自由を我らに 公演情報 自由を我らに」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    お見事!
    キャストの演技力といい、衣装といい、音楽といい、素晴らしい舞台だったと思う。しか~し!

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX

    1946年、GHQから提示された【日本国憲法】を、口語文にするため、10人の一般人が集められる。皆、物書きたちだった。言葉のプロといえば、そうなのだけれど、コヤツらのやる気のなさったらハンパない。

    憲法全文を『誰にでもわかる日常語に直す為に与えられた時間は、たったの2時間。この2時間という制限時間を聞いただけで「無理ムリムリムリーーー!!」とケンシロウの如く抵抗しまくって無駄に時間が流れていく。中でも戯曲家などは【日本国憲法】自体を読んできてない。という感心のなさで、いったい、こんな人たちに日本の重大な憲法を論議させる発想そのものがオカシイんじゃないの?!って感じで観てた。

    しかしながら、一人の広告文案家の発言の元、気を取り直した他の文筆家たちは、3人の政府役人の司会を筆頭に会議を始める。するってえとどうだ!まるで下町の井戸端会議のなり。緊迫感はないは、脱線に継ぐ脱線、おちゃらけちゃってるものまで現れる。

    それでも誰かがどーにかこーにか修正させながらも、憲法第9条や12条、13条と曖昧な文章を疑問していき戦争放棄の文面に至っては、かなり白熱して物語の山場を迎える。更に政府役人の早乙女貞子が【日本国憲法】についての説明や、マッカーサの意図や、自分なりの主張を述べるが、ここでの文筆家たちよりも、よほど学習しており、一番の見所だったと思う。

    殆どがテーブルについての会話劇だから、中盤、ちょっとだけ飽きもくるが、1946年という時代に女性である早乙女に、これだけの知識の主張をさせ、戦争放棄については「正義の勝利を力強く示している」と訴える場面の脚本にとても意義があったと考える。震えるほどの濃密な場面だった。

    観てよかったと思う。ちなみにタイトルの「自由を我らに」は新しい日本の標語として舞台で登場させた言葉。


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