玉響(たまゆら)に… <能「班女」を原作として> 公演情報 玉響(たまゆら)に… <能「班女」を原作として>」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    能「班女」を題材に
    今回の「玉響に・・・」は有名すぎるお能の「班女」を題材として描いた作品だったからひじょうに興味はあった。「班女」は源氏物語の夕顔の恋と同じような純粋さがあって元々好きなネタだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    今回の芝居・第一部「玉響に・・」は現代能といっていいと思う。

    宿の遊女・花子は、ある時宿に泊まった吉田少将と契りを交わし、その折に取り 交わした形見の扇ばかり眺め入り、他の座敷へは一向に出ようとしない。遊女として働かない花子を宿の女主は追い出してしまう。 東国からの帰りに宿に立ち寄った少将は花子の不在を知り、戻ったならば都へ来るよう伝言し、都へ戻って下賀茂 神社に参詣にいく。そこへ班女と呼ばれる物狂いがやって来るが、それは少将への恋慕がつのり狂女となった花子 だった。
    花子は契りを交わしたはずなのに少将に扇と共に捨てられたと思い込み、その悲しさと少将のつれなさを恨み狂おしく舞う。扇に気付いた少将は自分の扇を出してお互いを確かめあい、 再会を喜んでもとの契りを結ぶ。 という筋だがこれを現代的なダンスと能を融合させた舞台だった。
    衣装共々幽玄な情景も加味して美しいさまだった。
    他の小劇団の芝居でも「班女」を現代的に書き換えて上演している芝居を何本か観ているが、「班女」や「源氏物語」は題材としては神秘的な恋物語になるのだと思う。

    第二部
    日本舞踊X現代舞踊のコラボは意外にマッチして面白かった。どちらかというと緩やかな日本舞踊とヒップホップダンスは融合するのは難しいのでは?なんて素人目には感じたが、二つの二面性は合わさるとポップでコミカルな楽しさが露出してコメディ的な要素もあった。古賀の歌の上手さには脱帽。

    第三部
    即興ライブ
    これはちょっとぐずぐずな面があってワタクシには合わなかった。
    芝居やダンスを観に行く時、舞台は完成されたものでなくてはいけない。みたいな私的な要求があって、だからこそ、「即興とは」という題材を投げかけられていわば役者が教室でご教示されてるような風景は好みに合わなかったのだった。

    総合的には第二部までなら☆4つ、第三部までなら☆3つといったところ。


  • 満足度★★★

    ポッキー
    香瑠鼓(かおるこ)というダンス振付家によるプロデュース公演。彼女のことを知ったのは、テレビで見た江崎グリコのお菓子ポッキーのCMで、忽那汐里(くつなしおり)というタレントの踊りがすごく気に入って、ネットのホームページをチェックしたのがきっかけ。

    CMや映画など商業ベースで活躍しているという。コンテンポラリーダンスに比べると、この手の振付家の作品をステージで見ることは少ない。過去に思い浮かぶのは、劇団☆新感線で振付を担当している川崎悦子の公演くらい。たしか「LOVE CHAIN」というタイトルだった。

    で、今回はポッキーのCMみたいなダンスを期待して見に行ったのだが、内容はそれとは相当かけはなれていた。多面性を感じさせる盛りだくさんな3部構成。

    第一部は能の「班女」をベースにした、香瑠鼓の主演による、あくまでも和風テイストの舞踊劇。後半のトークでの解説によると、即興の部分もけっこうあったとのこと。

    第二部は日本舞踊と現代舞踊のコラボレーションと題して、TheStylez(すたいるず)というデュオが出演した。花柳輔蔵は日舞、古賀崚暉はHIPHOP。日舞の振りはそれぞれが意味を帯びているし、ヒップホップにもマイムの要素があるので、意外とシンクロしやすいのかもしれない。初めて見たけど、これはかなり可笑しかった。

    第三部は日替わりゲストを交えての即興ライブ。振付のほか、香瑠鼓は障害者を積極的に受け入れるバリアフリーワークショップというものにも力を入れていて、その独特のメソッドの一端がうかがえた。

    商業ベースで活躍している賜物なのか、客席には小堺一機とウド鈴木の姿があり、第一部の終了後、二人は香瑠鼓に感想を求められ、苦しげに答えていた(笑)。

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