大クリスマス 公演情報 大クリスマス」の観てきた!クチコミ一覧

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  • 大ノス。
    千葉県柏市に拠点を置く団体。演劇公演が月に一度あるかないかの柏市にて三ヶ月ペースで公演を行う積極的な姿勢に対しては素直にエールを送りたい。また同時に、それを公式HPで活動概要として掲げるからには絶対的に維持せよとも思う。
    都内なら万遍なくどの団体でもクリアしている課題かと言えばそうでもないしむしろダメな所はホント話にならないくらいにダメなんだけど、「公演を成り立たせる」という点でのマイナスポイントが目立ちました。客席から芝居が見にくかったり、スタッフワークに粗があったのが残念。稽古で作って来たものを商品として客前に出すのが公演です。芝居そのもの以外は、お店だったら包み紙などのパッケージや顧客対応サービスに当たる部分。そこでマイナスを生むのは非常に勿体無い。損。
    ついで、これも損をしている点。チラシの時点で『実はギャグも複線です!』と記していたり、記載されている役名でネタバレしたり。芝居を見慣れた人ほどに期待値を下げるやり方。客に想像をさせて興味を持たせるのは良い。しかし客の想像のほうが上回ってしまったら、期待外れという結果になってしまいます。だから自分は始めから期待をしなかったのです。その手を使うなら、この世の全ての人間の想像の上を行く確信の元にやらなければ。
    脚本に関しては個人的に「どちらかと言えばそんなに悪くはないと思う」、かなり微妙な線。柏市周辺でオリジナル戯曲をやっている団体では安泰なほうだけど、それこそ相対評価だからこの団体自体の評価にはならない。開始30分頃に改めて複線を張ろうとした辺りで、人物が明言しないまま匂わせる様な台詞を口にする現象が起きた。これは完全に作家の都合に寄った台詞選び。登場人物にとっては明言しない理由がないので、急に気持ちのこもらない探り探りな言葉を口にした様に見えた。劇中人物を人物として扱うか、それとも記号として扱うか。
    彼らが最も恵まれているのは、客が温かいという事。だからといって今の質のまま作品を提供して行くのは許されない。身内しか観に来なくて成長もなかったとしたら、それは発表会以下。そんなものを有料で何年も続けるのは蛮行に値する。役者の芝居が下手なのは致命的だが、彼らの場合はやり方を分かっていないだけだと思う。まだまだこれからである。

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