第70回公演「ベンガルの虎」 公演情報 第70回公演「ベンガルの虎」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    外連味あふれる

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    注目は異色客演陣(風間杜夫、奥山ばらば、紅日毬子)、必見であったが中々予定が立たず、当日精算期間に予約だけ入れて成行きに任せたのであったが、仕事を上げて駅へ走り、会場に19時過ぎに着くと幸い予想は当ってまだ開演前であった。中央花道の両側のひしめくジャガイモの一つに収まると、何と小型座椅子が腰を支えて格段の観劇条件になっている。前方端席でテント芝居を満喫、千秋楽であった。
    開幕からボルテージ高く観る方も気合が入る。白塗りの奥山ばらばが怪しく無言の口上を舞い(その後も折節にドラマに伴走する)、風の中を紅日毬子がマッチを擦りながら彷徨う。絶品である。そして本編ではビルマ遠征の風間杜夫率いる部隊が不在の水島上等兵との対話、切なく染み入る「埴生の宿」の合唱。『ビルマの竪琴』を換骨奪胎した唐十郎お得意の昭和の裏路地物語が幕を開けた。2回休憩を挟んで3時間。

    ネタバレBOX

    6/22に李麗仙が亡くなった事を今日知った。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2021/06/19 (土) 19:00

    座席1階

    新宿梁山泊の神髄である、唐十郎の演目。もちろん、状況劇場のころの舞台は見ていないけど、パンフレットで風間杜夫が語る「踏み込んだら危険な場所。怖いもの見たさでテントに入った」という言葉を想像しながら今回の舞台を楽しんだ。

    平成、令和の世での梁山泊のテントは何度も見ているが、やはり最終幕のテント外の借景を舞台に取り込んだシーンが楽しみで足を運ぶ。前回は(前々回?)は下北沢で、背景の「スーパーオオゼキ」のネオン看板がちょっと残念だっただけに、今回は暗い花園神社の境内。今度はネオンに邪魔されず楽しめるぞと意気込んだ。結果はネタバレになるので書かないが、壮大なスケール、度肝を抜くアイデアとその美しさに体が震えた。

    さて、物語は第二次世界大戦での悲劇の地であったインパールの白骨街道をモチーフに進む。客演の風間杜夫が、ビルマの竪琴で現地に残った水島上等兵がいた隊の隊長役。年齢を感じさせないパワフルでユーモアあふれる演技で感動した。風間杜夫は途中の換気休憩2回をはさむ3時間出ずっぱりで熱演し、これぞ役者魂!かという舞台だった。

    梁山泊のお約束の若手女優人らによる歌とダンスは「うっせえわ」。この大熱唱がテント外の歌舞伎町に響いたかと思うと、それだけでおもしろい。今回の選曲は冒頭の曲がナンバーワンだと思う。

    やはり観客を楽しませる仕掛けは満載で、その一つは、競輪の実演である。花月園の舞台設定で、「場外」を駆け回る競輪選手たちにはラストシーン同様、驚かされる。テントでしかできない演出だ。

    さて、物語はビルマなど東南アジアと日本(錦糸町と鶯谷というちょっと猥雑な街)を行ったり来たりして進む。水島上等兵と水嶋カンナという名字の一致が時空を超えていろんなことを想像させる。カンナの母、ミシン売りの男。金守珍演じる産婆のお市など、多彩なキャラクターに彩られるが、何といっても白骨の化身で全身をくねらせて舞台を盛り上げた奥山ばらばはすごい。また、入谷の朝顔市の婆ァを演じたのぐち和美に開演前、客席へ案内され、間近で見る迫力にちょっとたじろいでしまった。

    3時間はお尻もいたくなるし長いが、価値ある時間だ。コロナ禍ゆえ、終演後にゴールデン街でこの舞台を肴に盛り上がることができないのがいかにも残念である。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    もう理解は不能、不要とひたすら目の目の前に繰り広げられる光景を楽しみました。
    迫力ある舞台でした。
    筆力があったら、一人ずつ語りたいところです。

