満足度★★★★★
ちゃんとサスペンス。
最近のガジラ作品はサスペンスというよりはホラーな印象で長年観てきた私にとってちょっとヤリスギというか(狙ってるのかもしれないのですが)作品に入り込んで感情移入することをかたくなに拒否されてる気がしてたのですがこの作品は久しぶりにサスペンスな作品になっていて大満足でした。有薗さんがあの役をやったのは最初意外でしたが素晴らしかったと思います。
満足度★★★★★
さすが鐘下さん、脱帽です
映像を使用した幕開けに、鐘下さんらしからぬと当惑気味に見始めましたが、どんどん舞台に引き込まれ、あー、やっぱり、鐘下さんは凄い作家だと、感心、驚嘆しつつ、見終えました。
こんな難しい題材を、絵空事にしない筆力と観察眼に、圧倒されっぱなしでした。心の闇が原因で、事件を起こしてしまう、人間のトラウマや幼児体験なども、かなり研究され、それを自分の作品に見事昇華させていて、こういう系統の作家の中で、一番実力があるのではと思いました。
風間さんも、素晴らしい作品に出会うと、実力をいかんなく発揮して下さるので、内容は心を抉るのに、どこかで、喝采してしまう、観劇の醍醐味を味わえる稀有な舞台でした。
「大人の時間」という、タイトルながら、結局は、子供じみた男達ばかり。最後のシーンに、「原始、女性は太陽だった」という言葉を思い出したりしました。いつもは、あまり好きな演技をなさる印象のなかった梅沢さんの好演に、涙腺が緩んでしまう自分がいて、驚きました。
それにしても、内容以上に、こんなところでよく笑えると思える観客の理解しがたい反応に、ぞっとしてしまいました。
こういう人が、子育てをすると、こういう世界にどんどんなって行くような気がして…。役場の流すアナウンス同様、非常に怖い思いになりました。