春の海 公演情報 春の海」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
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  • 満足度★★★★

    故郷といえる場所
    人口200人そこそこのむつじ村にはむつじ川が流れ、そしてむつじダムがある。そして、その景色を映すように後にそびえ立つむつじ山。
    そんな田舎での物語。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    いつものように多面的な場面を同時進行させるのが「世田谷シルク」のカラー。今回も1990年の一年間と現在、そして2019年の未来をどう繋がっていく物語なのかを断片的に交差させて魅せる。

    物語は8年前にダムの底に沈んでしまった「むつじ村」が当時はどんな生活様式だったかを「実験教室」を通して教師らと子供たちとの関わりあいで上手に機能していたことを物語る。教師と生徒の会話が実に愉快な芝居だった。テンタとマサキの二人が面白い。そして子供を脅す教師のキャラクター。笑
    毎回の如くビデオを早送りするみたいなコミカルなダンス。あれって水の中の生き物なんだろうか?タツノオトシゴみたいな・・。笑

    一方で8年前は生徒だった彼らの現在の様子も、炙り出す。現在はフリーでドキュメンタリーを作ろうとしている遠藤。そのドキュメンタリーのターゲットを「むつじ村」にしようと考えたことから、様々な思いや意見が浮き彫りになる。

    舞台が終わってみれば「自分たちの故郷」を考える正当な芝居だったような気がする。その表現の方法がテクノ的で斬新なだけだ。故郷の両親や都会に出て行った家族、残された者とそこでの生活。それらを直面からではなく、こっそりと斜めから描写したような舞台は、たぶん、後からじわーーっと記憶に残る。



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