えれがんす 公演情報 えれがんす」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 作りが無難?
    決して楽しめなかったわけでも、逆に眠くなったわけでもないのだけど、内容が薄かったような。二時間ドラマでやるのなら、いい話だったね、となるかもしれないが、演劇でやる必要性は果たしてあったのか疑問ではある。それと、残念ながら中村倫也さんの演技が見ていられなかった。周りがベテランだから尚更かもしれない。

  • 満足度★★★★

    軽妙なタッチ
    役者さんの絡みもすばらしく、話も軽妙に流れていく。面白い芝居でした

  • 満足度★★★

    芸達者揃いだが
    使い切れていなかったかな。役者はみんな奮闘して見どころありました。

  • 満足度★★★★

    渡辺えりの役者魂
    この文章を書こうと思った矢先、私が購読している新聞にこの公演の劇評が載り、5点満点で★2つという低評価に驚いた。その理由については明確には書かれていなかったので、自分としては納得できなかったが、これぞ酷評なのだと思った。
    このお芝居に関して言うと、自分が紀伊國屋ホールで観ている芝居の中ではまあまあ楽しめたほうだと思う。この劇場は時に役者や劇団のリトマス試験紙のように言われているだけあって、けっこう難しい劇場のようだが、今回の公演は“箱”に見合う寸法の芝居だったと思う。
    特に渡辺えりの芝居には感服した。彼女には常に客を満足させて帰そうという心意気を感じる。彼女は自身のエッセーの中で演劇界の現状や役者のありかたについてかなり苦言を呈しているが、苦言を呈するだけの芝居を体現しているから偉い。戯曲自体や自分の役をきちんと理解したうえで、芝居の流れを上げ潮に持っていく。相当腕をあげないとそういう余裕は生まれない。本来、客を満足させなければ金をとれないはずだが、昨今は自己満足に傾き、お客よりもまず自分ありきという作・演出家、役者をしばしば見かける。かつて名女優・山田五十鈴の秘蔵っ子でホープと期待されていた若き日の三林京子が、ある公演でその演技が絶賛されたとき、その公演の座長であった浜木綿子に、終演後、「あんた、きょうぐらいの芝居じゃ、入場料をお客さんに返さなあかんね」と言われていきなり冷や水を浴びた気分になったという。プロの厳しさがわかるエピソードだが、そんなふうに直言できる先輩も少なくなったと思う。しかし、仲間同士、褒めあっていても成長はしないだろう。
    「金のとれる役者」とはどういうものか、それをまざまざと見せつけてくれた渡辺えりを観るだけでも、この芝居は値打ちがあると思った。

    ネタバレBOX

    板付きで、オリンピック選手団のユニフォームを思わせる赤のブレザーに白のズボン姿の渡辺えりと木野花の漫才から始まるという、意外な幕開き。この漫才がなかなか面白かった。
    フィギュアスケートのコーチ鶴岡真紀子(渡辺えり)とシンクロナイズドスイミングのコーチ川上あい子(木野花)はともにオリンピックの舞台を経験したが、引退後、あい子の妹れい子(梅沢昌代)のマネージメントのもと、タレント活動をしていた時期があったがいまは別々の道に進んでいる。冒頭の漫才はその回想場面である。
    川上姉妹には7年前に病死した弟がいたが、弟のコーチで元恋人だったのが真紀子である。と、真紀子は信じていた(笑)。
    あい子がスイミンズスクールの経営に失敗し、1時間後に立ち退きが迫ったところに、真紀子が訪ねてきて、思い出話を始める。そこに、あい子の弟の取材をしてきたノンフィクションライターの宮(八嶋智人)が現れる。宮が伴っている青年こそ、あい子の弟の忘れ形見、原悦太郎(中村倫也)だった。
    弟にうり二つの悦太郎を見て、真紀子とあい子は動揺する。弟に子供がいたことを知らなかったからである。悦太郎を前にして、弟への想いが錯綜する2人だが、身振り手振りで大いに興奮し、ドサクサに紛れて悦太郎を恋人に見立てる渡辺の錯綜ぶりがおかしい。
    宮に呼ばれてれい子もやってくるが、姉妹間のわだかまりや真紀子の過去の恋心が浮き彫りになる中、それまで無口でマイペースだったアルバイトのイ・スミン(コ・スヒ)が割って入り、饒舌にみんなを諭し、仕切りはじめる展開が面白い。「私には日本語が通じないと思ってそれなりにしか話しかけなかった先入観がまちがい」とスミンは主張し、「みんな自分の正直な気持ちを打ち明けましょう」と促す。
    互いの愛憎を認め合った中で、宮のしかけたある行動によって和解が生まれる。ラストは少々平凡だが、芸達者を揃えたキャスティングが成功している。いつも脇役として光る梅沢の出番が少ないのは少し残念だった。八嶋はこういう、腹に一物あるがずるくなりきれないという役ははまり役だと思う。中村は若手ながら演技力が認められてTVドラマでも活躍しているだけに、生真面目で爽やかな青年を好演。悦太郎が会話の中で父ととり違えられて
    「僕は悦太郎なんですけど」と困惑する場面が面白かった。渡辺えりが、フィギュアスケーティングの演技プログラムをざっと流して再現する場面は、笑いを誘いながらもそれらしく見えたのはさすが。コ・スヒはとても間がいい。
    表題の「えれがんす」は宮が次に書きたいと思っている川上家のきょうだいのノンフィクションの題名ということになっているが、なぜ「えれがんす」なのかは私には理解できなかった。


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