遡上  (4/13&20 2日間のみの公演です) 公演情報 遡上  (4/13&20 2日間のみの公演です)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 吹雪。
    (雪のことがテーマではないのだけど)雪のある場所で育った人とそうでない人ってやっぱりわかるもので、演劇を観て初めて雪を感じた芝居でした。どんなに細かく丁寧な紙吹雪を降らしても、演劇で心底雪を感じたことなどなかったですから。身体に冬が染み付いていないと書けない暖かい芝居でした。ラジオの古い感じの音は寂しげな過去を表現していたんでしょうか。雑音が川の流れの音に似ていました。鮭の産卵、私も小さい頃見てましたからすごく、伝わるのです。
    以下は芝居に関係ないことで残念だったことです。

    ネタバレBOX

    とある方が公演終了後、知り合いとはしゃいでいた際、この大切なお店の年季の入った床を、ドンドン踏み鳴らしていたんですね。この場所は、愛し方が凄いお客さんが多いので大切に扱って欲しいと思いました。
    芝居に関係ないので書くべきか一人悩んでいて投稿が遅くなりましたが、些細なこととは思えなかったので書かせていただきました。東京ネジさんのメンバーには関係のないことですみません・・・・木を大事にする感覚が薄まるのは悲しいし、名曲喫茶は生き残ってほしいですから。
  • 喫茶店のかおりを借景に
    時が満ちる感覚が、
    喫茶店の雰囲気を見事にとりこんで
    伝わってきました。

    ネタバレBOX

    鮭は遡上する中で
    鱗が取れ骨までが現れるという・・・
    その描写から
    したたかに物語の枠組みが浮かび上がります。

    母親の
    修羅のような時間がほどけていく姿に
    惹き入れられて・・・。

    さらには時が満ちて娘たちが
    母親の姿を知るに至ったとき
    女性のしなやかな達観が
    その場の空気のごとく
    なんのけれんもなく
    すっと観客を包み込むようにやってきました。


    終わってからも
    心がやわらかく揺れる感じ・・・
    また、会場もその揺れに
    ゆっくりと身を任せることができるような空間で・・・。

    心に留まる佳品だったと思います。
  • 満足度★★★★

    ながれて もどる
    母の遺した喫茶店を営む娘。
    昔馴染みの姉のようなご近所さん。
    店番をする気の好い従妹。
    そこに訪ねてくる臨月の旅行者。

    田舎町の小さな喫茶店で語られる女たちのお話。


    ヴィオロンの雰囲気とマッチした、小さいけれど大きなお話。

    川の流れのようにゆったりとした、
    優しい時の流れを感じました。


    ぜひまた次回も観たいと思いました。

    ネタバレBOX

    素敵な作品でした。

    ちっぽけな母と娘たちの物語。

    それでも大きな人生の物語。


    特に愛すべき母の存在が心に残りました。

    なぜ妹と偽ったのか、その気持にも涙しました。

    それでも結局は浮かれて川で亡くなってしまう… そんな格好悪いところがまた愛しくて。


    遡上というイメージに、皆の想いがきれいに沿っていて。
  • 満足度★★★★

    まるで羊水に包まれるかのような温かさ
    子供を産む話が重層的に絡まりあい、出産体験のあるほずもない自分(男性)にも、母親の大変さ、尊さが伝わってくるような作品。そして、名曲喫茶ヴィオロンの歳月を積み重ねたゆえに生まれる雰囲気も含め、とても心地よい時間を堪能。なので思わず、お母さんありがとう! と、童心にもどったかのような素直な気持ちにも。たとえるならこれは“カフェ浴”? ああ、癒されたぁ~

    ネタバレBOX

    唯一残念だったのが、劇中で2回使われるラジカセの音質。その瞬間だけ、ちょっと空気が乱れてしまったのは勿体なかったかも。

このページのQRコードです。

拡大