ワールドシンフォニー 公演情報 ワールドシンフォニー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    道程に続く不条理劇
    アタラシプロンは朽木晴彦がピンでやってる劇団だ。MUみたいなものだ。最近、こうゆう形の劇団が増えたような気がする。メリットもデメリットもあると思う。
    最大のメリットは脚本によって、イメージどおりの役者を投入できる事ではないだろうか?
    そして、今回のキャストも実に秀逸だった。

    以下はネタばれOXにて。。

    ネタバレBOX




    朽木が書いた前回の「道程」は模倣家族を演じるという不条理劇だった。

    今回も彼独特の不条理は突っ走っていた。彼の路線は今後もこういうダークな色合いで進むのだろうか?今回の「ワールドシンフォニー」は彼自身の協奏曲でもあったような気がする。今回の最大のテーマは愛だ。それぞれがそれぞれの思いを抱え空回りして落ちる。

    愛が欲しいが為に誰かの乾いた残像を追い求め、心の隙間に音もなく忍び寄り囚われる。囚われたそのものは何か?それも愛なのだ。

    心の病で入院中の姉が居た。姉が壊れてしまったのは元恋人から裏切られたせいだと思い込む妹。妹は復習を誓い元恋人の弟を利用して陥れ元恋人を殺させる。入院中の姉には特別な能力があって彼女が絵を描いた人物を死に追いやる事が出来るのだった。この能力を利用して妹は、自分の邪魔になる人物を次々と殺していく。

    姉は担当のドクターから心が壊れているのをいいことに、遊びと称して性的虐待を受けていた。そのことを世の中に暴露する看護師。やがて、ドクター自信も壊れていく。

    一方で姉は妹が大好きだった父親から性的虐待を受けていたことを妹に告白する。元恋人は実父から姉を助けたという真相を始めて知って愕然とする妹。そして、狂っていると思っていた姉が正常だったことを知る。

    何が正常で何がそうでないのか。濡れ衣をきせられて殺されてしまった元恋人。全てが少しずつ狂っている。

    生きるってしんどいね、と妹。

    一人の少女が生きる過程を描いた作品だ。まさに『道程』なのだ。彼女が抱く悩みも混迷を極めている。だから叫び、悩み、苦しむという熱さがある。生きる、ということは、逃げる事も隠れる事も出来ない。だから、少女は死にたかったが死ねなかった物語を、朽木特有の温度で描いている。暗い闇を持った少女の苦悩は、どうしようもなく青臭くて幼稚なものだったのかもしれないけれど、こうやって底知れぬ深い闇にはまっていく。


    朽木の作品は次回も観ようと思う。彼の書く作品にはそう思わせる何かがある。




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