夜半、涔々と。 公演情報 夜半、涔々と。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    真鶴公演観ました。ちょっとベタな展開ですが、入り込みやすい朗読劇。ゆったりとしたスペースで楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    役者さん二人が脚本を誉めていたが、私も脚本がとても上手いと思った。
    こんなに純粋な脚本書けるのは、本当にスゴいと思った。
    朗読がこんなに素晴らしいなんて、びっくりした。
    あまりパッとしないお芝居だったら、朗読のほうが断然良い場合もあるんだ、とはじめて知った。
    単なる先入観で、朗読を軽く見ていた自分を、とても反省した。
    もちろん、脚本と役者さんが素晴らしい場合に限るのかもしれませんね。
    辰巳さん脚本の作品、また観たいです。

    名前を入れたサインとコメント、とても嬉しかった。大切にします。有難うございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    今では「書簡」を用いることが少ないであろう。それを敢えて往復「書簡」朗読劇にした拘りはあまり感じられず、書簡にしては整いすぎた話だ。
    他劇団を引き合いに出すのは如何かと思うが、その時は明治から昭和期にかけての作家の書簡を朗読した。昔の書簡は現代の通信手段(メール等)と違い、配達という日数を経て相手方に届くから、リアルタイムでの意思疎通は考えられない。作家の書簡は必ずしも相手の内容に沿った返信ではなく、横道に逸れたり新しい話題を書き記す。そこに時間の経過という往復書簡の面白味が出て、作家同士の機微に触れるやり取りの味わい深さが滲み出ていた。
    本「夜半、涔々と。」は、男女の十数年の書簡のやり取りだが、あまりにも相手への直接的な返事や回答で「書簡」としての余白のようなものが感じられない。語りこそ書簡風だが、会話劇のように思われた。話の内容は面白く、役者の朗読力、場面転換の間合いも上手いが、書簡としての構成が整然とし過ぎていた。変な表現になるが”脚本力”があり過ぎたというべきかも知れない。それとも、やり取りした書簡(LINEか? )を纏めた回想劇だろうか。

    朗読とは直接関係ないが、「チラシ」に観客(個人)の名前を書き、コメントとサインを記する温かな心遣い。まるで書簡イメージだ。
    (上演時間1時間30分) 【真鶴編】

    ネタバレBOX

    舞台は朗読劇であるから2脚の腰高スツール。その間にユリの花を生けた水盤。実は書簡のやり取りをする女性の名はユリ(漢字表記かは不明)で、シャレた演出である。

    物語は、中学3年生の秋頃から受験時期迄の半年余りが第一場。男子生徒(カズ・ニケルソン サン)が学校で苛められており、それを2年生の時に転校してきた女子生徒(笹木奈美サン)が見ており、手紙を出す。郵便ではなく直接 男子生徒の自宅ポストに投函する。2人とも友達と呼べる生徒はおらず、自然と親しくなっていく。チラシには劇中語解説が書かれているが、ロケーションは北海道函館市である。極寒、雪虫、弥生坂そしてクリスマス風景が見えてくるようだ。2人の生い立ちも説明され、女子生徒は神奈川県のヤクザ一家の娘で、一時的に函館の学校へ転校。男子生徒は両親が彼を残し失踪、祖母に育てられている。女子生徒と親しくなったことで、苛めはされなくなる。

    第二場は、二十歳の時に偶然 東京で再会し付き合いだす。ヤクザの娘という世間の冷たい目に晒されながらも必死に生きてきた女性。一方、男性はバイトをしながらバンド活動をしている。2人の慎ましやかな生活が浮かんでくる。第一、第ニ場も2人は直接会って食事をしたり、そのうち半同棲までしている。その感想めいたことを書簡形式にする不自然さ。

    第三場、男は音楽業界で売れっ子になり、日本各地でライヴ活動をする。彼女との書簡のやり取りが、彼の音楽活動の源。自分の内省を音楽にしており自分のことだけという狭い世界観に彼女は批判的。もっと広い世界へ羽ばたくように諭す彼女との精神的交感に、結婚を決意する。しかし業界の反社会的風潮の前に彼女は…。

    物語は2人の心情はもちろん、風景や季節感も感じられる。何か所かの読み間違えや噛みはあったが、気にするほどではない。時に東日本大震災時の状況も絡め、現実感をも漂わす工夫もよい。それが場面ごとにスーと流れるように紡がれ、言葉(台詞)と一瞬の間合いで時の経過を表現している、が少し無理がある。
    次回公演を楽しみにしております。

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