御前会議 公演情報 御前会議」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    会議室で「御前会議」
    前回の「タクラミ」のアンケートで平田オリザ作品をとりあげてもらえないかとリクエストしたので、偶然なのかもしれないが、早くも実現したのは嬉しい。青年団やオリザファンにもクロカミショウネン18を知ってもらう機会になると思ったが、青年団ファンにとって「御前会議」は周知の作品でいまさらの感があったのか、CoRichでの反応はいまひとつのようです。
    この不定期の番外企画、「クロカミショウネン18」未体験の人にはぜひお薦めしたい。いちおう、アンケートにはチケプレのお願いをしておきましたので実施していただけるとよいのですが。そうしたら、もう少し「観てきた!」が増えると思うのです。
    貸し会議室を使って会議を扱った芝居を上演するアイディアが良い。
    観客も会議に参加しているような気分を味わえる。
    今回はバレンタインデーにちなんで観客にチョコレート菓子が配布され、劇団員による自家製ホット・チョコレートの販売も行うなど、温かい気配りが嬉しい。ホット・チョコレートには劇団名入りのハートのマシュマロが浮かんでいた。

    ネタバレBOX

    青年団での「御前会議」を観たことがないけれど、脚色とは書いていないので台本は原作通りなのだろう。
    一般市民らしき男女が7人集まって会議をする。上座には「佐藤さん」なる新聞紙で作った身体にトレーニングウェアを着た人物が座っている。
    明らかに人形にしか見えない佐藤さんに対して、人々は挨拶の声をかけたり、お茶を供したり、同意を求めたり、顔色を伺ったりする。
    最初は駐輪場とか、食品の賞味期限とか、邪馬台国は何処にあったかなど緊急性のない一般的な議題について議論しているのだが、休憩から戻ってきた木下(大竹悠子)と田中(廿浦裕介)が「陸軍」や「海軍」の立場を互いに主張したりして、どうも様子が変である。
    やがてまるで戦時下のように専守防衛か「先制攻撃」かについて議論が白熱していく。そして、結論が出ず、佐藤さんに「ご聖断を」と迫っている最中、佐藤さんが倒れたということで、騒然となり、人々は介抱のため佐藤さんを担ぎ出し、部屋を出て行く。
    そう、まさしく「御前会議」なのである。この連中が一体何者なのかはわからないが、会議はどこか太平洋戦争時代の軍部の会議を思わせ、佐藤さんを使って人の頭をはたかせたり、彼らは明らかに人形の佐藤さんをいいように利用している。本当に戦時下という設定なのか、擬似討論なのかわからないが、何とも不気味で、「東京ノート」とも共通する平田オリザらしい戦争に対する風刺が効いている。
    「専守防衛」か「先制攻撃」かということについての議論のくだりは、北朝鮮問題が注目された時期、実際にTV討論などでも似たような議論が展開され、決して絵空事ではない。戦争の影は身近なところから忍び寄っていくという平田氏の持論がよく表現された作品と言えよう。別居中の中島夫妻を演じる渡辺裕也、出水由起子が、リアルな芝居を見せ、中島の夫と不倫関係にある松岡の太田望海がとても美しく、自信に満ちた高慢な若い女を好演。
    これは原作の問題だが、賞味期限を語るところで納豆を例にとるのはふさわしくない。納豆は生鮮品のため、賞味期限ではなく消費期限が決められているからだ。
    「クロカミのタクラミ」と称する番外公演は今後も続けるそうなので、次はどんな作品が来るか楽しみ。
  • 満足度★★★★★

    見てよかった
    とても面白かったです!
    実際使われているオフィスで役者と観客が同化するような感覚の中で繰り広げられる奇妙奇天烈な会議!
    でも、日本人のいいところも悪いところもあぶり出され、胸がチクチクするストーリーでした。
    役者の一人ひとりが、とても個性豊かでとてもチャーミング、愛すべき日本人を表現してくれました。
    とても自由な表現、時間にも歴史にも人間関係にも縛られることなく本当に自由で演劇の可能性をまたグっと広げた今回のタクラミ、大成功!おめでとうございます!!!

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