    ネタバレBOX

    A列B列には水よけ灰よけのビニールシートが広げてもらえますが、C列と言えど油断はできません。しっかり水が飛んで来ました。
    最後にテントの奥が開いて外とつながり、パワーショベルに乗って歌うカンナさんが圧巻です。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    御歳72歳の風間杜夫氏が初のテント芝居。アングラ×風間杜夫は化学反応と知的快楽に満ち溢れている。『スチュワーデス物語』からほぼ同じルックスのまま、一向に老いることを知らない。ド迫力語り草になるラスト・シーンも必見、観るなら今しかない。
    3時間三幕(休憩10分×2)。
    『ビルマの竪琴』の続編として始まり、現地で遺骨収集を続ける水島と彼から送られてくるバッタンバンの象牙の判子を待つ妻のカンナ。元中学校の家庭科教師で現在は錦糸町でホステスをしている。しかし水島の妻を名乗る別の女が現れ、困惑したカンナは再会したかつての教え子・銀次と逃避行に出る。

    役者謝肉祭を観ているような狂熱のステージ。
    水島カンナ役の、水嶋カンナさんは終始鬼気迫っている。二人乗り自転車の荷台の上にスックと立つシーンが美しい。(12年前の『ベンガルの虎』公演から役名水島カンナを採って、水嶋カンナに改名。)
    元大駱駝艦の奥山ばらば氏は超格好良い。ずっと観ていられる。褌一丁全身白塗り、182cm の体躯を活かし無法松のような下半身の肉体美で神話のように舞い踊る。この奇想天外な異空間に説得力を持たせる絵力。
    平山もとかず氏(a.k.a iLHWA〈イルファ〉)はプロレスラーTARUを思わせる強面の風貌で鈴木雅之のような美声を披露。
    風俗マネージャーと薔薇族カメラマンの二役、松永健資(けんすけ)氏が凄まじいインパクトで二役とも暴力そのものの強烈さ。
    カンナの母親役の渡会(わたらい)久美子さんの苛烈な印象。松田洋治氏もかなりパンチの効いたキャラクター。全てのアングラを優しく見守るお母さん的存在、のぐち和美さんの安心感(客入れも担当していた)。金守珍(キム・スジン)氏のおこそ頭巾の灰撒き婆ァこと、産婆のお市。室田日出男を彷彿とさせる藤田佳昭氏。矢鱈イケメンな二條正士氏。
    他国籍ホステスに扮した女優陣によるエロい『うっせぇわ』は新宿ゴールデン街に隣接した花園神社のロケーションにぴったりの選曲。
    中嶋海央(みお)氏熱演の流しの銀次、彼の貫き通す純情が魑魅魍魎渦巻くカルマの闇を引き裂く一筋の月光となる。

    1列目2列目と花道脇はビニールシートで客自身が自己防衛。水や灰が飛んで来るし車券の雨も振る。季節柄、虫も多いので注意。

    ネタバレBOX

    ビルマ(現ミャンマー)、ベンガル(今ではインドとバングラデシュに分断された地域)、バッタンバン(カンボジアの州)、羅紗緬〈らしゃめん〉(海外に売られて行った娼婦、今作ではからゆきさんをイメージ)と東南アジアのかなり広い地域を舞台にとっている。 

    二幕は競輪場のレースからスタート。皆既日食が起こり、カンナと競輪選手でもある水島の再会。明治に時は飛び、カンナの母親である羅紗緬の物語と出生の秘密。
    三幕は入谷の朝顔市。水島がカンナを迎えに来るが、月光仮面と化した銀次がそれを許さない。

    唐十郎の作劇は、より詩的な情景、より詩的な台詞を目を瞑って探り当てるかのようにうねうねうねうねと右へ左へ曲がりくねってゆく。物語ではなくたった一行の胸に突き刺さる煌きを求めているかのようだ。劇中何度も繰り返される、羅紗緬(からゆきさん)の叙述が一番胸に残った。

    ラストはステージ上のプールが大きく口を開け側面から噴水状に水が吹き出す中、次々に飛び込んで行く役者陣。いよいよ水嶋カンナさんが飛び込むと屋台崩し。ステージ奥から本物のショベルカーが登場しそのバケットに乗り込むびしょ濡れのカンナさん。重機がゴンドラ宜しくゆらゆら揺れ歌い上げて去って行く。圧巻の終幕。

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