夜之音、月之香 公演情報 夜之音、月之香」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★★

    「春琴抄」後日譚
    盲目→聾唖、三味線→絵筆、と一部設定を変えての「春琴抄」後日譚。佐助の献身的な愛を、いかにも昭和30年代前半な空気の中、市川箟監督の金田一シリーズを彷彿とさせる雰囲気も漂わせて描いて見事。

    (以下詳述)
    物語の狂言回しとなる編集部の面々の衣裳・メイクから、終戦から数年後というのが見てとれ、田舎の風景描写やあぜ道を疾走するトラックなんてシーンはもう目に浮かぶよう。
    目的が読めない何やらアヤしげな人物がウロついたり、ヒロインには出生の秘密があったりという「謎」、行方がわからなくなった人物を探す「山狩り」シーン、ストーリーの中心的な人物が自ら命を断つ「悲劇」など、「あのシリーズ」を髣髴とさせる部分が複数。
    その中心的な人物が命を断つのが満開の桜の下。1ヵ月ほど前に桜吹雪の中を歩きながら「逝く時はこういう季節がイイなぁ」などと思ったのでイタく共感。
    本作では春琴の娘の父親は佐助ではなく利太郎(←この名前は出ず「春琴のパトロン」とだけ語られる)という設定で、佐助はそれを知った上で春琴を孕ませた咎を受けさらに娘もわが子として(というより春琴の忘れ形見として?)愛情を注いで育てるというのが、原作で描かれる「献身的な愛」に通ずるのではないかと。
    また、ほぼ黒一色の何もない素に近い舞台に装置は時としてイーゼルや画材、あるいはちゃぶ台が登場する程度の最小限にとどめ、あとは役者の演技だけで見せる「想像力刺激演劇」なところや、クラシックのピアノ曲の印象的な使い方、それに原作を知っている観客への目くばせ、さらに一部の2役の演じ分けとキャラ設定など、あちこちでツボを突かれる。

  • 満足度★★★★

    良作
    谷崎潤一郎の「春琴抄」をオリジナルアレンジ。

    ネタバレBOX

    良い作品でした。
    雰囲気あり、笑えるシーンあり、バランスが◎。

    数名、ちょっと濃いかな?とも思えましたが後半気にならなくなりました。

    春琴の秋場さんがとても良い。
    この世界の要だと思います。
  • 満足度★★★★

    笑って泣く!
    「劇」小劇場で観る芝居って外れた事ないなー。
    ホントすんばらしい舞台でした。
    半分はコメディ。半分は春台(春琴の弟子)を軸に動くシリアス。
    これらの二つを上手く交差させながら、まったく飽きさせない舞台でした。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    導入音楽は殆どない。しかし、それが気にならない程のお笑いネタあり。
    役者の舞台への入り方にちょっと間があったような気がするが、いかがなんでしょ?

    春琴を慕いながら弟子として春琴の世話をしていた春台は彼女の死後、彼女が生み落とした娘を引き取り育てていた。名を琴子という。
    今や画壇で有名になった春台と、琴子の出生の秘密を追って出版社は琴子に取材を申し込むが、春台は拒否する。一方、琴子の父親が旧財閥だと知った多くの人達は探偵を使い、財産を相続させまいとして、琴子を抹殺するように依頼する。

    琴子を慕っている弟子の一人は探偵によって事実を捻じ曲げられ言いくるめられて琴子を探偵に渡してしまうが、その危機に割って入った春台は琴子を救う為に自分が撃たれてしまう。泣き喚く琴子。息絶えそうな春台は一番美しい桜の丘に行って自害してしまう。

    琴子は「何故ーーー!!」と泣き叫ぶが・・・、

    あとには・・・かつての若々しい春琴の美しい凛とした姿が浮かび上がり、そのバックにははらはらと舞い落ちる大量のさくらの花びらが鮮明に浮かび上がるのでした。そこにはかつて京都での幸せな日々を過ごした春琴と春台の姿があるように。

    自害した春台はこれで師匠の春琴に会うことが出来て幸せだったのだろうか?春琴が、手篭めにされて出来た子を引き取り育て慈しみ、どこまでもひたむきに春琴を慕い続けた春台の物語。

    豊作、彦六、良男の絡みが楽しい!(^0^)
    最後は琴子の絶叫で泣ける!
    素敵な物語でした。お勧め!

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