サンタクロースが歌ってくれた 公演情報 サンタクロースが歌ってくれた」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/12/06 (日)

    価格3,800円

    6日17 時開演、麻見演出チームの回を拝見(120分弱)。
    でっ、このユニットの普段の手口(下ネタ連発⁉︎)とは違うし、どこかで何度か経験したことのある作風だし…「脚本:成井豊」で納得。
    芸達者な人達が演じるキャラメルボックス作品を堪能!

    なお、演技陣では
    狂言回し役の
    安井摩耶さん、岡ちひろさん
    そして、この方のおかげで、上演中、今はノーコンタクツの芝居を観ているんだ!と気づかせてくれた
    茗原直人さん
    が印象に残った。

    ネタバレBOX

    【配役】【A】麻見演出チーム/【B】柳瀬演出チーム
    ゆきみ…安井摩耶さん/尾鷲知恵さん
    すずこ…岡ちひろさん/坂巻美穂さん
    奥様…大村琴重さん/村木華子さん
    監督…赤眞秀輝さん/かねしろまなぶさん
    フミ(召使い。芥川を慕っている)…松山新さん/齋藤香織さん
    ミツ(黒蜥蜴=太郎を庇う)…水出浩子さん/永野百合香さん
    巡査…内藤恭介さん/清平和世志さん
    ハナ(召使い。お調子者)…飯笹美希さん/仁科優子さん
    芥川…麻見拓斗さん/鈴木俊哉さん
    太郎…山端零さん/山下諒さん
    警部…茗原直人さん/渡辺大滋さん
    サヨ(お嬢様)…井上千鶴さん/福田らん。さん
  • 満足度★★★★

    銀幕から抜け出すという設定は、2~3年前にあった映画「今夜、ロマンス劇場で」を思い出す。もちろんこの公演「サンタクロースが歌ってくれた」の方が先に世に出ている。映画を引き合いに出したのは、映画(映像の編集)に比べ舞台という空間において時代という次元演出が難しいであろうが、実に上手く観せているところに感心するからである。
    説明にある通り芥川龍之介と江戸川乱歩が登場するが、現実に出会ったかは疑問(フィクションだと思うが)である。しかし、それぞれの代表作を絡めた物語であるところが興味深い。
    (上演時間2時間 途中休憩あり)
    【B】柳瀬演出チーム

    ネタバレBOX

    舞台セットは真ん中に階段を設え段差を設けただけのシンプルなもの。真ん中の上部と上手・下手側にある六角形窓が館の雰囲気を漂わす。

    梗概…現代-ゆきみはクリスマス・イブに友人のすずこに電話をかけ、映画『ハイカラ探偵物語』を観に行こうと誘う。以降、彼氏がいない女性2人の妄想のような…。
    映画の中-「ハイカラ探偵物語」の舞台は、大正5年のクリスマス・イブ。華族の有川家に怪盗黒蜥蜴から宝石を盗みに来ると予告状が届く。警察(警部)が来るが何となく頼りない。そこで有川家の令嬢サヨが友人フミに、フィアンセである小説家芥川に探偵役を依頼できないか相談する。依頼を受けた芥川は友人の太郎(後の江戸川乱歩)と共に有川家を訪れ、黒蜥蜴と対峙する。そして映画は序盤のクライマックスシーンへ、そして芥川は犯人の名前を言おうとするが…。本来ならその場に居るはずの黒蜥蜴が、忽然と居なくなった。突然、芥川は黒蜥蜴が「銀幕の外」に逃げたと言いだす。そこで芥川・太郎・警部の三人は銀幕から飛び出し、ゆきみと共に黒蜥蜴を追いかける事に。

    犯人・黒蜥蜴の名は江戸川乱歩の代表的な探偵小説。その謎解きに芥川龍之介の短編小説「藪の中」を連想させる。証言と告白という手法、しかもそれが曖昧で信憑性に欠ける、いわば途中経過の不完全さが次シーンへの興味に繋がり最後までストーリーに集中させる。犯人は推理小説らしく意外と言えば意外かもしれないが、それでも何となく想像が及ぶ範囲ゆえ少し新鮮味がない。犯人の犯行動機は芸術家らしい嫉妬心というところに上質性を感じる。架空の存在の銀幕の人々、現実世界の女性2人が交流するファンタジー。まさしくクリスマス・イヴらしい物語。
    ちなみに先の映画も、結末は予想がつきそうな展開で独創性や目新しさみたいなものはなかった。しかし、この嘘くさい世界観にはまって幸福感を味わうのも事実だった。

    演出はアップテンポに観せようと工夫しているが、逆にリズムが単調になり、全体観として場面が流れてしまったように思われたのが少し残念。もう少し緩急を付けて状況・情景と説明・解説シーンの違いを強調してもよかったのでは…。
    次回公演も楽しみにしております。

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