何も変わらない今日という日の始まりに 公演情報 何も変わらない今日という日の始まりに」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 満足度

    今出舞さんは、私自身がプロデュースした舞台が商業舞台のデビューで、
    これまでにも50作品ほど観続けている女優さんなので、応援している。
    なので彼女のご出演舞台は良い評価を付けて上げたいが、この作品は難儀だった。

    正直、脚本の筋が通っている様に思えなかった。
    少なくとも納得感のある作品と思えなかった。
    あの施設の存在意義と、何故そこまでこの施設に拘束され続けているのか、
    私自身もそうだし、周りの人にも多くの医療系に携わる人がいるのだが、
    その視点から観ると余計にあの薬剤の設定に無理があると思えてしまった。

    役者さん達の演技も、正直全員がギクシャクしている様に思えて、
    間の取り方とか物語の進行具合とか、ひたすら違和感だった。

    ツイッターでも書いたが、最終盤の今出舞さんの独白(モノローグ)のシーン、
    「嘆いている」事は今出さんの演技力でバシバシと伝わってきたのですが、
    一体何をそんなに嘆いているのか、そんなに何が大事(おおごと)なのか?
    そういったものも伝わってこず…とても浅い内容で嘆いている様に見えた。

    ここまでコメントされている方が非常に高評価をされている中で、
    「同じ作品を観たのか?」と疑問に思うくらいの満足度の差があるが、
    私の周りの信頼出来る人達が複数、私と似た感想を持たれていたので、
    どうしても厳しめに書かずにはいられなかった。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/12/22 (日) 16:00

    座席M列3番

    価格4,000円

    【Team空】
    やはりダブルキャストは「味変」。演者の違い、立ち位置の違い、さらに僅かな間合いの違いで印象がだいぶ変わる印象。
    「リアリストって漢字で書けないくせに」というからかいに対して前日に観たTeam海では「えっと、リ……もともと漢字じゃないじゃない!」(天然?ノリツッ込み?)とツッ込むまでしばしの時間を要したのに対しTeam空では割と早く、それによって人物のキャラがガラリと変わって見えた。

    あと、その「漢字で書けないくせに」とか「主に私が」とかのやり取りが愉しい……ってかいつもながら巧い。

  • 満足度★★★★

    【Team海】
    不老を研究する施設での被験者たちを中心に描いた「近未来SF」系。
    「不老不死となった者の孤独」というのは好きなテーマの1つだが、本作は無条件でそうなのではなく、不老研究の実験体であり施設から離れると死を迎えるという設定により被験者が「自ら死を選ぶことも可能」として「生死」の問題を際立たせ、「不老」の残酷さや倫理観のようなものまで観客に問いかけるのが見事。
    結局複数の被験者が命を落とすビターな展開だが、暗さや重さを感じなかったのは「その方が自然」と思ったからか?

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/12/22 (日) 12:00

    その「罪」は一体だれのものなのか。
    過酷な運命に翻弄される人々をどこか優しく描いた大傑作。
    詳細はネタバレBOXにて。

    ネタバレBOX

    海チームの千秋楽を観劇して参りました。

    皇帝ケチャップさんには前作の『私の娘でいて欲しい』でも泣かされたけれど、今回もやっつけられました。

    皇帝ケチャップさんの演目は多分、劇団名、脚本を書いた人を伏せられていたとしても、何となく分かるような気がする。

    主宰であり脚本を書いておられる吉岡さんのセリフの言い回しは独特で、テンポも非常に速い。

    吉岡節とも言えるそれを好きかと言われれば、実を言えばそこまで好きではない。
    けれど、ダーッと一気にダッシュさせて、この流れまだまだ続くんだろうなというタイミングで急停止して、
    胸元を抉るようなセリフを一発ぶち込んでくるその手法は、私には非常に効き目があるのは確かで、
    時間の経過を全く感じさせない105分だった。

