JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3) 公演情報 JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
21-29件 / 29件中
  • 満足度★★★★★

    まだまだ終わらないで欲しい
    やっぱり、やっぱり魅力的!!

    「観てきた」なんか見て様子うかがってるる場合じゃない。

    行こう

  • 満足度★★★

    すべてが笑いで終わらない
    佐々木さんがもう、こんな役が似合って似合って。

  • 満足度★★★★★

    ためらいの倫理
    テーマを、シンプルにするどくしぼりきった公演なのに、強い残響を残す多声的な印象。要するに内容が濃い。
そして、その詰め込んでいるのに、暑苦しさをまったくかんじさせない良さは、セリフの切り詰め具合とクールな演出の妙による。
まさにハセガワアユム氏の真骨頂が発揮されている公演。

    ネタバレBOX

    『ためらいの倫理学』(内田樹)という本があって、帰路、公演を思い返していると、ふとそのタイトルが浮かんだ。
今、アマゾンでその紹介文を読むと「ためらい、逡巡するという叡智―原理主義や二元論と決別する「正しい」日本のおじさんの道を提案する。」(抜粋引用)とある。

この公演は愛をストレートにクチにしながら、なぜこうもドライで切ないのか。
登場人物はいう。
「それでもいい」。
「それでも」という前提つきのGOサイン。
ただやみくもな直情ではなく、考え、逡巡して、選択をする。
そして、その得た結論に迷いはない。
同じ迷わなさでも最初から決めてかかる原理主義や「all or nothing」の二元論とは、複雑さを備えている分、強度が違う。
そして、そのアンビバレンスを包括しているから、切ないのだ。

ためらいの倫理を備えた21世紀の公演。
主人公は、もう「こわいんだ」と言わない。
その先に何があるかわからなくても。

わからないその先を、私もまたためらいながら、見続けていきたいと思う。
  • 満足度★★★★★

     
    観劇

  • 短編という印象はまったくなく、美味しいものを2食いただいたような
    色合いは違っていても、両作品とも物語が太い線で描かれていて、がっつりと楽しめました。

    短編を観たという印象はあまりなく、しっかりとしたお芝居を2本別腹でいただいた感じ。それが全く負担に感じられないのです。

    美味しいものは続けて食べられるのだなぁと実感したことでした。

    ネタバレBOX

    両方の作品とも、物語の骨格は太くシンプルなのですが、人物が丁寧に表現されていて粗さをまったく感じさせない。

    物語の流れが観客を引き込む力も強いし、役者達が醸し出す人物の色も、すっと伝わってくるのです。

    ・JUMON(反転)

    なんとかの方舟事件を想起する時点で歳がばれてしまいますが・・・。
    その男女逆バージョンのようなお話し。

    愛に対する新旧(?)価値観の対立の物語である以上に、男女を問わずそれぞれの人物が抱えるものが丁寧に描かれた、群像劇のような肌合いを感じました。

    登場人物の内にある飢えのようなものが、概念に丸められるのではなく個々にきちんと表現されていて。その重なりが物語にしっかりとした奥行きを作り出していていたように思います。印宮伸二、小野哲史や坂本健一、さらには浜野隆之らかそれぞれの色である種の欠落感を表現していく・・・

    小林タクシーの怪演も、キャラクターの内心が絶妙に表現されていてあざとさがまったくない・・・。宍戸香那恵や長岡初奈から垣間見えるエゴにも強い実存感がありました。
    成川知也の中性的表現も、なにか突き抜けていて、うまいと思う・・・。

    佐々木なふみの描く女性、物語に不思議なリアリティを与えていて・・・。また、終盤、彼女の想いがすごく瑞々しく伝わってきたことでした。


    ・便所の落書きやさん

    一人の美人教師を20歳離れた兄弟が取り合うという、どこか少年コミックのような風合いをもった作品、こういうお芝居って理屈抜きで楽しめるところがあって・・・。

    弟役・浜野隆之の抑制を持った演技が作品のベースを作ります。成川知也のヒール役も凄く生きてる・・・。清水那保が醸し出す「無垢な善良さ」テイストが物語に厚みを作ります。

