公演情報
「『浦島さん』『カチカチ山』 」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
太宰の作品の中ではなじみのある「カチカチ山」。読んでも面白い作品で、朗読作品としても人気がある。その本文に大枠として、執筆当時の太宰本人と、弟子との葛藤、出演者を見て歌を四曲入れた構成(青木豪)は原作を程よく生かして1時間半の舞台にしている。いのうえひでのりの演出もこの欄の「浦島さん」の評とはだいぶ変わって、よく動き、にぎやかで飽きさせない。出演者も狸を演じる宮野真守。ウサギを演じる井上小百合、それぞれ歌にモノローグに、芝居にと、音との絡みがあるので、気が抜けず大車輪だが、とにかく走り抜ける。
コロナ騒ぎで、人数も少なくてできるものと考えたもののようだが、企画そのものはあまりビレッジらしくない。いのうえ演出は、この程度の舞台ではもったいない。もっとダイナミックで面白い舞台を用意してもらいたいものだ。2.5ディメンションと新感線やミュージカルをつないで、新しい時代のエンタティメントを期待している。
満足度★★★
「浦島さん」を観劇
太宰 治「お伽草紙」の「浦島さん」を舞台化したもの。とくに中盤は会話の連続なのでほぼそのままである。原作は浦島太郎の物語を太郎と亀のくだくだとした会話で延々と伸ばしたもので、あらすじを書けばただの浦島太郎のお話になってしまう。したがって皮肉や揚げ足取り満載の会話を楽しむべきものなのだろう。ただし竜宮での生活はタイやヒラメの舞い踊りがない地味なもので作者の思いが感じられる。80分休憩なし。
いのうえひでのり演出ということで劇団☆新感線的な何かを期待してしまうが登場人物が3人という時点でそれは無理だと諦めなければいけない。とはいえ亀役の粟根まことさんの(いつもの)怪演がたっぷり楽しめるのは劇団☆新感線ファンには嬉しいところだ。その怪人粟根と渡り合う福士蒼汰さんは大変だったろうが一歩も引けを取ってはいない。しかし私の一押しは乙姫役の羽野晶紀さんである。出番は多くはないが実に個性的でチャーミングであった。今まで私の脳内ではあのお姑さんのイメージが邪魔をして正しい姿をとらえることができなかったが今回で払しょくできたと思う。
以上に述べた「ストーリーは浦島そのもの」「何事も起こらない」に気づくのが遅すぎた、と言うより終わるまで気が付かなかった(笑)ためあまり楽しめなかった。満足度は星3つ。
・会場の東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)について
池袋駅の東側、ヤマダ電機とビックパソコン館の間を抜けていくと小さな公園がある。以前は公園の向こう側に豊島区役所と豊島公会堂の古い建物があって急に寂れてしまっていた。そこにいきなりおしゃれな建物群が出現した。「東京建物 Brillia HALL」はその一つにある。それを見るのが第一の楽しみであった。ホールは3階構造で合計1,300席のほど良い大きさである。できたばかり(とは言っても2019/11開業)で小奇麗だがとくに目立ったものは残念ながらない。