実演鑑賞
ドイツ文化会館ホール(OAGホール)(東京都)
2022/11/17 (木) ~ 2022/11/18 (金) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://gekkasha.modalbeats.com/?eid=957091
期間 | 2022/11/17 (木) ~ 2022/11/18 (金) |
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劇場 | ドイツ文化会館ホール(OAGホール) |
出演 | 川村美紀子 |
演出 | 韓成南 |
振付 | 川村美紀子 |
料金(1枚あたり) |
3,000円 ~ 5,000円 【発売日】 前売予約 3000円 ペア 5000円 当日 3500円 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 2022年 11月17日(木) 19:30 11月18日(金) 14:00/18:00 ・開場は開演の30分前 ・上演時間は45-60分を予定 |
説明 | 総合藝術文化サロン発のプロデュース公演。 Dancer/川村美紀子とAudio VISUAL artist/韓成南がダンス作品でコラボレーション。 『退行と進化』文: 韓成南 古代〜中世は船、近代は蒸気機関車によって交通網が発達し、人々の交流が活発になることで文明が発展してきたように、インターネット社会になって私たちが得た最も重要な指針は「効率性」だった。1970代以降の(GAFAに代表される)企業の巨大化は、プラットフォームの覇者となることが必然であり、資本主義下で栄光を存続させる方法となって久しい。また、かつては漠然とした環境・気候問題への警鐘が、今ではリアルな問題となり、これと同時に、COVID-19という疫病が流行したことで、ネット会議等による非接触コミュニケーションが推奨され、急速に受け入れられ、COVID-19以前の生活で非効率なコミュニケーションが排除の対象となった。環境に配慮すべきであるという点で、富裕層のプライベートジェットでの移動に対する批判から始まり、バス、車、電車といった交通機関の選択が、よりシビアな風潮になってきた。化石燃料の枯渇、原子力発電の危険性、海上風力発電の疑問視とあわさって、物理的な移動すら「倫理観」によって制限される時代が、やがてくるだろう。移動の目的が娯楽であればなおさらである。最近耳にした話で、世界規模のカンファレンスが計画された時、その島へ普段会わない者同士のコミュニケーションとレクリエーションを兼ねて人々が一斉に集合することに批判が起こったそうだ。倫理的に移動を制限することが、環境を守っていく上で効率的でもあるということだ。 100年後に人類は滅亡する、というと予言めいているが、まんざら完全な嘘でもないことを仮定してみる。疫病流行、温暖化による自然災害や海水温度が上昇することによる漁業へのダメージ、石油資源の枯渇等、当たり前とされることが当たり前でなくなる。人は、当たり前にあるものがなくなることに異常な執着心を持つ。人が今直面している、当たり前の事物の消失というものは、哀愁ですまされるものではなく、退行の始まりの匂いがするからであろう。ひと昔前のSF小説や映画で描かれたように、人類が移動をやめ、活動するエネルギー量自体を減らし、全員が寝たきりになれば、少しは解決するかもしれない、効率という面で。そうなると、もはや人と呼ばなくなるのだろう。必要なエネルギーを最小限にすることが、二足歩行をやめることになり、そうすれば一見退行のようだが、結果的に進化した人類として、生き残れるかもしれない。言い換えれば、何としてでも生き延びることが生物としての進化の過程であるなら、「当たり前」を継続できる術がないのであれば、退行を受け入れなければならないのである。 先日、歯医者に行ってレントゲンを撮り、歯周病の検査を受けた。歯の根の治療をした、ほぼ歯としての機能がない銀歯を、一番気をつけないといけないと言われた。子供の頃、虫歯で歯医者に通った時、歯が何のためにあるのかわからなかった。虫歯を少しずつ治療して、つぎはぎにするなら、いっそ全部抜歯し、人工の歯を入れればいいのにと思っていた。ライオンや猛獣を飼ってみたいと思った時、とりあえず歯を全て取ってしまえば、飼えるのではないかと考えたのと同様に。しかし、年月が過ぎ、知ったことは、身体は効率だけではなく、知り得ない微妙なバランスで成り立っているということだった。 