男たちの中で 公演情報 男たちの中で」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日19:00

    座席1階A列13番

    「戦争戯曲3部作」を、座・高円寺で観て、ボイドの他の作品も観たいなあ、と思っていたものの、なかなか上演がない。そして、今回の「男たちの中で」。すぐに飛びつきました。佐藤信、座・高円寺の英断に感謝。かなり、骨っぽい舞台でした。
     
     エドワード・ボンドを「劇作家」ではあnなく「劇詩人」と呼ぶのは、言いえて妙。朗々とした長セリフは、役者の力量の見せ場で、まさに古典劇と言えるような構成。何といっても、役者個々の技量が高いので、3時間を超える舞台も飽きさせることなく、観客をぐいぐいと引っ張っていく。確かに、話にもどかしいところも多く感じるし、登場人物の性格描写も一筋縄でいかないので、あれ?何で?と思うことも多い。ただし、話がわかりづらいとか
     、複雑だとか言うことはなかったなあ。

    主人公レナードに関しては、取締役会への参加を強く義父に求めると、義父の殺人を思いつき、それに失敗すると、財産の相続権を放棄したと思ったら、ハロルドの手の上で踊らされているように見せたり、義父に裏工作を告発したり、結局、、、、と、まさに精神分裂症かと思わせるハチャメチャぶり。
     しかし、その行動も、無料配布されたパンフレットでの解題で、ストーンと腑に落ちた。そうか、シェークスピアのシークエンスなんだ。レナードをハムレットと解釈すると、なんの違和感もなくなった。(こうした解説を載せたパンフを無料で、かつ安いチケット代で配ってくれるのはとてもありがたい。)
     
     千葉哲也の不気味さと、植本純米と下総源太朗の壊れっぷりは見もの。松田慎也も悪くないのだけれど、中盤の超長独白はちょっと間が持てなかった。
     全体としては、ストレートなほどのストレートプレイ。堪能させていただきました。

    ネタバレBOX

    ラスト、首を吊って死んだはずのレナードが、ハロルドを銃で撃つ場面。これはどう解釈すればよいの?お前の思い通りにはいかないという執念のなせる業か。
  • 満足度★★★★

    10月は一月に、二度、本年屈指の舞台に出会うことになった。それも合わせ鏡のように、一つは個人、今一つは社会から現代を見据えた翻訳劇、老若の優れた演劇人の仕事である。ともに、長時間が納得の舞台だ。
    「終夜」が、個人や家庭、夫婦(基礎集団)から世界を描いているのに比べ、「男たちの中で」は社会で生きる人間関係(機能集団)から現代を描いている。印象を三つ。

