見えなくてもそうなんだ 公演情報 見えなくてもそうなんだ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★

    距離感が掴みきれず
    縁側に座って家の中の会話を聞いているように進むお話

    そこに暮らしている夫婦は、
    (観客に見られていることを気にしていないので)
    ありのまま

    一組の夫婦 しか世界に存在しなかった時に
    その2人の距離感はどんなものでもいいのだけど、
    そこに知らない第三者が入って来たら
    夫婦2人対1人 になる。ハズ。

    だけど、そこが見えなかった。
    うーん。

  • 満足度★★★★★

    想像する楽しさ、短編小説の魅力
    田岡美和の会話劇は一度観るとハマってしまう魅力がある。
    その原因が、今回ようやくわかった気がする。
    田岡の芝居は、一口で言うと「部外者による覗き見の世界」だ。
    別の言い方をすればたとえば喫茶店で隣りの客の会話が耳に
    入ってきて、つい興味を持って聞いてしまうような感覚だ。
    今回の芝居もその人物について何の予備知識も持たないまま、
    その家庭を覗いたとしたら・・・というような内容だ。
    「他人の世間話なんか興味もないし、聞いても面白くない」
    という人は嫌いな芝居かもしれないが。
    たくさんの登場人物による饒舌な芝居を見飽きている向きには
    癒されるような心地よさが感じられるだろう。
    想像力を働かせて観るしかない。特別ドラマチックなことは何も起こらない
    のだが、観終わって良質な短編小説を読み終わった気分にさせてくれる。

    ネタバレBOX

    年下の男性ヒヨシと結婚した女性イサキ(配役表に役名は出ていない)。
    夫のヒヨシには定職はなく、主夫をやっているらしい。
    妻のイサキはそのことに不満はなく、2人は仲良く暮らしている。
    妻の母親が上京してきて疲れて奥の部屋で熟睡しているという設定。
    母親は劇には登場しない。そこへ母親の友人だという中年男性(名乗らない)が訪ねてくる。これまた、母親よりはかなり年下らしい。
    「恋人ではなく、ただの友人です」と言うが、いったん出直して
    きて、夫婦の暮らしぶりについてあれこれ質問し、「4人でいい関係を築きたい」などと言う。「それも悪くない」と言うヒヨシだが、イサキは「自分たちには
    干渉しないで」と男に言う。
    母親は寝ているところを起こされると物凄い反応を示すらしく、
    ヒヨシは恐怖におののいて、母の部屋から逃げ出してくる。
    しかし、その男性は平気らしく、部屋から出てこない。
    その様子を見て娘夫婦は「2人はうまくいくかも」と納得する。
    男を夫の知り合いと勘違いした妻があわててブラウスの裾をスウェットパンツの中に入れて身づくろいするが、男が帰ったあと、母の友人と知って
    怒ってまたブラウスの裾を出すところなど、ちょっとした細かい仕草に
    生活感が出ていておかしい。
    ヒヨシがチラシで箱の作りかたを丁寧に男に教えるところも面白い。
    彼女の作品には、いつもあまり一生懸命な人物は出てこず、
    みんなマイペースでゆったり生きている。
    普通ならエキセントリックな母親も出して、4者でドタバタコメディー
    にしたがるところ、田岡は母親を出さず、抑制をきかせる。
    イサキの母親は観客の想像の中にあるのだ。
    声高に人生を語る作品ではないが、確かにそこに息づいている人たちが
    いる。
    先輩の西尾早智子のリードで若手の大河内と大島がそれぞれの持ち味を
    出していた。

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