満足度★★★★★
知的迷宮を彷徨う感覚
かつて複数の少女たちが消息不明となった脳病院を取材する女性記者とその病院の医師、入院患者である少女たちを中心とした物語、今まで観た2作を「基礎編」とすれば今回は「応用編」という感じ。
過去に観た2作と異なり原典のないオリジナル作品で、原典という「手すり」なしに手探りで歩くよう心細さもあったが、手口(笑)がわかっていたのである程度カンが働いた、みたいな?
いたるところに「さぁ、隠されたカギをアナタはいくつ見つけられますか?」「このネタ、わかって頂けたら嬉しいです」というメッセージがあり、それらを探しながら知的迷宮を彷徨う感覚は演ずる側と観る側の丁々発止の頭脳戦(笑)、心地好い脳内疲労とともに観終える。やっぱり面白いわぁ。
終盤、病院内の出来事に一応の決着がついた後でヨウサギが「私のノートはここまでで終わっています。ここから先はあなたが記して下さい」とシルレルに託すのが見事。そこでのヨウサギとシルレルは、まんま作家と観客なワケで…。ここで「ヤラレタぁ~!」と満面の笑み。
キレイなパンチを受けてノックアウトされるボクサーは天国に昇るように気持ち良いというハナシだけれど、こんな感じなのかも?