【終幕】暗ポップ 【劇団員募集中】 公演情報 【終幕】暗ポップ 【劇団員募集中】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
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  • 満足度★★★★

    トラブルの起きない『カッコーの巣…』
    ある病院の精神科が開設したショートステイ型カウンセリングでの1週間、一言で表現すれば「トラブルの起きない『カッコーの巣の上で』」なオモムキ、「正常と異常」「人と同じということと違うということ」などについて「ワカったような気にさせる」(笑)のは見事。
    また、「入院患者」ではなく「参加者」ではあれ、やはり不安定要素を抱えた人物もいるので、いつか悲劇が訪れそうで「腫れ物に触るように」観てしまう。(『カッコー…』症候群か?(笑))
    が、結局はそれぞれ「いい人」で、見かけ上は悲劇もなく結末を迎えて一安心。しかし複数の含みを残して幕を下ろすのは上手いと言おうかズルいと言おうか…(笑)
    そのために実は1人を治すためにみんな揃って芝居をしていたのでは?などという誤読までしそうになったり、「あの人身事故って?」とか想像をしてしまったり…(爆)
    あと、演技面では斎藤ナツ子の次第に変わって行く表情と阿部イズムが時として見せる「イッちゃってる」眼の表現(J列までそれが届くのはスゴい)が特に印象に残る。

  • 満足度★★★★★

    良かった!シリアスなテーマを軽めに描く感じがとってもイイ。やっと観た、空間ゼリー。
    ある病院の心療内科で新たにスタートされた7日間のケアプログラム・ショートステイに集まった7人の参加者と医師/スタッフたち、入院患者も交え、彼らの抱えたさまざまな問題と交流、心の変化を「空ゼ」流?に、さらっと描く。

    先日は、北区つかこうへい劇団の「こもれびの中で…」で鍛えた?モー娘。OG小川麻琴さん出演つながりで観劇です。
    空間ゼリーも気になっていて、今回が初「空ゼ」です。

    若さからくる良い意味での、明るさ・軽さが良い感じです。
    実はかなりシリアスなテーマを重たすぎずに良く表現しています。
    主演の斎藤ナツ子さんが、プログラム開始当初から終了時へと表情が変わっていく様子がうまい。
    他には、アキバ系ニートを演じた阿部イズムさんの振り切り方がおかしかったです。

    客数も出演者も、このくらいの規模の芝居・劇団が好きです。

    ネタバレBOX

    さて、エピローグにあった「電車の人身事故」は、象徴的に差し込んだだけだったのでしょうか。
    まさか、サラリーマンに復帰した秋本くんが…なんて思ってしまいましたが。
  • 満足度★★★

    いいもの見た
    初空間ゼリー。とても良かった!!!これが空間ゼリーの舞台なんですね。繊細な脚本と見事にマッチした演出。綺麗だけじゃない演技も備わった女優さん。次回も行きます!

  • 満足度★★★★★

    人間関係、人間模様
    病院を舞台にストーリーが進められます。
    7日間の心療カウンセリング・セミナーの受講者、医師や看護士たちの人間関係、人間模様を描いています。
    医学的に難しい話を取り扱っていないので、物語で言いたいことは理解しやすいです。

    ネタバレBOX

    ストーリーの内容についての箇条書き。

    他者を見た第一印象。
    自分を見られてる他者の目。
    人は他者と出会った瞬間に壁をつくる。

    その壁をカーテンにたとえて、セラピー受講者のカーテンを開ける手助けをしたいと願う医師達。

    一週間過ごす中で、ケンカ、衝突、友情、片思いの恋、勘違いによる事件、トラブルの発生。
  • 満足度★★★★★

    お見事!
    観劇後じわりじわりと効いてきて,いまだに痺れています。特に最後のセリフが耳から離れません。空間ゼリーの毒って病みつきになりそうです。

  • 新境地ではある。
    主宰の演りたいテーマは、伝わって来たが
    心の病気の問題を扱う舞台設定自体には、
    各所に取材不足を感じた。
    女優さんが美麗過ぎ!?て
    セラピーに生活観が感じられないのは、
    演出でなんとかして欲しかった。

  • 満足度★★★★

    感慨深い
    人との接し方の難を様々な形で表現していて、非常に考えさせられる作品でした。
    嫌悪感を持つほどに役柄を熱演されていたのが、とても良かったです。

