三好十郎の『殺意』 公演情報 三好十郎の『殺意』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/07/07 (木) 14:00

    最後のステージを前にしたダンサーが語る戦前・戦中・戦後を生き抜いた半生とそこから生じた殺意の行方……。
    戦争によって蝕まれる人、思想を変える人などを描いて先日観たserial number「Secret War-ひみつせん-」と通ずるものを感じる。
    しかしこれだけ濃密な内容を控えめな照明(ガジラの十八番?(笑))で2時間半近くだとしんどいわぁ。(笑)
    で、元ネタは一人芝居とのことで、確かにプロローグとエピローグにその面影はあるが、メイン部分は全く想像がつかず……

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鐘下辰男の洗礼を受けた若者らが舞台で咆哮する。桜美林の学生よりは年嵩だろうが、身体的な限界を攻めてる感じとその限界が見える感じは同じ。ただし学生の方が俊敏だったりする。岩野未知は脇役で補佐に留まっていたが、激情と淡調の振り幅、罵声の中にも繊細さを滲ませる岩野レベルの演技者をつい想定して、若い演者たちの「届かなさ」を想像で埋めている自分。この脳内作業を凌駕して刃を突きつけて来る瞬間を待ったが、必死に、誠実に、堂々と演じる若者たちの姿を認めつつも、鐘下舞台とあれば期待してしまう「打ちのめされる瞬間」には至らずだった。演技の問題か、戯曲(台本)演出の問題か自分の鑑賞眼の問題かは不分明。
    以前の鐘下ワークショップ発表から一段上を目指した「SAT」ならば(料金もまあ普通であるし)差引いて観る必要もないのだろうが、SATの文字を見落としていて若手役者が登場すると「そうだ若手公演だった」と、仕切り直して観ている。さらに、これが「ワークショップ発表」だったとすれば、やはり見方が変り、「にしては」の枕が付いて「凄え」となったりする。料金と中身が皆直結してる訳ではないが、されど価格。観客とは現金なものと思う。