    小林タクシーがきっちり仕事で、こういう物語に欠かせないスパイスを効かせていました。佐々木なふみの酔っ払い美人教師に意外とまじでほろっとさせられたり・・・。

    終わりかたも個人的には好きかも。



    2作とも、本当に楽しませていただいたことでした。

    もちろんお勧めです。

  • 5月28日(木)S
    愛についての話。快哉。

  • 満足度★★★★

    お腹一杯の短編が二つ。
    とても楽しめました。

    空間を上手く使った照明効果や演出で、一体になった面白さがありました。
    すばらしいです。またMUがやってくれました。

    ネタバレBOX

    JUMON : 初演の時より、ハードになっていた感じです。女性の方が怖い…

    便所の~ : MUっぽくないMUみたいな感じでした。相思相愛確信犯のラストに近いような、そんな破綻っぷりを感じました。


    どちらもとても魅力的です。
  • 満足度★★★★

    愛は、思い込みと自分の居場所の欠乏から生まれる
    良い短編を読んだ感じだ。読後感がいいというか。

    あっと言う間の50分間×2なのだが、中身は結構濃い。
    すっと進むけど、台詞がところどころ光る。
    出演者も力まず熱演。話も面白いし笑いもいいタイミングで挟さまれる。

    休憩10分を含む110分は全然長くない。
    とにかく面白かった。
    役者さんたちとの近さもいいし。

    ネタバレBOX

    〈JUMON〉
    恋愛ってのは、思い込みとか妄想ではないだろうか。それの強さによって、自分も相手も束縛されてしまうのが恋愛。
    そして、自分が必要とされることが一番うれしい。自分の居場所ができた感も恋愛には大切だ。

    何かが欠けている(あるいは足りない)男たちが、教祖のような、あるいはマルチの首謀者と思われている女性の、JUMON〈呪文〉と思われている、単なる口癖「愛してる」に惑わされ、自分が必要とされていると勘違いをし、さらに自分の居場所を提供してくれることで、虜になっていく。

    ただし、そこにいるのは常時5名だけというのは、JUMONが消えてしまった、つまり、単に冷めてしまうときがいつかやってくるからだろう。
    しかし、「何かが足りない」男たちは、街にはいくらでもいるので、人数は一定なのだ。

    何かが足りない、胸の奥の空虚感を持っているのは、実は男たちだけではなく、彼らを取り戻そうとする「被害者の会」の女性たちも同じだ。

    自分だけにしか笑顔を見せないと信じている女、付き合ってもないのに、取り返しに来る女、自分の腹を痛めたとは思えない〈ですよね〉子を取り返そうとする母親。その「被害者の会」の女性たちにも「何かが欠けて」いるのだ。

    ハーレムを「家族」呼ぶ男たち。みんなで撮った写真の笑顔に惹かれる登場人物たち全員。幸せの実感を、写真の中の姿でしか感じることができない人々。
    そんな切ない光景が、恋愛のことだけではなく、多くの人が抱えている現実が、舞台では、決して声高にならず、ちょっとした笑いとともに、繰り広げられる。

    ラストで一番無自覚な女が、1人辛い目に遭うのは、彼女だけが、お腹の中で大きくなる現実とともに生きているからだろうか。

    お母さん役は、登場したときに「飛び道具」的臭いがしたのだが、そうではなく、しっくりはまっていたのには驚き。
    そして「どこがメタファーなのかわからない!」の台詞には笑った。

    〈便所の落書き屋さん〉
    こちらも愛の物語、そしてこちらのほうが笑いの度数は高かった。高校生かよっという突っ込みとともに。

    やはり、無自覚な女(女教師〉を取り合う兄弟の話なのだが、便所の落書き屋という設定が面白い。便所に住む男への「みんなネットカフェまでで踏みとどまっているのに」には笑った。本当は怖い設定なのだが。