    会話のテンポのつけ方も先述の通り巧みだけれど、ストーリー全体の起伏も同様。
    これについては前作よりも本作の方が圧倒的に素晴らしかった。

    前作でも感じたことだけれど、全編にコミカルなムードをプンプンさせながらも、そこで扱う内容はかなりシビア。

    不老ではあるが、不死でもなければ、病気にならないわけでもない。
    察するにどこか傷を抱えた人たちが、様々な思いと共に被験者として志願したのだろうと思う。
    ある者は新たなる希望を抱き、そしてある者は絶望の果てに辿り着いた場所なのだろうと理解している。

    主人公である瑛美の生涯は壮絶と言って良い。
    友人である由美を自殺から救えなかった自身の「罪」を抱えながら全てを捨てて不老の被験者になるものの、その選択は結局、
    無駄だったと思い知らされてしまう。

    何十年という時間。
    しかも不老を得ることで、自らが罪を犯したその時間の姿のままで過ごす時間。
    同じく死んだ時のままの姿でつきまとう由美の亡霊。
    彼女の無邪気さは、むしろ瑛美に取ってはむしろ、自身の罪を追認させられるようで、相応の苦悩があったのではなかったか。

    ただそれは瑛美にとってはある種の罪滅ぼし、、、というか与えられるべき罰と捉えていたかもしれないし、そうであって欲しいと
    望んでいたかもしれない。
    罰を受けることで、背負うものが軽くなるのならば、いつかそれがなくなる日も来るのだから。

    ところがである。
    由美の死は、瑛美が背負うべき罪ではなかった。
    何十年という時間を棒に振ってしまった自身の人生を振り返り、もう現れない由美に向かって「それはあなたの罪ではないのか」
    と叫ぶ瑛美の姿から感じた思いは言葉にしがたい。

    由美のノートの発覚から、瑛美が雪の降る中、窓を開けて旅立つシーンまでの一連の流れは、照明、舞い散る雪など、見所満載では
    あるんだけど、あまりにも残酷すぎて、胸が締めつけられた。

    彼女の旅立ちは衝撃的ではあったけれど、どこか納得ではあったし、それで良いとも思えた。
    自分でも不思議だけれど、どこか安堵したような、爽やかな空気さえ感じてしまった。

    主人公を始めとして、誰もが数奇な人生を送り、あるいは、その人生を終えた物語。

    にも関わらずむしろ暖かな心で劇場を後に出来た理由は正直良く分からない。

    けれど、悲劇を悲劇として終わらせない何かが、皇帝ケチャップさんの演劇にはある。

    その何かが何なのかは全然分からないけれど、こうした気持ちで劇場を後に出来るのは、
    少なくとも今のところは皇帝ケチャップさんの演劇だけである。

    惜しむらくは台本が売り切れていたことと、私の席は3列目とは言え視界良好とは言い難く、結構、重要なシーンをいくつか
    見損ねてしまったこと。
    倒れこむ系のシーンはほぼ全滅で、浩と妙が最後、その手を重ねることが出来たのか、何と見ていないのです。
    雰囲気的には、手が届かなかったように見えたけれど…やっぱ、届かなかったのかな。
    あのシーンもやっつけられたなぁ。

    今回出演された役者様は、私はみなさん初めましての方だったのだけれど、皆様が演じられたどのキャラも
    非常に魅力的でした。
    実は私はまさにたった今、当日パンフレットにようやく目を通し、登場人物の設定を知りました。
    あらまー。せめて感想書く前に読めばよかった。

    皆様の演技、素晴らしかったので、それを書くだけでこの3倍くらいは書けてしまうけれど、敢えてピックアップ
    させて頂くのであれば、私が好きだったのは里見・・・というか正則と呼ぶべきか。正則と薫。
    この二人のシーンはどれも好きだった。
    二人の最後の抱擁…素晴らしかった。
    演じられた佐々木仁さんと加々見千懐さんがまた素敵なんですよね。
    私は、お二人の演技も声もとても好きで、魅入っておりました。

    そして主演の今出舞さん。
    演技も雰囲気も素晴らしかったけれど、何といっても、そのセリフの淀みのなさに驚き、感動しました。
    あんなに流れるように、まさに淀みなく、きれいに言葉を紡ぐ方を拝見したことがない気がする。
    本当に素晴らしかったです。

    とにかく素晴らしい時間でした。

    役者の皆様、劇団の皆様。
    素敵な舞台を本当にありがとうございました!

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