TSUCHI-GUMO―黄昏の血族、暁の王― 公演情報 TSUCHI-GUMO―黄昏の血族、暁の王―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    時代劇版トレンディドラマ(笑)
    能楽をベースに現代演劇に仕立てるスタイルが特色のここ、今回の題材はタイトル通り「土蜘蛛」。
    病に伏す頼光のもとに土蜘蛛・胡蛾が現れ、糸で絡めとろうというアクションシーン(笑)からいきなり入る。ここでは仕舞も入り、能が色濃く漂うものの、そのすぐ後の傷を言霊で治すシーンではミュージカルタッチの歌が入り、オリジナルエピソードである頼光の息子・頼国と土蜘蛛の妹・胡蝶が互いに相手の素性を知らずに出逢う場面は時代劇版トレンディドラマ(笑)のようでもあり、このイイトコ取りのクロスオーバーぶりが楽しい。
    以降、土蜘蛛とは国家に従わなかった一族の暗喩であるということを踏まえつつ、頼国と胡蝶のロミジュリ的なものも交えての「土蜘蛛秘話」、頼光と胡蛾がともに「復讐の連鎖」を断ち切ろうとする(このテーマも好き)ばかりでなく一連の流れをすべて自分の死によって清算しようとするカッコ良さを経て、ややコミカルな後日譚で締めくくる100分(この長さもイイ)を堪能。
    あと、クライマックスで傷を治す言霊の歌がリプライズされ、しかもそこでは胡蛾と胡蝶の重唱になるところにもツボを突かれる。

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