満足度★★★
吉村雄之輔氏の立居振舞
落語や古典をベースにした和のテイスト、ということで、前半は「花魁お染(=品川心中・前段)~だまし蕎麦や~幽霊の辻」の「吹き寄せ」(←音楽で言えばメドレー:約45分)。
「立体落語」とでも言うべきそのスタイルは2月に観た『噺劇と落語の会』の噺劇(しんげき)パートと近い趣向ながらアチラが落語寄りだったのに対してコチラは小劇場系芝居寄り。そのアレンジの違いから、噺劇で感じた「下げでスパンと終わる落語の潔さが失われた」という憾みはほとんど感じず。
中入(本編内容からいって「休憩」よりこっちでしょ?)後の「らくだ」は約50分かけてジックリと見せる。が、終盤はかつて読んだり聴いたりしたものとは異なっており、そんなところも落語だねぇ、みたいな。
で、これのイントロとコーダにあたる部分に登場した吉村雄之輔氏(だよね?)の立居振舞が、何とも色気や愛嬌のあるもので、「技術」ではなく「芸」というのはこういうモノなんだ、な印象を受ける。