満足度★★★★
どんな仕事にも苦労が…(笑)
「組織系」ではない「民間の」(※)振り込め詐欺グループの事務所を舞台とした物語で、どんな仕事にも苦労はあるんですねぇ…ってか、ああいう仕事も普通のオフィスとおんなじじゃん、みたいな。(笑)
※ という印象を受けたが後からつらつら考えるに抜けようとすると「ゴッホにされる」なんてところはやっぱり「組織」的か?いや「組織」ならそんなナマやさしいモノではないのか?
で、「店長」が1週間の売り上げ順位を発表して下位の者を叱るシーンは妙に身につまされる。ああいう時って叱られていない側もシュンとしちゃうんだよねぇ…ってか、何がカナしくて劇場でそんな気持ちを味あわにゃならんのさ!(笑)
また、登場人物それぞれ「あぁ、いるいる」な個性が面白かったが、「エンジェル」の空気を読「ま」ない・&相手がどんな反応でもメゲないというマイペースなキャラは強烈。ああいうのを少しは見習った方がイイか?(爆)
ところでアレはすべて9月中の、つまり1ヶ月に満たない期間の出来事?
連作短編的に短めのエピソードを暗転でつなぐスタイルで、暗転の間に経過した時間は観客の想像に委ねられるワケで、しかし壁に貼ってあるカレンダー(1ヶ月分で1枚のもの)がずっと9月のままだったもんで…。
そこんトコを、壁掛けの日めくりカレンダーで表現すればもっと親切だったのではあるまいか。
満足度★★★★
殺伐
しっかり、殺伐を感じさせてくれました。それぞれがすごくはまっている感じがして、リアルでした。ほんとに、行き場のない感じ、不安に取り込まれました。
そしてエンジェルがすてきだった。これからもきっと気になる劇団になると思います。
満足度★★★
その先が見たい
興味深いシチュエーションを舞台にしていると思いましたが、人物造詣が浅くて、素材の良さが生きていないと思いました。また、俳優さんの演技も、表層的なところだけでしか演じられていない気がしました。
盛り上がってきたかと思ったら暗転になっている印象があったので、その先で起きている人間のドラマを見たいなと思いました。
満足度★★★★
エッジのある女性作家、必見。
ここんとこサンモールで立て続けで観た公演のなかで一番よかった。
年一回のスローペースなので未見の方も多いだろうが、間違いなくミナモザは僕の演劇ブックマークに登録決定。
会話劇としては繊細な作りなのに、大胆なキャラクタ同士の異人種交流(ギャル系とネカフェ難民、高学歴のドロップアウト、自意識系の地味な女性)があり、その交差するフィールドが振り込め詐欺の現場のような「犯罪」でしか繋がらないということを面白く思う。全然無理がない。しかも台詞がフライヤーの藤沢とおるのように細かく細かく細かく面白い。前半笑っちゃマズいのかなってなか我慢出来ずマイペースに小さく笑ってました。
だって冒頭でさ、演劇村の人間が擁護しまくるようなネカフェ難民なキャラクタを、ギャルが「この人の話つまんなーい」と一発で砕くエッジってすごいじゃん。演劇村崩壊だもん。ギャル役のシンクロ少女の名嘉友美さん最高(笑)。
女性作家(だけにもとどまらないんだけど)の多い「自分自分」っていう自意識全開のいわゆる「閉鎖されたセカイ系」はすんごい苦手なんですが。こちらはちゃんと世界を提示していたのがよかった。登場人物ではなく「作者」としての志が広い。振り込め詐欺をただのネタとして使う劇団は多かったけど、ちゃんと題材としてがっぷりつかみ、そこまで飛ばす志に心が動いた訳です。
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箱庭円舞曲の小野君が出てる(好演)からって訳じゃないけど、きっと箱庭円舞曲のファンの人は気に入るはず。構成が近いし。
あとMUに出演してもらった印宮くんもチャラ男やらせたら小劇場ナンバー1と睨んでたのですが、それがもう全開。絶対いるリアリティ。坂本健一くんもピンチヒッターで出演してるので、MU前回公演『JUMON/便所』を御覧になったかたは、是非是非おすすめです。