実演鑑賞
満足度★★★
幸せに暮らしていたグループが新しく入ったメンバーによってかき乱されるという定番の物語。今回は場所が盲学校なのでその特異性が演技の訓練になるので選定されたのだろう。視線を動かさず、表情もあまり変えない、といういわば大リーグボール養成ギプスを身に付けて、どこまで演劇を作り上げることができるだろうか。この設定ではまた、黙っていると同じ部屋にいても分からないということがまるで透明人間のSFのようで面白い。休憩なし105分。
ストーリーは連続TVドラマにもできる愛憎劇なのだが、直接的な表現は少なく上品な薄味仕立てで進んで行く。「目が見えない」ということは「何かが分からない」ことの一つの例示にすぎないので、哲学的な雰囲気を持たせているのかもしれない。曖昧な方が普遍的な意味を感じられるということもあるだろう。それにしても結末はもう少しなんとかしてほしかった。
演技はやはりぎこちない。そのハンデを乗り超えて魅力を発揮する役者さんも残念ながらいなかった。この珍しい集団特殊演技を見てみたい人にはお勧め。もちろん研修生を暖かく見守りたいという人にも。
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新国立劇場演劇研修所「燃ゆる暗闇にて」、面白かったです。障がいについてのスタンス、マイノリティだけの小さなホモコミュニティと社会、見栄、愛情と同情、いろいろな要素の入った見応えのある戯曲でした。こういうのが観られるのが演劇研修所の良いところ。カルロスとイグナシオの二人が良かった。
約2年前
新国立劇場演劇研修所公演『燃ゆる暗闇にて』初日を観劇。 スペインの盲学校を舞台に、バリェホのことばたちによって己の拙さ、自身/他者との向き合い方、社会の捉え方などに喝を入れられるような構成。 俳優が役を演じるという、自分以外のもの… https://t.co/tYBI3E7vHs
約2年前