京都から二千匹発送しました。 公演情報 京都から二千匹発送しました。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    京都から二千匹発送しました。
    ネタバレBOXに書きます。

    ネタバレBOX

    上級生の男子に何度も投げられて、意識不明になった女生徒智子。
    その時、監督の教師は不在だったという。 また、智子が倒れてもすぐに手当てをせず、しかも、事故後は生徒に沈黙を要求し、事故を隠そうとする学校。

    親は県、市、学校、加害者の少年を相手取って裁判を起こします。

    舞台の初めに事件の概要が語られ、それを聞いて腹立たしい気持ちになります。

    しかし、舞台は学校対子供を植物人間にされた家族との戦いとは描いてはいません。

    学校にも教育、部活動そして生徒に正面から対峙する熱心な教師がいることや、少女に傷を負わせ悩む男子生徒らも描きます。

    笑いも多く、智子に向ける人の愛情から、家族が人に対する信頼感を得ていく過程に心あたたかになります。

    告発の作品でなく、甘くさえ見える作品にしたのはなぜだろう。

    劇場で渡されているチラシに脚本家が書かれているこの文面に答えがあると思います。

    「このご家族が、人に対する信頼と、暖かさを失わずに済んだのは、金銭的ではなく、様々な形でこのご家族をささえようとする人たちとの出会いがあったからだということをお聞きしました。  娘たちがその人たちに出会わせてくれたことを感謝している、ということも。」

    事件に遭遇したことよりも、強さと優しさを持つ母親との出会いがこの舞台を作った理由とぼくは感じました。
  • 敬意を表します。
    題材になった事件にとても関心があり、観に行かせてもらいました。
    まず、このようなテーマを取り扱う事自体に敬意を表しますし、それだけで素晴らしいと思っています。その中で、だからこそ感じたことをあえて書きます。
    題材の事件について表面的に話をなぞるに留まり、作者の言いたい事、芝居にした意味等を感じることはできませんでした。無理やりハッピーエンドっぽく終わらせようとしているように思え、本当にそれでいいのかと、実際はそんなものではないのでは、と思えてなりませんでした。
    私はこの事件は犯罪であったと思っています。皆がいい人になっていくようなストーリーでこの題材の本当に根深いものを表現できるのか疑問です。もっともっと観る人に訴えかけるような作品にしてほしく、残念だと思いました。
    最後に余談になりますが、この話は母親がとても重要な役割だと思います。ドキュメンタリー番組等で実際の母親の向き合う姿が放送され、多くの人が見ているはずです。役者さんの演出含めイメージが違い、感情移入という点では違和感がありました。

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