公演情報
「人間と、人間と似たものと。」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
座席1階D列8番
価格4,000円
テーマが深く、重たく考えさせられるストーリーだけど、演出全体のオリジナリティによって観やすくなったように思う。音楽と群舞のシーンは素晴らしい。憩居かなみさんの演技が光っていた。
満足度★
鑑賞日2019/11/06 (水) 19:00
座席A列6番
価格3,420円
感想は書くまいと思っていたが、一言だけ。
初日を拝見したが、話にならないと思った。理由を以下に示す。
①ウイグル自治区の問題
「そもそもウイグル自治区って遠い出来事だ」という客観的な視点があるはずで、それをいかに身近な題材にするかを工夫すべきなのに、ド直球で演じようとするので、感情だけ先走って周りが見えてないと思った。Twitterでは「重たいテーマだった」という感想がやたら目についたが、重たいかどうかなんてはっきり言ってどうでも良いと思う。それがそこにいかに身近な問題として感じられて、「私たちの問題」として実感できるかどうかに掛かっているのだと思う。
「重たいテーマだった」という発言の裏にはそういう言葉は決して出ないと思う。決して他人事ではない、私の日常にも潜んでいるし、共感して観られるはずだと私は思う。
にもかかわらずラスト終盤で永田さんが「確かに伝わらないかもしれない。でも目を背けたくないんです!」とピュアなことを言い出すものだから、おいおい手法を選ばなくてはと思ってしまった。とある知人が「東京ハンバーグはEXILE芝居だ」と聞いたことがある。私はそれを観たことが無かったが、今回初めて拝見してEXILEと言われても仕方無いと思った。確かに泣かすテクとか台詞の技術は上手いかもしれないが、そこに流れる思想や作者の世界観が感じられず、共感して観られるものでは無かった。
他にも寓話劇とは言え、言語の壁や204?年という比較的近い設定であるにもかかわらず、なぜ極端なSF的な世界観を敷いたのか、どうしてこうなってしまったのか、そもそも人間のクローン技術って近い未來なのかどうかさえ、作者の世界観が見出だせなかった。
……とまぁ色々言ってきたが、今なおウイグル自治区が平然と弾圧を行われてきたことに震撼するし、よくぞ書いたと思う。中国の話題になると「でも一見成長著しいけど、ウイグルのこともあるしね」とフツーに思ってしまうわけだから。タブー視されるのが不思議でならないし、憤りを感じてしまう。
そろそろ近所の中華料理屋で話題にしてはどうか?「中国って卓球強いですよね~、ホントに…ところでちょっと芝居観てきたんですけど、ウイグル自治区って知ってますか?」と。そこから話題が生まれ、何かが変わる。非常に小さいことだけど、まずはそこから。演劇の役割はそれしか無いのだと思う。
いっそ横浜中華巡りとか始めませんか?
満足度★★★★
終ってみれば深く浸みてくる迫力ある舞台。ここ何年かの間に観たこの劇団の作品としては、日常ベースのドラマとは一線を画する象徴性・フィクション性の高い舞台で、色合いは違うが同じ座高円寺で上演された「KUDAN」(再演)が断片的に蘇ってきた。(KUDANでは人間と牛が交配して生まれた娘がその出生を由来として神秘的存在となるが、この作品でもある交配によって生まれた娘が聖性を帯びた存在となる。)
総勢二十余名が色だけ白で統一した衣裳をまとい、円舞やムーブをしたり、記者会見での記者団や街中の通行人となったりの変幻自在も効果を上げていた。芝居の前半は演じる者だけ登場するが、後半になると全員が平舞台を四角く取り囲んだ椅子にコロス的に座り、場面が終ると椅子に帰って行く形式になる。緊迫感がじわりと増す。
視覚的効果で言えば、広い空間の左右奥には座・高円寺の天井にまで届く透明な円筒が立ち、筒の中には赤系色の不ぞろいの風船が紐で繋がって照明に浮かんでいる。カエルの卵のようなそれはゲノムかニューロンか、生命の神秘を象徴して大きな効果を発揮。
生命とは何か、人間とは何か・・このテーマを巡り作者はユニークで壮大なフィクションを立ち上げた。最後には拳銃まで登場し活劇要素もあるがその扱いは人物に即して必然性がある。人物関係図は入り組んでおり完全に理解したように思えないが(矛盾も幾許かありそうだが)、思考が彷徨した末に到達した場所は、思えば遠くへ来たもんだと思えた。架空の設定(人類が間もなく途絶える)が最後には解決し、大団円が描かれるが、戯曲的にはマッチポンプである顛末が、何故かそぐわしく感動的である。