実演鑑賞
満足度★★★★
「楽屋」以外の清水邦夫作品舞台を観たのは初めてかも・・。戯曲は短いのを二つばかり読んだが。
このたびは渡辺作品でないオフィス3○○舞台、客演に岡森諦、シアタートップス、今や「安い」とさえ思う4000円の入場料で「当日キャンセル」狙いで観に行った。清水邦夫戯曲発見の機会になった。全共闘時代、ヘルメット姿がそこここに蠢き、詩人、兄、父の「敗北が判っているかのような」物語を取り巻くコロスとなる。苦悩と恍惚が同居する詩情はふるる劇では、キリストの受難と同じく肉体の破滅の中に復活を予見させる基調があり、この時代そのものへの鎮魂の響きがある。
ゲイの発展場である新宿のとある公衆便所で、たむろする男たちを後景に(時に前景)、主人公の吐く台詞が個的な懊悩を超えて時代的広がりを持ち、渡辺えりの演出で現代にせり出して来る。
何より渡辺氏が十代の頃「書店で読んで」「書き写して」心酔した戯曲、「いつかやりたい」との念願を果たした舞台だからだろうか、想いに満ちて心地よかった。客席には渡辺氏の旧知の演劇人らがちらほらといった模様で、会場の雰囲気もよく、実はかなりの不眠状態で駆け付けたが寝落ちもせず終演を見る事ができた。
実演鑑賞
満足度★★★
まさに自分の世代の戯曲である。
それもあってか、客席の高齢者の割合が極めて高かった。
あの当時の熱をリアルに経験してきた同じ高齢者の皆さんは、半世紀の人生経験を積んだ今、この舞台に何を感じただろう。
きわめて個人的な気持ちであるが、自分はすでに当事者の感覚にはどうしてもなれなかったし、作品そのものに夢中になることができなかった。
この熱量の半端ない、混沌の作品を、懐かしさを持って観ることしかできなかった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
戯曲中にはない歌をえりさんの作詞で歌われたり、登場人物の懐中電灯が照明として使われたり、バンドネオンに合わせてタンゴダンサーが登場したりとえりさん独自の演出が施されていました。ダンサーさんのダンスが素敵でついついそちらに目を奪われてしましました。
本日のアフタートークのゲストがピーこと瞳みのるさんで、まさか今になって会えることになるとは思ってもいなかったので感慨深かったです。開演前にはタイガースの曲も流れていました。