  • じわっとやってくるリアリティ
    流れるようなスムーズさをもったお芝居なのに
    劇場を出て駅まで歩く間に
    じわっと重さがやってくる・・・。

    黒白でドラスティックに物語が構成されるのでなく、
    やわらかい狂気の度合のグラデーションに、
    ぞくっとするような今が織り込まれていました

    ネタバレBOX

    グループカウンセリングが行われる病院が舞台
    参加者と医師、看護士たち、
    さらには病院の患者たちの姿から
    心に抱えた闇と回復の姿が描かれていきます。
    参加者たちから浮かび上がってくる
    軽い性格障害から
    対人障害やボーダーラインシンドロームの兆候、
    さらに深い闇を奥底に抱える患者もいて。

    役者たちの
    心の闇におかされた姿の演じ方には
    息を呑むほどのリアリティがあって・・・・。

    そこから抜け出せるもの、
    抜け出すことをせずにとどまるもの、
    出口の手前で後戻りしてしまうもの・・・。

    登場人物の変化の過程から浮かび上がる「人との関係性」に
    作者の慧眼を通した冷徹な現実が縫いこまれて
    観客をとりこんでいきます。

    さらには、その闇が宿る先から
    白衣組と患者の垣根が外れるところにも
    じわっとやってくる生々しさがありました。

    初日ということでもあるのでしょうか、
    物語の前半のトーンと後半の質感に
    若干のつながりの薄さを感じましたが
    空間ゼリーの劇団員には
    お芝居の奥行を作り出すに十分な密度があって・・・。

    斎藤ナツ子が演じる女性から伝わる
    心の動きの瑞々しさにやられて・・・。
    阿部イズムの表す狂気など目を見張るばかり・・・。

    客演陣も
    ハロプロエッグの3人を含めて及第点、
    彼女たちのお芝居には
    さらに広がる余白のようなものを感じました。


  • 満足度★★★★★

    リバーシブル
    非常に考えさせられる作品でした。登場人物全員がほどよく正常で、ほどよく異常で、性格がいいところもあれば、悪いところもある、よく気がつくところもあれば、KYでもある。この程度なら回りにいるかいないかのギリギリの線という現実の世界と近いところが、緊迫感を醸し出していました。

    ネタバレBOX

    最後のシーンで自殺した人、本当に誰なんでしょうね?????
    セラピー参加者じゃないことを祈ります。
  • 満足度★★★★

    「普通」なのは誰?
    入院施設のある心療内科専門病院に、あたらしく併設されたショートステイの診療セラピー参加者と、医師・看護師などの医療従事者の7日間を描いた作品。
    アップフロントエージェンシーのいわゆるアイドルたちが出演しているということで、気軽に見れる舞台と思いきや、いい意味で裏切られた。。。

    ネタバレBOX

    合宿に参加したのは、それぞれ、心に傷持つ人ばかり。①「足が太い」と友人に言われたことがきっかけで拒食症になった女子高生、②自分は常に正しいと思い、相手の価値観を受容することができない幼稚園教諭、③締め切りに間に合わず、原稿を落としてしまったことで、職場から逃げ出したフリーライター、④極度の人見知りで対人恐怖症の女子大生、⑤裕福な家庭に育ち、引きこもりとなったオタク、⑥ちょっとしたことですぐにキレ、同居する女性にもDVをはたらく「ひも」、⑦働きすぎが原因で電車に乗ることができなる適応障害のサラリーマン。そんな彼らではあるが、7日間の合宿を通して、参加者どおし、医療従事者、または入院患者との交流を通じて、自分と向き合い、相手との距離感の保ち方などを徐々につかみ、多くのメンバーは一定の成果を上げる。

    一方で、かれらの支えるはずの医療従事者は医療従事者なりの課題を抱えていた。
    物事をすべて白か黒かで判断しようとする心療内科医、一生懸命なばっかりにがんばりすぎて、精神安定剤が手放せない心療内科医、患者のことを思い、自分こそが患者の一番の理解者であると自認しながらも、ある事件が起こった際には、患者を信用することができなかった心療内科医など。

    舞台の進行によって、「普通」でないはずのセラピー参加者は、実は「普通」で、「普通」であるはずの医療従事者が、実は「普通でない」様が明らかになってくる仕掛けはなかなか見ごたえがあった。
    その典型は、セラピー参加者でありながら、自分は他の参加者とは違い、「普通」の人間であると自覚し、1日早くセラピーを切り上げ、社会復帰を果たしたはずのサラリーマン(前述の⑦)と思われる人物が、電車への飛び込み自殺を図ったことが暗示されるラストに象徴されている。

    セラピーで交わされる参加者、医療従事者たちの会話・コミュニケーションの危うさを通して、万人が精神的に病んでいてもおかしくないこの時代に、仲間と普通にコミュニケーションがとれることが奇跡ではないか、と思わせられるような、そんなラストがわりと心地よかった。

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