実演鑑賞
アトリエ劇研(京都府)
2010/03/23 (火) ~ 2010/03/28 (日) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://toriko.chips.jp/nextstage/
久しぶりの新作舞台だ 文化庁の在外派遣で二年間フィンランドに滞在した山口さん。自身が演出する舞台としては帰国後初の新作ということでとても楽しみです。
期待度♪♪♪♪♪
0 2010/02/21 10:32
期間 | 2010/03/23 (火) ~ 2010/03/28 (日) |
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劇場 | アトリエ劇研 |
出演 | 岩田由紀、鈴木正悟、仲野毅、筒井加寿子 |
脚本 | 山口茜 |
演出 | 山口茜 |
料金(1枚あたり) |
1,500円 ~ 2,500円 【発売日】2010/01/18 前売一般 2,000円 当日一般 2,500円 学生(前売・当日とも)1,500円 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | |
説明 | クリスチネについて 私はむかし、横文字が苦手でした。 山口 茜 私はむかし、横文字が苦手でした。 いや、厳密にいえばアルファベットのカタカナ表記が苦手でした。文章の中にカタカナが出てくるだけで、すぐに読む気が失せてしまうのです。だから世界史も苦手だったし、耳で聴くのも苦手なので、テレビでやってる洋画劇場なんかは登場人物の名前がいっさい覚えられませんでした。ニコラス・ケイジはずっとニコラス刑事だと思っていて、洋画の中に「ニコラス刑事シリーズ」みたいなのがあるんだとずっと思っていました。 それが、2007年からの2年間のフィンランド生活で、奇跡的に改善したのです。というか、それを確認できる事件が今日起こりました。今までなら、カタカナであるがゆえに頭に一切残るはずの無かった「オグシオ」という単語を、私は今日2010年1月12日の夜19時ぐらいまで、外国人のサッカー選手の名前だと思っていたのです(まさかオグラさんとシオタさんのコンビ名だったとは)。これは完全に、2年に及ぶヨーロッパ暮らしが影響していると言わざるを得ません。私の脳は完全に、横文字をマスターしてしまったのです。 かくして欧米の戯曲をすらすらと読めるようになった私は、今回の「クリスチネ」という題名に、ヘンリック・イプセンというノルウェーの劇作家の、「人形の家」という戯曲に出てくる登場人物の名前を拝借しました。本には「リンデ夫人」と表記されていますが、主人公のノラは彼女のことを「クリスチネさん」と呼びます。この「人形の家」という作品は、主人公のノラが、自分を人形扱いしていた夫を見切って家を出る、という話ですが、男性に人形扱いされたことのない私は、主人公ノラにどうしても感情移入できませんでした。夫や幼い子供たちを置いて家を出るようなノラよりも、仕事も信用も無いグダグダのクログスタトと手を取り合い、家族を作ろうとするクリスチネさんのほうがかっこよく映ったのです。 そんなクリスチネさんを題材にして作った作品が、今回の「クリスチネ」です。クリスチネさんは本当にイイことを言います。私が一番ぐっときたセリフは、これです。 「私もね、この世間に生きていて、板片一枚にしがみついている難破人ですのよ。だれのために働いて、だれのために苦労するあてとてもありません。(中略)クログスタトさん、わたしたち二人の難破人が一つに寄ったらどうでしょう?てんでひとりきりで自分のこわれ船に乗っているよりも、二人で一つの船に乗った方が、心強くはなくって?」(岩波文庫『人形の家』ヘンリック・イプセン作/竹山道雄訳) イプセンはやっぱり凄いと思います。だって童話も書いてなかったっけ?と思ったらそれ、アンデルセンやしね。やっぱ横文字って難しいですね。 |
その他注意事項 | |
スタッフ | [舞台監督]清水忠文[舞台美術]五木見名子[照明]池辺茜[音響]奥村朋代[衣装]南野詩恵[映像・宣伝美術]堀川高志[制作]小林みほ |
私はむかし、横文字が苦手でした。
山口 茜
私はむかし、横文字が苦手でした。
いや、厳密にいえばアルファベットのカタカナ表記が苦手でした。文章の中にカタカナが出てくるだけで、すぐに読む気が失せてしまうのです。だから世界史も苦手だったし、耳で聴くのも苦手なので...
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