    テキストが強靭である。このテキストも八〇年代に書かれ、ウイキペディアによるとイギリスではなくパリで初演した作品のようだ。
    登場人物は六人、それぞれの役割が、シェイクスピアを下敷きにしたというが、非常にうまく書かれている。大企業が世代交代の時期を迎えている。創業の当主(龍昇)はなかなか席を明け渡そうとしない。主人公は養子のレナード(松田慎也)、つまりは現代のハムレットである。取締役会への参加を強く義父に求めるが拒否されると、義父の殺人を思いつき、それに失敗すると、乗っ取り相手のハロルド(植本純米)と手を組もうとする。こちらにも資金繰りに困っているという弱みがある。そういう状況を冷静に見ているライバル社(千葉哲也)もいるし、当主の身近で手ぐすね引いている秘書(真那子敬二)や脛に傷を持つ下僕(下総源太郎)もいる。
    登場人物たちは、いずれも個性的で人間味にもあふれているが、現代社会の走狗でもある。その中で、親子や主従をめぐる人間模様は下世話で面白い。この作品が書かれたのは、世間で「金融工学」というコンピュータ頼みの新しい金儲け戦略が表面化し始めて時期だ。手も早いし、よくポイントを掴んでいる。書かれてから四十年もたっているのに(テキストレジしてはいるだろうが)古びていない。
    日本でも社会構造の中の人間を描く若い作家が増えてはいるが、この作品のパワーには及ばない。世界にはすごい作家がいるものだ。
    第二は、演出の佐藤信。六十年代末から現代劇のリーダーの一人であった。作者のボンドは、演劇の検閲をめぐって官憲と対立した過去がある由だが、六十年代演劇は唐も、寺山も、佐藤信の黒テントも既成の権威(官憲)と対立した。その後、佐藤信は公共劇場の芸術監督を務めたり、小さな神楽坂の小屋にこもったり、演劇活動の場を広げた。いまは座高円寺。ここのところ新作がなく、焦点を見失ったかと恐れていたが、それは客の杞憂だったのだ。
    もともと芝居作りに凝る人で、黒テントでも三軒茶屋でも神楽坂でも、いいなぁと見た芝居はある(一方で大外れもあった)のだが、今回は直球一本、見事なテキストレジ、巧みなステージングで休憩10分を挟んで3時間20分を押しまくる。佐藤信、若い上村聡史に負けていない。ボンドのこの戯曲の発掘と合わせて、中年に及んで自信もついてきた小劇場の癖玉を使いこなして、老いを感じさせない仕事だった。
    第三は役者。これだけ癖玉がそろった舞台も珍しい。登場人物が全員男性だからメールキャストは当然でもあるが、それぞれ柄が立つ上に芝居もうまい。彼らが役者の個性をむき出しにして激突する。ごちゃごちゃした経済の話なのに格闘技のような一種の爽快感がある。全員男だから容赦なく面白い。特筆は植本純米だろう。花組芝居の次の立女形と期待されていた役者だが、そんな柄を吹き飛ばす快演である。
    芝居の筋は大会社の経営者交代だが、そこへ。現代社会の人間の赤裸々な姿を陰陽取り混ぜ織り込んで見事なドラマであった。ちょっと・・と思える点は本の展開では大詰めのドタバタ殺人事件、癖玉の中では龍昇にセリフの幅のなさ、松田慎也に若々しい大胆さが欲しかった。

  • 満足度★★★★

    翻訳劇の難しさなのか?端折りすぎなのか、わからないトコロが多くついて行けない。にも関わらず観終わった後に、なにか不思議と充実感のある観劇体験。なんだろう?私はこの舞台を理解していないのに面白いと感じたのか?

  • 満足度★★★

    翻訳劇だからなのか、原作からカットがあるからなのか、わからないが、どうにもわかりにくく飛躍してしまう印象があり、登場人物たちのキャラの変化もしっくりこず、ちょっと混乱させられた。3時間かかる台本だが、散漫で今ひとつ盛り上がらない。せっかく渋い俳優たちが揃っているのに、もったいない気がする。舞台も広すぎたと思う。

この公演に関するtwitter

初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)

  1. 舞台「男たちの中で」(座高円寺)観劇。何回も自己暗転してしまった。セリフが全く頭に入ってこない、、、。あの膨大なセリフ(一人語り多い、、、)をインプットしたキャストに脱帽。

    4年以上前

  2. 舞台”男たちの中で”昨日千秋楽を迎えました。ご高覧賜りました皆様には厚くお礼を申し上げます。賛否ある衣装ではございましたが笑、演出家佐藤信さんはじめ、6名の出演者様、関係各所スタッフの皆様の深いご理解の上無事に公演期間を終えること… https://t.co/0mN82jIAyP

    4年以上前

  3. 本日は、座・高円寺にてエドワード・ボンド「男たちの中で」を見てきました。 今月はコンサートも観劇もこれでおしまいかな、 https://t.co/UIAs8oVciu

    4年以上前

  4. 早いもので舞台”男たちの中で”本日千秋楽となりました。是非お運びください。 https://t.co/A6xW0mO3Ez #男たちの中で #座高円寺 #inthecompanyofmen #エドワードボンド #edwardbond #佐藤信 #植本純米 #下総源太朗

    4年以上前

  5. 本日千秋楽の座・高円寺「男たちの中で」。なかなかハードな3時間越えの会話劇。舞台のしつらえがメッチャ好み。ラストの展開と全員の白パンの意味をずっと考えている。。

    4年以上前

  6. 座・高円寺「男たちの中で」。役者も舞台美術も素晴らしかったけれど、んーーー。。演出?

