満足度★★★★
ラスト10分に、心を打たれ
最初の1時間は、とにかく退屈。
何ら刺激のない、物語を膨らまそうとしているのか、
ドタバタを盛り込みたいのか、
見ていて痛々しいシーンも多い。
だけど、後半、腹違いの弟が登場してからは、
グっと話が引きしまる。
密度の濃い時間、緊張感高まる空気が劇場に張り詰め、
非常に見応えがあった。
ラスト10分、咳払いすることさえ、ためらわれるほど
芝居に集中し、
そしてラストシーンに、心を打たれ涙した。
このシーンに持っていくための、退屈な前半だったのか。
いや、違う、これ90分程度に縮めたら、
もっと良くなるだろうに。
ひょっとしたら、この時間感覚の違いが
東京生活のリズムと、弘前生活のリズムの違いなのか。
長い歴史を持つ作品だけに、
いつかは三越劇場で新派に演じられるまでになってほしい