満足度★★★
演出家は素人
劇団四季のオリジナルミュージカル(昭和の3部作や、ファミリーミュージカル)でお馴染みの、三木たかしの楽曲を中心とした歌を間に挟みながら、センチメンタルな手紙を29通も読み続ける演目。
「おしゃれなミセス」が好みそうな、レースの刺繍教室か、
紅茶教室のような、お上品っぽい、上質っぽい、
イメージで作られている作品ですが、
全体には、結局この舞台を通じて何が言いたいのか良くわからない。
テーマが伝わらない作品って、芝居としてはダメなんですよね。
その意味では、雰囲気だけエレガントにして見ました、って演出に
している演出家は素人です。
眠たくなるような単調なメロディを、ママさんコーラス代表のようなクミコが朗々と歌いながら、軽めの手紙を朗読する1幕は、
退屈に過ぎますが、
硬派な手紙を井上芳雄が涙しながら読み上げる2幕は見応えたっぷり。井上芳雄は上手になったなぁ。
井上芳雄は、いつの間にか線も太くなって、逞しくなっている。
プロフを見たら、もうじき30歳になるようだから、
そりゃそうか。
いつもに増して、濃いめのファンデーションを塗って
浅黒くなった顔は、永井大みたいだった。
問題はチケットのお値段。
いらないクモコのCDが1枚もらえる(チケット代に入っている)とは言え、
セットは簡素、演出も構成も地味な作品にも、関わらず
¥8800。
これ四季の「ライオンキング」や「ウィキッド」などの
S席会員価格と同じなんだよね。
僕は、ネットオークションで半額の4400円で見に行ったけど、いいとこ5000円のレベル。
まぁ追加公演も出るほど売れているんだから、
いいんだろうけど、不況なのにねぇ。
まさに興行の香り・・・。
今回はじめてルテ銀のBOX席で鑑賞。
この席、ホントにVIP感たっぷりの個室、プライバシーも
守られていて優越感のある席。
しかし、この作品に限ってかもしれないけど、
舞台は半分見れません。見切れが酷いです。
シアターコクーン、コクーンシートの3倍見れません。
今回の公演の場合、
舞台でクミコと井上芳雄が両端に座って、
手紙を読みますが、これ1人しか見えません。
舞台が低く、真ん中で演じないって構成自体、
演出家もBOX席のことは何も考えずに、
作り上げたんだろうな。
見切れが発生するS席が発生するような、
舞台を作っているような演出家は素人です。
でも、ぶっちゃけニャンニャンだって出来ちゃうような
空間だし、ここに座る方は、
触りだけ見れればいいのかな。