天狼新星 restored 公演情報 天狼新星 restored」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★★

    意識を持った双子
    2010年の日本と未来の2049年の宇宙での物語。双子の市川姉妹をこの物語に起用したのが当たりだと思う。
    非常に綿密に練られたストーリーに息つく暇もないほど感動した作品。

    ものすっごくお勧めです。
    池袋演劇祭の賞を狙ってるんじゃないかなー。
    たぶん、取るでしょ。その位、高レベル。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    2010年、大容量の情報を超高速で受け渡しができる通信技術『光ソリトン通信』では、光ソリトン通信網の中に通信の障害や接続された端末をも破壊してしまう可能性を秘めた「ソリタリーパケット」と呼ばれる正体不明のノイズが存在していた為、問題を解決するべき対策チームが作られる。

    「ソリタリーパケット」とは自立的に自己増殖が可能な独立した情報だ。それがどのような経緯で生じたものなのかをチームは研究していた。

    一方で巨大な廃墟の中に少女は居た。「もうすぐよ。もうすぐやってくる・・。」未来を予言するようなその少女は「やがて世界は焼き尽くされる。」と、か細き声で警鐘する。この少女とは探索機だ。そしてもう一方は発射基地の地下深くに設置された。双子の片割れだ。この双子の少女はテレパシーのようなものが存在し、何光年離れていようと情報伝達が可能だった。双子は2049年、太陽系の外を探索するという目的で地球から打ち上げられた。

    そして3つ目の舞台はサイバーフォース2057だ。彼らは電脳戦の為に組織された特殊コマンドだった。

    舞台は3か所のブースを同時進行のように操りながら演出する。少女は与えられた自分の任務を遂行しながら爆発を危惧されたシリウスのデータを送り続ける。
    電脳空間から脱出できなくなってしまった特殊コマンドは空間のある領域で繋げることを思いつく。しかし定体化するためには誰かを殺してその体に自分を入れることが必要だった。そんな折、『光ソリトン通信』の職員1人と配達員の佐藤が電脳空間にトリップしてしまう。二人を助ける為に職員の岡は電脳空間に自らトリップするのだが・・。
    やがて岡は自分の記憶の奥から未来のサイソルという名のコマンドだったことを思い出してしまう。そしてサイソルは少女の「か細き声」をはっきりと聞くのだった。
    「ハロールーシー。やがてこの世界は焼き尽くされる。時の揺らぎの中で終わりを見た。」

    少女は叫び続ける。人類の滅亡を光よりも速く警告するために。
    そして・・やがて双子は死ぬ。

    時間のズレの描写が上手い。高度な音楽と映像を駆使した舞台の演出はまるで映画を観ているようでものすっごくレベルが高い。双子の少女が登場した時は鳥肌が立ったほど!(@@!)
    要するにニンゲンじゃないような感覚。この世のものとは思えない異次元の双子。その雰囲気がまた抜群で表情と目がいい。
    芝居が終る最後のシーンでは死んだ双子がカクカク、カタカタと生き返るような動きに魅了される。

    ホント、素晴らしい!拍手喝采でした。

    余談だけれど・・この双子の物語って電脳サイバーアニメで見たような記憶があるのだけれど・・・デジャブでしょか? ってかアニメおたく。笑
    それほど良く出来た物語でした。

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