母と暮せば 公演情報 母と暮せば」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしい芝居だった。畑澤聖吾の戯曲は、笑いのを振りまきながら、涙なしには見られない生と死の葛藤へ。井上ひさしを超えたかも、と思った。そして富田靖子が。これほど迫力のある女優だったとは。「アイコ15歳」でデビューしたのがついこの前のように思えるが、女優としての成長に目を見張った。エアーおにぎりのばめんのほほえましさ、原爆症が現れてきて、もう生きていたくないという鬼気迫る嘆き、振り幅大きく圧巻だった。もう一度希望を持つラストも、富田の存在感で説得力があった。

    一方の松下洸平も、死んでいるのに出てきてすまないというようなハニカミが最初あり、でも、最後は去らざるを得ない。死者らしい抑制した存在ぶりがよかった。かっこよくて現代青年らしいところはご愛嬌。

    初演のときは祈りの場面がいくつかあったのを、今回は栗山民也の「今は怒りのときだ」と削ったらしい。気づかなかったが、たしかにクリスチャンの家なのに、「陰膳」など日本的風習はあっても、キリスト教的仕草はなかった。コウちゃんがヤソだと子供の頃バカにされたという話はあるが。小学校の先生に頭をものさしで叩かれてハゲができたが、その先生はヤソとバカにしなかったから、5年まで受け持ってもらってよかった、というエピソードも人間の多面性を示していた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    念願叶ったり。それでも途中寝てしまった。
    畑澤聖悟の台詞、松下洸平の溢れ出るかの演技、富田靖子の佇まいは殆ど完璧と言える世界観で、寝落ちした部分を差し引いても満点を献上。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2021/07/07 (水) 14:00

    座席1階

     ついこの間の「父と暮せば」に続き、今度は「母と暮せば」の再演。それぞれ広島と長崎と場所は違うが、原爆で命を奪われた最愛の家族が登場し、生き残った家族とかわす会話劇である。「父と暮せば」は亡き父が娘に、そして「母と暮せば」は亡き息子が母と会話をする。死者が生きる者と会話に入る冒頭も、会話から抜け出ていくラストも極めて自然で、それぞれ客席に強いメッセージを届けるという舞台だ。連続しての上演は、井上ひさしの魂というか、こまつ座の平和への執念を体現している。
     医学部の授業に出ていて被爆した息子(松下洸平)。助産師だった母(富田靖子)が陰膳を供える場面から始まる。会話の中では、息子とその婚約者との微笑ましいヒトこまや、息子が被爆した瞬間の様子など、隠されたお話が次々に明らかになる。母がなぜ、助産師をやめていたのか。医学を志していた息子が母に助産師を続けるように説得する場面など、死者と現世に残された者との迫真の会話劇が続く。
     そこには、原爆投下による死亡からは免れたものの放射線の後遺症で次々に死んでいく人たちや、放射線を浴びた者へのいわれなき差別・偏見の場面もつづられる。客席はその会話を聞いて、あまりの理不尽さに怒り、涙する。
     再演ということもあるかもしれないが、役者としての迫力が前回より増しているためなのだろう。松下洸平も富田靖子も明らかに前作より強烈な熱波を発して客席を震わせた。また、二人芝居ゆえの長せりふを難なくこなしていく様子は、感動ものだ。
     終演後のスタンディングオベーションもむべなるかな、である。思い起こすことが今、必要な多くのことを舞台から受け取った。迫力のある、いい芝居だった。こうなると、やはり数年度の再演も期待したいところだ。

    ネタバレBOX

    緊急事態宣言下ではないので、本日の紀伊国屋ホールは満員御礼だった。マチネの舞台が理由ではないかもしれないが、客席の年齢層は高い。絶対に若者に見てほしい舞台なのだが。

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