ベクター 公演情報 ベクター」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2021/01/24 (日) 13:00

    座席X列1番

    戦争の狂気、つまり、戦争が招く狂気、戦争によって表象される狂気、戦争に具現化される狂気、まあいろいろあるけれど。ついつい、自分だけは正気あるいは平常心という認識のもと、実はきゅきの渦中にいること自体に気付かないことはあるのだろうな。
    異常が日常となっている現実に、ついつい惑わされてしまうから。

    レイテで墜落した飛行機から、囚人兵たちが回収しなければならないものは何、というのがこの芝居のテーマ。
    タイトルからしかり、それを探し行くというのが囚人兵であるということでも、おそらくそれは、、、と推測が先に立つのは当然だろう。

    輸送機に搭乗した者たちが見つかり、そのうちの狂暴化した1人に、捜索兵の1人、村上が噛まれる。そこから先は、、、という予測は、、、、、

    ネタバレBOX

    ミスリードさせておいて、実は、そこだったのか。
    かくも悍ましき戦争譚、よくぞ作れり。ただただ感嘆の極み。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ハツビロコウ、鐘下作品の回。戦時、囚人(戦犯被告)らが特赦と引き換えに詳細知らされず課されたレイテ島での任務とは・・。ステージ全面ビニールシートで数%熱度が減衰するも、ハツビロコウの舞台であった。未知な伝染病への恐怖、即ち人間の原初的な反射作用を見せつけられる。その意味でタイムリーな作品。恐怖は飼いならす必要がある。

    ネタバレBOX

    枝雀の新作落語の幽霊モノに「人間怖い怖いと思うから怖くなる」という台詞があるが、コロナの恐怖はそのデータが示す死亡率等の数値より、「未知の物に襲われる」事への想像が、恐怖を生んでいると思う。社会一般の他の死因より数値的に格段に低いにも関わらず。この恐怖を自分が味わった時(間近に居る人がコロナ陽性が判明した)、重症化から死への道筋を想像して一瞬背筋が寒くなったが、この反射的な反応をコントロールするのは難しくとも、恐怖に身を預けてはならない、と囁く声もある。その声と親しく末まで連れ添いたいものだ。
  • 満足度★★★★★

    新型コロナ対策で舞台と客席との間にビニールシートを張っての上演であるが、暗いシーンが多いのでまったく気にならない。『国粋主義者のための戦争寓話』と同様のストーリーで、キリキリするような緊張感、極限状態での正気の喪失、秘匿された謎、追い込まれた軍隊の滑稽さが描かれ、ネタがネタだけにこちらのほうが『国粋主義者』よりさらに恐ろしい。

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