    複数役に書き直した台本は原作に忠実なようだが(鐘下氏の加筆に思える台詞もあったが)、現代に重ねられている事はそこはかとなく伝わる。

    当日配付の鐘下氏の文章を読んでみる。
    今を生きる日本人、とりわけコロナ後の姿が語られている。戦後日本人の姿を告発的・暴露的に描いた三好十郎という作家は、本作でも戦前から戦後に橋を渡してその歩みをストリッパーに一人語りさせ、あるインテリゲンチャの変節スキャンダルを暴露させる。
    鐘下台本は「語られる」人々に身体を与え、群像劇の様相となる。
    だが、観ながら感じたのは、一人語りなら語られる人々は完全な主観を反映し、どう受け取るかを観客に委ねる。言葉が大きな比重を持つわけだが、これが役者の身体を借りて登場すると、語り手の統御を離れて存在してしまう。すると、様々な解釈が可能となる。これを言っては実も蓋もないが、この違いを埋めるのは大事である。「三好十郎の『殺意』より」と題した理由も納得する次第だ。
    原作を「想像」し思いを馳せる。彼女が目撃し体験した事は、今この世の中を見る眼差しに深く反映している。左翼言論人の「現在」の素行の描写には、当時権威を持っただろう者たちへの私怨を感じなくもないが、彼らが語る「論」の虚しさが三好氏にその想像をさせたとも。
    ただ鐘下氏は知識人の転向を描いたものとしてこの作品を規定するのは「矮小化」であると言う。
    今現在の日本人は、昔読んだ萩尾望都の漫画『百億の昼と千億の夜』の「A級市民」に似ている・・このA級市民の説明はないが、想像を膨らませる事はできる。
    鐘下氏の感覚に寄り添えば、戯曲の最初にストリッパーが冒頭で言う「世の中は広うございます」の「広さ」を、本当の広さとして感知できているかに疑問を呈する。この「広さ」を忘れて自分たちは「生きている」と錯覚している姿こそ、A級市民的だと言う。
    例えばネットやニュースで見るウクライナ状勢に、広い世の中を実感するのも矮小化の一つであり、実感した気でいる錯覚がA級市民的である、と言う。
    この一文には「言い切れてなさ」を感じる。また少し考えてみる。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    もともとは三好十郎のモノローグドラマを、それぞれ出演者を振って構成しなおした舞台。戦争から戦後への激変する社会を、転向に続く転向で無節操に乗り切ってきたリーダーを、はじめは左翼演劇の演出者として心酔した女優が、戦後はストリップガール、娼婦に転落しながらも糾弾する。
    30人も入れば満席の真っ暗な劇場のスペースに斜めに置いた黒い裸舞台を、鏡が囲っている。大音響の電車などの轟音のなか、俳優たちはほとんど下着だけのような衣装で四方から登場してまるで、体操の演技のように組み合う。戦前から戦中にかけて、右翼も左翼もその夢や野望が打ち破られ、その過程では欺瞞と裏切りしかなかったことが明らかになっていく。その失望はまた、糾弾する側にもブーメランのように返ってくる。当事者であった作者三好十郎の苦渋が舞台を黒々と覆う。
    鐘下辰男の演劇塾の教え子たち(?)の公演で、動きが早く、怒鳴りあう台詞も多い2時間20分、休憩なしの舞台である。折りたたみいすで見る観客も大変だが、この小屋では、どう見ても採算が取れないだろう。それでも、と、こういう社会の闇の根源を探ってひつこく舞台にのせてきた鐘下辰男の執念は伝わってくる。暗い舞台に照明と音響でシーンを作っていく。歯切れはいい。
    主演の女優(磯部莉菜子)は、セリフも動きものびしろがあるが、大柄な体躯で、人間本来の生命力、エネルギーがある。とにかくこの長い舞台をほとんど出ずっぱりで持ち切ったのは新人らしからぬ大きさである。歌舞伎なら「でっけー」というところだ。これで、この公演は「真相はかうだ」式の安い世界を超えられた。
    だが、芝居として見るなら、これはやはり三好十郎が書いた通り、一人芝居の「ストリップショー」だろう。この俳優で、一人芝居はつらいと見た鐘下の判断は当たっているだろうが、この形式で複数化するなら、もっと、「フツーの」舞台配慮がないと、テーマが通俗化してしまう。鐘下がパンフで危惧している通りのA級市民解釈になってしまうのだ

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  1. ガジラ 『三好十郎の殺意』 無事、終了いたしました✨ 私の役名は“妻”でした なのになぜか鐘下辰男には 「オカン」と呼ばれていました そのうち「奥さん」になりました 人を「奥さん」と呼ぶ人間は みのもんた以外知りません そんな稽古場でした 今は全ての方々に 感謝!

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  2. ガジラ「三好十郎の殺意」終わり。 お稽古最初は新芽だったベランダの植物たちは、いつの間にか立派な背丈に。 貴重なクリエーションの現場に参加させて頂いて、目の鱗がポロポロ剥がれていくような、たぶん、今後の演劇創作に深く根を下ろすであ… https://t.co/XrhNz4ma04

    2年以上前

  3. 演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」(承前)、しかしこれだけ濃密な内容を控えめな照明(ガジラの十八番?(笑))で2時間半近くだとしんどいわぁ。(笑) で、元ネタは一人芝居とのことで、確かにプロローグとエピローグにその面… https://t.co/i2cYPWQaHF

    2年以上前

  4. 演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」、最後のステージを前にしたダンサーが語る戦前・戦中・戦後を生き抜いた半生とそこから生じた殺意の行方……。戦争によって蝕まれる人、思想を変える人などを描いて先日観たserial num… https://t.co/X4sis6FoZG

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  5. APOCシアターでTHE·ガジラ 三好十郎の『殺意』を観てきました。 久し振りの濃い芝居で、濃い時間を過ごせました。 信じていた者が転向したからって「なんだ!オマエ💢」って事でもなく、「それも、ありだろう」って、ぺこぱ的に見れば丸… https://t.co/2dYMVOaczT

    2年以上前

  6. 【実測上演時間情報】演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」:(5分ほどの押しを含まず)145分弱(7月7日マチネ=9日目:全13ステージ中10ステージ目) https://t.co/1Go7XjzgXw #実測上演時間情報

    2年以上前

  7. 【実測上演時間情報】演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」:(5分ほどの押しを含まず)145分弱(7月7日マチネ=9日目:全13ステージ中10ステージ目) https://t.co/j6YYvtEuqp #実測上演時間情報

