満足度★★★★
なるほど。
年間400本以上観る、こりっちでも著名な、じべ。氏が、いつもは観劇後しばらく時間が経ってから感想を投稿するところを、そうではなく、観劇後即時に携帯で、星5個と投稿した、異例の作品。
キャンセル待ちで観てきました。ストーリーは手短に説明するのは難しい(汗)
とにもかくにも、小演劇好きにはたまらなく、惹かれるものがあります。
満足度★★★★★
野田ファンは一見の価値アリ
若手小劇場系のイキオイのよさに加えて、語り口や言葉遊びなど野田秀樹度高し。野田ファンなら一見の価値アリ、柿ファンでもあれば必見!!
異例の直後「観てきた!」だったものの、後の参考として通常版を加筆しておきます。
日替わりで自分を往年の大打者と信じ込みその相手になりきる草野球の選手を中心としたストーリーと、恋した相手がアイドルで追っかけたちに阻止されながらもキッカケを作ろうとする少年(とその友人)のストーリーが併行して語られ、やがて…な物語。
まずは柿喰う客とも通ずる早口ながら活舌の良さで聞き取らせる会話によるテンポの良さ、リズム感に野田秀樹チックな同音異語などを使った言葉遊びも加えてコミカルにスタート。間の取り方や笑いのセンスは X-QUEST(←ここも野田好きだし)も想起させる?
いずれにしてもσ(^-^) にとっては好きなスタイルの取り合わせである「お子様ランチ状態(爆)」なのでツカミからオッケー。
その後、1錠服用すれば10年間眠り続ける薬(『死霊のはらわた3』を連想)なんてモノも出たりして、「ノストラダムスの大予言」(の本)が登場することで2本のストーリーの関係性に関するヒントが出されるのがまた巧い。
一方では「あと10年か」、他方では「10年も前」などと言い、両者には20年の隔たりがあると悟らせるワケさ。
そうこうしているうちに、冒頭の様々な言葉遊び的台詞にもあった「ドラム缶の中の遺体」が未成年者による少女監禁ドラム缶詰め殺人のことであると明かされ、草野球選手は20年前の事件の被害者の恋人で犯人に復讐すべくその出所(しゅっしょ:「でどころ」ではない)を待っていた…という本題(?)に突入。
チラシなどから予見したものの「読み違えたか?」とさえ思った復讐の是非を問うシリアス系はここからで、これもまた好きなテーマなので、その「二段ロケット」的な構造にも感心。(ライトなタッチで始まりながらも次第に重めなテーマに移行して行くのも野田風味と言えるのではあるまいか?)
で、最終的に復讐するに至ったかどうかについては語らず、しかし主人公の記憶の中の「復讐はしないで…。ただ、覚えていて。」というハカセ(=被害者)の台詞で締めるのもイイ。