奥様女中/ジャンニ・スキッキ 公演情報 奥様女中/ジャンニ・スキッキ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    オペラ@小劇場
    オペラをナマで見るのはほぼ初めて。座席数が約250の小劇場で開催、という点に引かれた。それとクラシックのコンサートで2度見たことのある、ソプラノ歌手の國光ともこが出ていたのも決め手。
    オペラ作品の上演時間は1本が2時間くらいだろうと勝手に思っていたが、この日の2本はどちらも1時間ほど。気軽に見られる手頃な長さだった。

    ネタバレBOX

    「奥様女中」は宮本益光という人による日本語訳詞での上演。これがものすごくわかりやすかった。やっぱり台詞の意味がメロディといっしょにダイレクトに伝わってこそ面白みが倍加するわけで、字幕をたよりに外国語の歌を聞くのとはずいぶんちがう。訳詞がよくこなれていたし、歌唱もしっかりしていたので歌詞が聞き取れないということもほとんどなかった。登場人物は主人、女中、下男の3人だけ。演じる松山いくお、國光ともこ、内田雅人はコミカルな芝居の演技がうまいのに感心した。もちろん歌もよかった。ただし下男役の内田は歌わないし、ほとんどしゃべりもしないのだが、それでも芝居心はちゃんと伝わってきた。話の筋は単純。女中が主人の心をつかんで奥様になる、その計略をコミカルに描いたもの。むしろ主人と女中のキャラクターの面白さで見せる。だからなおさら芝居の演技力が必要になる。この日本語版は2002年の初演後もちょくちょく上演されているらしい。

    「ジャンニ・スキッキ」はプッチーニの作曲。劇中でジャンニ・スキッキの娘が父親に向かって歌うアリアが有名で、これだけは聞き覚えがあった。こちらは字幕付きの上演。日本語版を楽しんだあとなので最初はちょっと物足りなかったが、遺産相続をめぐって欲深い連中が右往左往するという設定がわかりやすかった。恋人たちと死体のほかはみんな強欲な連中ばかり。主人公がそのいちばん上をいく悪い奴。公演期間中、日によってキャストは替わるのだが、この日のタイトルロールは折河宏治。恋人たちは鷲尾麻衣と村上敏明。

    小さい劇場ながらもちゃんとオケピを設けて、十数人編成の室内アンサンブルが生演奏した。これは非常に贅沢な感じ。

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