雨と猫といくつかの嘘 公演情報 雨と猫といくつかの嘘」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-10件 / 10件中
  • ベストテンには入れられなかったけど。
    次点として。(たくさんあるけど)
    http://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2009/01/post-f59f.html#more

  • 満足度★★★★★

    家族の風景
    吉田小夏の作る世界の核はやはり家族なのだと思う。
    今回はちょっとだけ欠落した家族の風景を見事に演出。

    以下はねたばれBOXにて。

    ネタバレBOX


    水野風太郎、60才、独身。一人暮らし。
    彼の小さい頃の家族の描写を織り交ぜながら、風太郎と母との関係。母とは結婚していない父との関係。
    風太郎が大人になってからの妻との関係、子供達との関係を自然に見事に演出していました。

    舞台上は60歳の風太郎と、子供達が小さい頃の風太郎、そして幼少の頃の風太郎の時代を交差させ、それぞれの風太郎の誕生日を軸に家族の会話が繰り広げられる。その合間に入る猫のつぶやきが絶妙なのだ。

    その風景はどれも幸せだけれど、60歳の風太郎の誕生日は今までと違う哀愁が漂う。歳を重ねるということ。人はいつか自分を振り返り過ごした時間に時代と言う言葉を冠するときがくる・・。
    めくるめく時代も、やがて、そのすべてをついえてゆくのだ。

    風太郎の母は、母なりに父を愛し、風太郎は懸命に家族を愛し、風太郎の長男は世間に怯えながらも一人の男を愛す。

    風太郎の穏やかな話し方がいい。そこだけ陽だまりが注いでいる感覚。
    こういう舞台を観ていると、ワタクシも髪をなでられているような心地いい感触になる。まるで、小さな熱が撫でられている場所に広がっていくようだ。

    そんな優しい舞台を観てワタクシの胸は温かい甘水に満たされて帰路についたのでした。

    吉田小夏、素晴らしいです。

  • 満足度★★★★

    とても上品な印象
    気になっていたのだが、ちょっと遠いな、と思いつつも、ここでの評を読んでもっと気になり、とにかく行った。
    そして、観てしみじみよかったと思った。

    観ながら、自分の数十年後や両親のことなどを思った。

    雨に生まれ去る者の話を実に上品に演じていた。
    短いのに豊かな時間だった。

    ネタバレBOX

    舞台は非常に良かったのだが、この日はアフタートークがあった。
    その内容が、なんだか、いわゆるガールズトークの雰囲気であり、ちょっと辛かった。もちろんほとんどの観客は興味深く聞いていたのだが、個人的には、舞台の余韻のまま、すぐ帰るべきだったと反省したのだった。
  • 観ました
    なんでもないような一瞬に心鷲掴みにされる、演劇らしい良い作品。

  • 満足度★★★★

    100万回生きて…
    「100万回生きたねこ」を使って、切なく上手に描き出されている。
    絵本の「100万回…」を好きな人が観ても、失望しないと思います。是非観てください。

    ネタバレBOX

    まとめ切れないので思いつくまま

    未練があるからまた生まれ変わる。
    泣いていいのは、3つだけ。

    風太郎を中心に

    生まれ変わらなかったのは、母親だけ。願いがかなって、風太郎が生まれる。
    ねこの生まれ変わりの弟は、風太郎の妻と似ている人と出会えるが添い遂げられず、別の人と結婚。
    本妻と父親は、娘と父親、そして娘とその結婚相手として、3たび出会うが、その相手は涙をみせない。

    素晴らしいお芝居をありがとうございました。
  • 満足度★★★★★

    バランスが絶妙で演劇らしい作品。
    前作とは一転、シンプルなセットで様々な演劇的手法を取り入れた多彩な表現に泣き笑いの匙加減が見事な話が紡がれてて満足度高し。73分。

    ネタバレBOX

    還暦を迎えた"風太郎"の色々な時代の誕生日を描いている。決して順風満帆で幸せじゃないどころか、かなり波瀾万丈の家族模様を描いているのにしんみりとした後味の良さだけが残る。

    "たま"のシーンのリプレイがかなり効いてて秀逸。自分達が勝手に思っていること、やってること、そしてそれを他の目から見た真実。それらがギャップあっても成立している現実のありようは何か考えさせられるようで。

    六人の役者陣の巧みな役柄や年齢の変化は無駄に舞台に人を上げる芝居よりもよっぽど個々のキャラが際だち、味を出している。

    個人的には"鉄平"の結婚式ってどんなのだったのかがすごく気になるところである。





    自分も最後に誰かにちゃんと泣いてもらえるような幸せな人生を送りたいなぁ、なんてしみじみと思った。良作。
  • 満足度★★★★★

    忙しい年末にじっくりと。
    ほっこり温かく、つややかなお芝居。良質、と言う言葉はこういう作品のためにあるんだろうと思っちゃう。あっさりとしながらもずっしり響く。

    ネタバレBOX

    還暦を迎えた男の誕生日。雨の季節の誕生日。いくつになっても誕生日って無条件に自分も周りも幸せにしてくれる魔法の日なんだな。

    子供のころの誕生日、親の顔が暗くても望みどおりのプレゼントじゃなくても幸せ。娘が生まれ、息子の命も宿っていて家族が揃ってるだけで幸せ。

    そして還暦。一人ぼっちで迎えてもやっぱり気にかけてくれてる家族はいるんだなって。ぎこちなくてもその思いだけで幸せ。

    雨の日にもう一回観たいな。
  • 満足度★★★★★

    大人の絵本?
    なぜか客席は年配の人が圧倒的に多かった。その舞台から伝わってくるものが、ちょうど観ているお客と共鳴するような内容だと、見終わって気が付いた。こういう舞台もいいなあ。夫婦で観にいくのがいいかもしれない。きっと帰りの道中は手を取り合ってお互いの存在を、ありがたみを、出会いを、人生を再確認できるはずだ。

    ネタバレBOX

    「これは日常なのか、舞台なのか」。観ていてそう感じた。どこにでもある、しかし避けては通れない現実を垣間見せた脚本、でも悲壮感はなく、なかなか見事だ。劇中のカップラーメン、お茶は湯気が出るし、おかきもほんのりと客席までおいしそうな匂いが届いた。本物を使った演技の舞台って、初めてみた。今回の舞台セットは畳み6畳だけのシンプルさ。その見せ方が素晴らしいと思った。
  • 雨の初日
    少人数で
    演劇要素強めの今回

    ファンタジー要素な
    昭和なかんじ

    しっとりと
    そして
    強く

    福寿さんが
    印象的

  • 満足度★★★★

    昨日が雨でよかった
    内容に則して天気は雨でしたが、雰囲気にマッチしてよかったです。

    決して強くない照明が全体をほわっと包んで、その中で紡がれる言葉の一つ一つが雨の雫のよう。
    なんでもない日常会話の一言一句を大切にしていて、動作の隅々まで気を使っている。
    なのにとても自然。
    ファンタジーに寄り添うリアル芝居。

    ネタバレBOX

    「いくつかの嘘」が指すものはなんだったのでしょう?

このページのQRコードです。

拡大