ジゼル again
飽きもせず、今月二度目の「ジゼル」。演じるのはロシアのバレエ団、国立サンクトペテルブルク・アカデミー・バレエ。
ロシアにバレエ団がいくつあるのか知らないが、有名どころはボリショイとマリインスキーとレニングラード国立の3つだろう。ほかにもキエフやグルジアという名前を聞いたことがあるが、これは今ではロシアとは別の国だ。
日本にもたくさんのバレエ団があることを考えると、ロシアにだって同じくらいの数のバレエ団があっても不思議ではないのかもしれない。
今回のバレエ団は1966年創立という比較的新しいカンパニー。チケット代も他のバレエ団の半分か三分の一くらい。それでも2000年を皮切りにこれが5回目の来日公演になる。「ジゼル」と「くるみ割り人形」という二つの演目で約1ヶ月間、全国20箇所ほどを回る。
ストーリーはだいたい同じだし、満足度という点ではこの間の谷桃子バレエ団のほうが上だった。会場の舞台が狭いこともあるのだろうが、後半に登場する白い霊の数は17名で、谷桃子バレエ団の21名よりもさらに少なかった。
農民の女性たちの衣裳がレース地を重ねた赤や黄や橙色で、まったく農民らしくなかったとか、ジゼルはあんなに赤い口紅をしていただろうかとか、細かいところで感じる違和感を一種のツッコミどころとして楽しみつつ、予定調和な物語世界に浸るバレエはやはり保守的な娯楽だといわざるをえない。
そういいつつも、来年3月にはまた3回ほどジゼルを見る予定。