aバージョンを観た
    当日配られるパンフレットは見逃さず読んだ方が良い。「3億円事件」の容疑者を追いながら、剃神というデカの人生を描写した作品だった。とにかく丹念に練り込まれた本が素晴らしい。これに加味して個々のキャスト陣のキャラクターの立ち上がりや演技力、アクションは見事だった。

    オープニングからの勢いは留まる事を知らず、舞台セット、音楽、照明、伏線の回収などプロとしての職人技に圧巻された。しかしだ・・、惜しむらくは、これだけの事件性と演技力があったなら何もおちゃらけたコメディな部分は必要なかったような気がする。あくまでもストレートプレイに徹して、その実力を誇張してほしかったのだ。むしろストレートプレイのほうがこの場合、馴染む。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    東芝府中工場のボーナス約3億円を積んだ現金輸送車が、偽白バイ隊員によって強奪された事件。しかし犯人の逮捕には至らなかったものの、名刑事・平岡八兵衛は捜査の指揮をとりながら犯人に目星をつけていた。「あいつが犯人だ。必ずボロを出す。とことんまで食らいつけ!」と剃神に指示を出す。

    結果、剃神は四六時中、タクシー運転手の草野に貼りつき監視し張り込む。云わば草野のストーカーと化した剃神の視線に怯え、また多数の人々から嫌がらせを受け精神的に追い詰められた草野は自宅から一歩も出られなくなってしまい鬱となる。

    そんな中、いつも視線の先にあった草野の娘と剃神は自然な形で恋愛感情が芽生えてくるのだった。しかし二人の感情にはいつも不安が付きまとう。容疑者の娘・草野小夜と刑事。彼らの恋は不安定な心とお互いの環境が障害となって常にぶれていたのだった。

    二人の恋に亀裂を入れるように草野の妻が他界してしまう。これを機に草野本人は剃神を呼び出して「ずっと見張ってても何も出てこないよ。俺は犯人じゃない。疲れた、何の為に生きて来たのか、人生の意味が解らない。君にプレゼントをあげるよ、時間という名のね。小夜は妻の連れ子だ。犯人は小夜の実父だよ。」と言ってその場で自害してしまう。

    父が残した小夜宛ての遺書によって小夜と剃神の愛は完全に破壊され剃神は小夜によって民事裁判にかけられる。草野の自殺関与への容疑だ。この時に剃神の過去や剃神の行動も暴かれるのだった。

    一方で剃神と城山は幼馴染だったが、革命家だった剃神の父は機動隊員だった城山の父に闘争の最中、殺されてしまう。働き手を失った剃神家は一気に貧しくなり、そして剃神は城山の父親に金の無心をするようになってしまう。これが起因となって城山の父は廃人同様となってしまう。

    こうした因縁の中でも常に城山は剃神を慕い、剃神を目標として生きて来て、そして自らも刑事になる。終盤、因縁の二人が和解するシーンは序盤に撒かれた伏線を美しくも見事に回収し、その毅然とした情景は男同士の哲学を見せられたような気がした。更に剃神の裁判が無罪になると、小夜の剃神への押さえてた感情や蟠りも一気に氷解し水が溢れるように素直に愛を確信できるようになる。

    草野を追ってた長年の空白を平岡が退職した今、剃神は自分の人生の空虚と捉えていたが、小夜との愛に置き換え小夜と共に生きる決意をする。


    あまりにも本が素敵だったので作家に会ってきたが、「君が暴力団として出演されたほうが迫力あるんじゃないの?」と告白しそうになった面構えでびびった!笑
    「天は二物を与えず。」
    納得した瞬間だった。あまりにも神の言葉が的を得ていた。素敵すぎる!笑

    草野を演じた五十嵐康陽の演技力は見もの。

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