SNSの流行によりルッキズムへの志向が激しくなり、美容整形が流行している。化粧で工夫してきたことが一般的だったが、美容整形により元の顔に戻ることができなくなった顔は、どんどん均一化し、個体差がなくなっていく。化粧で均一化するという全体性への安心感とは全く違った、人が自ら沼にはまっていくようなクローンへの志向を感じさせる。進化のお約束として、父と母の特徴的な部分を受け継ぐのが子であり、種を継続していくために差分を増幅することで、生き残りの可能性を拡張していくという遺伝子という仕組みが人類には備わっている。だが、美容整形のように、生まれたままの自分を受け入れる美徳がなくなった美容整形の効率化とその流行は、均一と同調を重視することで、心の平穏が保証されるという点において切実な未来に向けての進化とも言えるのかもしれない。 未来という不確定なぬめりは、「信仰」という高圧洗浄機によって取れはしても、時間から離別できないヒトの内部では堆積したままで、私たちは、延々と危惧し続け、最上の頂がまるであるかのように、退行という進化が始まったのだ。 ——————————————————— 本会について Modalbeats (茶会記)代表 福地史人 今回の当方の役割は喫茶茶会記の前身であり上位概念であるModalbeatsを任意団体として成立させて スポンサードを行うこと そしてかつてからの理念である対等な関連性の具体的明示にある。 簡単にいうとコンテンポラリーダンスとヴィジョンアートの対等的表現といえる。 意外にこの考え方を意識的に実施する事例は少ない。大体はチームスピリットの強度をあげるために 主従関係が成立、我々芸術界では従の方がギャラが固定で高く主人がカツカツになる事例が 多くあるわなのだが、本会はあくまで互角である。 かつてわたしはテレプシコールでの大森彩子・舞踏新人での音響を担当したがたしか客引きの際のエンディングテーマのみ 選曲させてもらい劇中のほとんどの音の選定は大森彩子のもの。完璧な選定。それだけ表現者は確かなな耳をもっており 容易にそこに入る余地は難しい。 ダンスの木村由が四谷茶会記でフリーインプロバイザーと互角にセッションしていて 蓼科でもJOJO氏門下の新井麻木氏(g)とやってくれている その他分野との対等性における新奇性にいつも茶会記ヴィジョンとの整合性を感じ取っていた わたしたちが新たに生み出す「意識的」な相互分野はコンテンポラリーダンスとヴィジョンアート。 二人の存在はその分野の各位であればほとんどご存じのはずだ。 「ミクストメディア」は死語感が伴うがそれは「美術・インスタレーション」という枠内に収まっているのが現状である。 フライヤーデザインは茶会記企画を一貫してお願いしていた盟友Yamasin(g)氏になる。 上記文言がわたしの役割のすべてでありそれ以降は一切わたしは関与していない。 題名すら分からなかった。今回ドラマツルクや全体像をまとめ上げた旧茶会記副店主の上田と 作者でもある川村美紀子、韓成南三人でまとめた題名である。 コンテンツコンセンプトについては韓成南のテキストがすべてになる 全員四谷でイベント打ってくれた仲間たちだ。 本件でのわたしの関与が少ない理由は今年の2月に私は癌の摘出手術を行なったことになる 去年の末は先輩ジャズ喫茶の新宿・JazzBarサムライの二健さんと福地冥土の土産企画として 同じく新宿ジャズ喫茶のラスボスであるDUGの中平さん父子と対談イベントをしていた だからわたしが深刻な状況であった時のことも考えた上の今回のわたしの思う最良の布陣である。 必然的に福地以後、上田と様々なお目付役と共に運営を予定していた。 わたしはステージ2で抗がん剤なしで普通に生きているがその時の覚悟感を本会の内在的コードとしている。 ——————————————————— |
その他注意事項 | |
スタッフ | 振付・出演 川村美紀子 映像・演出・メインヴィジュアル: 韓成南 制作・ドラマトゥルク 上田晃之 写真: 上原俊 宣伝美術:yamasin(g) 主催:Modalbeats(モーダルビーツ) 企画:福地史人 |
Dancer/川村美紀子とAudio VISUAL artist/韓成南がダンス作品でコラボレーション。
『退行と進化』文: 韓成南
古代〜中世は船、近代は蒸気機関車によって交通網が発達し、人々の交流が活発になることで文明が発展してきたように...
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