    やはり、恋愛の一方的ともいえる思い込み(外野から応援する女子高生も含み)と、居場所の問題がこちらでもクローズアップされていた。

    コメディ的要素が多いのだが、ラスト近くの「混ぜたら危険」からの「なんでもありません」の引き際には戦慄した。

    どうでもいいことだが、生徒たちが作る、あのヘンテコな段ボールの作品は、ギャラリーでもあるル・デコへの挑戦・・・ではないだろうとは思うけど、それを思い出し、なんか笑ってしまった。

    で、結局、2つの作品とも無自覚で、男を結果的に振り回してしまう女は、同じ女優さんが演じているからだけでなく、ロングヘアーでフェミニンな格好、そして蛍光グリーンのヒールということもあって、同じタイプの女性像に見えた。

    両作品ともに、この女性のみが悲惨なラストを迎えるのだが、ひょっとして、こういうタイプの女性に振り回された経験が作者にはあり、無意識のうちに舞台で罰を与えているのではないかと思ってしまった。

    つまり、家族と呼ばれるハーレムにいた男たちも、女教師を取り合った兄弟もすべて作者の分身ではないのかと思ってしまったのだ。

    もっとも、同時に彼らは、私〈たち〉でもあるのだけれど。
  • 満足度★★★★

    メッセージ受け取りました!
    前回見逃してしまったMUなので、待ち望んでたんですけども。
    いや~これがMU!っていうのを観られてほんとHAPPYです。
    愛だし、皮肉だし、課題を投げかけてるよねって、そーいうの。
    ネタバレに書くとして、☆は4.5ですね。初日だったからかも。

    ネタバレBOX

    【JUMON】
    反転してるので、ガンガンとかの少年誌にある男子の為LOVEファンタジーというイメージ。性別が逆になるだけでこんなにピュアロマンチックに観えるなんて。なんつーか女の方がつるんでる分、いつ出し抜こうかとかあざとい感情がありそうなのを、男がやると健気でおろかしいのに憎めない。結構MUは女子の気持ちわかってるなー、と思う脚本という感覚だったので、アユム氏が男子の為にこういうアプローチできるという発見が新鮮。
    女子パートで信子が着替えるシーンがあるんだけど、トレーナーにタグつけたまま。そこに、これこそがメタファーと感じた。というのは、新しい愛の形と言っても、誰かにとってはそれも既製品、タグついて並んでる品物の一つに過ぎないというメッセージに思えた。(深読みしすぎた)でもそこが最高にしびれた。最高。

    【便所の落書屋さん】ライトノベルのように、でもMUだけにただじゃ済まさないぜってイメージ。ペラい(ゆとり世代)と言われるほど実は非情に現実的で、それについていけない(純愛とかマジで言っちゃう)からドロップアウト(自殺未遂)してしまう。誰もが皆そうじゃなくて、幼いながらも愛についてマジメに考えるし、大人になっても間違いは犯す。と、いいつつもうギャグでしょ!と。クライマックスは「なんだこれ」で超面白かったー!!「なんでもない」に「愛の勝利」って。もうなに、ヤバすぎる。

    【キャスト】全員きちんと自分の仕事をこなしていました。誰一人シャッフルも抜けも利かない。いい座組に恵まれてうらやましいです。初奈ちゃん・阪本さん・浜野さんは突出。なふみさん・成川さんがきちんと安定して場に居るのは大きい。宍戸さん・小野さんの無理の無い空気感が好感。なおちゃん・タクシーさん・イングーさんの芸達者ぶりに脱帽。

    【気になった点】初日なので固さは仕方ないかなーとして、便所の方で書込みスペースが外れた場合の処理の仕方の問題かな、と、怪我!しないようにほんと気をつけて欲しいです。心配。タクシーさんは手がキレイ過ぎるし。
    あとJUMONのラストで、なふみさんがもう少し奥目で倒れていただけたら、きっと二列目以降の方々も母の哀しい愛を垣間見れます(笑)地べただから前の人で見えないの(泣)
    あの椅子、倒れて足に落ちてきたら痛いんだろうなあ。

    と言う感じで、ドンドン変化するんでしょうな。
    怪我には気をつけてくださいまし。

このページのQRコードです。

拡大