    2年以上前

  8. APOCシアターなう。演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」すーん♪ 変形L字型客席、上手ブロック後列(全2列)センター側端の席を選択。

    2年以上前

  9. 完了ー。 で、劇場向かいます。 ガジラ「三好十郎の殺意」、あと3日。 残り、ひとつづつ大切に。 https://t.co/hOBHQHryyq

    2年以上前

  10. 【情報共有】APOCシアターの演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」、受付開始は開場と同じく開演の30分前(全席自由)。 https://t.co/Y0hANtNp2z #受付開始タイミング

    2年以上前

  11. 【情報共有】APOCシアターの演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」、受付開始は開場と同じく開演の30分前(全席自由)。 https://t.co/g1oiagijTN #受付開始タイミング

    2年以上前

  12. 肉を、焼いたよ。さいこう。 ガジラ「三好十郎の殺意」折り返し。 なんだかもぅ、愛。 溢れています。 うぇい。 https://t.co/7hGQQpE7fv

    2年以上前

  13. ガジラ「三好十郎の殺意」、先週幕があきまして、公演中です。 演出助手でお稽古の最初から関わらせて頂いて、ホント、貴重な演劇体験をさせてもらってます。 千秋楽まで受付におります。初日あけてバイバイぢゃなくてよかった。 明日以降、お席… https://t.co/YTsZZTEhlX

    2年以上前

  14. 演劇企画集団THE・ガジラ 「三好十郎の『殺意』」 物事を自分の尺度で押し込め、わかった気になるとき、それを矮小化と呼ぶのかなと。腑抜けてはいられない、本能のとして備わっている部分、根底。それを忘れてはならない、、頬をぴしゃりと叩かれた気分になった 「お気をつけて」

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  15. THEガジラ「三好十郎の『 力強くも物静かにも、熱量が溢れかえる芝居。 最近には珍しいタイプのお芝居ですが役者陣熱演、興味深かったです。 題名の殺意、ああこう来るのかうまいなあと。 今井未定さん相変わらずチャーミン… https://t.co/cVqTgSBYIC #殺意

    2年以上前

  16. 演劇企画集団THE・ガジラ「三好十郎の『殺意』」 人の激動と連動する舞台 音響照明演出がとても良い作品だった 思想を噛まずに丸呑みにするのは若者の特権 だれもかれもとても良く醜悪で言葉や肩書で着飾るほどにその裸は醜くなっていってで… https://t.co/D5Ln8bEaCC

    2年以上前

  17. 演劇企画集団THE・ガジラ 三好十郎の『殺意』ー三好十郎『殺意(ストリップショウ)』より 生存本能が刺激される舞台。熱と暗闇での空間支配はずるい。裸って字がすごい好きです、衣が果てる。果てるの難しくないですか?なんでも? 今井未… https://t.co/t4WHQkwtmV

    2年以上前

  18. 【出演情報】 演劇企画集団THE・ガジラS.A.T2022 「三好十郎の『殺意』」 まもなく本番です!! チケットが残り少なくなってきましたので予約がまだの方はお早めに! 【渡部克哉扱い予約フォーム】… https://t.co/BhH9Njp8nZ

    2年以上前

  19. 「三好十郎の『殺意』」ご予約状況です。 お陰様で千秋楽に加え、7/3(日)18時の回も売り切れとなりました。 本番まで一週間を切り、ここから駆け込みでブワッとご予約が増える見込みですので、まだの方はお早めにご予約ください🙇‍♂️… https://t.co/53VzVa4cBE

    2年以上前

  20. 「三好十郎の『殺意』」 今日は初めての荒通し。 朝から緊張してどうにもこうにもなので、ステーキを食らいました。🥩 でも今日の夜からちゃんと摂生します。 チケット、段々と残り少なくなって来ました。 迷われている方、是非見て欲しい。… https://t.co/3HgEgC7gsv

    2年以上前

  21. 『「A級市民」化する私たち』 ホザきたい奴はホザけばよい。そうして「世界」を丸く収めればいい。そうして世界は「矮小化」していく。演劇もドラマもしかりだ。 三好十郎の『殺意』という作品は、その内容から、変節するインテリゲ… https://t.co/ry9bcEYIvN #6鐘下辰男

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