    4年以上前

  7. 今週は、ニコラス・ビヨン「隣の家」「屠殺人ブッチャー」テネシー・ウィリアムズ「叫び」エドワード・ボンド「男たちの中で」ラーシュ・ノレーン「終夜」と翻訳物尽し。どれも濃厚な会話劇だったので流石に脳みそ疲れた🤣作者の出身地もバラバラなのでなかなか充実していると思う

    4年以上前

  8. 舞台『男たちの中で』観劇 あまりに会話劇だけど、比喩表現や一人で喋り続けるシーンも多い。約30年前のイギリスで、その演劇スタイルがどんな存在だったのか気になる 既存戯曲は、発表時の世の中を知ると理解がすすむのは当然だけど、発表… https://t.co/Dx3he24xz6

    4年以上前

  9. 昨日は文学座『一銭陶貨』、今日は座高円寺『男たちの中で』。どちらも見応えありまくりの3時間越え。2日続けて良いお芝居を観せていただきました。タイプは真逆といってもいいかもしれないけれど、どちらも骨太な作品で人間の哀しさ可笑しさがしっかりと描かれていました。

    4年以上前

  10. 舞台『男たちの中で~In the Company of Men~』@座・高円寺 会社をハムレットに見立てると(←当日パンフにもある)、演劇としての戯曲の紐解き方がおもしろい。権力と人情が絡み合い、人生の向こうに社会が立ちはだかる… https://t.co/EQXHmUhBcW

    4年以上前

  11. 舞台『男たちの中で』 1980年のイギリス戯曲。この劇作家の作品によって「イギリス演劇界の検閲制度が廃止に至る」こともあったらしく、批判性が強い作品なんだけど…… 作品の年代も国も違うから、当時パンフレットの解説がとってもありが… https://t.co/uqVw7fZlo6

    4年以上前

  12. 舞台『男たちの中で』 上演時間確認してなかったら3時間越えだった衝撃。夜も下北沢で観劇だ……でも楽しみ。 https://t.co/oioTMsFrPw

    4年以上前

  13. 月曜日に座・高円寺でエドワード・ボンド『男たちの中で』を観てきました。 非常に慎重なステータス・チェンジが視線を掴んで離さない。そして、ボンドの重く響く言葉たちは鼓膜に貼り付いて剥がれない。 劇前半は、物(契約書、椅子、銃、グラス)が重心となって登場人物たちを動かしていく。

    4年以上前

  14. はじめての座・高円寺。 「男たちの中で」6人の言葉のぶつかり合い。皆さん渋い!!レナード役の松田さん、気弱だったり強気になったり心情の細かな変化がとっても繊細でぐいぐい引き込まれていった。 ボロ布グルグルと最後のシーンにキュンとし… https://t.co/dAuyxwmEQ9

    4年以上前

  15. 座・高円寺『男たちの中で』上演時間3時間10分だったー!(2時間10分と間違えていた)

    4年以上前

  16. 座・高円寺『男たちの中で』は、上演時間約3時間10分ということでよろしいのか?! おけぴもそう書いとるしなぁ…。

    4年以上前

  17. 座・高円寺「男たちの中で」、膨大な台詞、男たち6人の事が全く理解不能だけど、シェイクスピア劇を聴いているように引き込まれる。じわじわ物語の持つ力、役者さんたちの力がやって来てる。深い!これは再演希望!

    4年以上前

  18. さん演出、作、 の舞台「男たちの中で」を、 にて観劇。男六人の絡み合う思惑。飛び交う言葉に、ヒリヒリと脳みそが痺れる刺激的な3時間でした。 https://t.co/pRtmKhY7Pj #佐藤信 #エドワード・ボンド #座・高円寺 #tuperatupera #ツペラツペラ

    4年以上前

  19. 座・高円寺『男たちの中で』、燐光郡『なにもおきない』観ました。3時間観る→ダッシュで移動→2時間観るのムーヴはきつい。『男たち~』はかなり磐石な態勢で望んでいたがもっと観客の間口を広く意識した演出をしてほしかった、日本初演だからね。『なにも~』は問題意識の提示の仕方が面白かった。

    4年以上前

  20. 座・高円寺『男たちの中で』。 悲しくて悲しくて辛すぎて、呆然としていたら、劇場の先輩が新米をくださった。お米食べて、頑張ります。 https://t.co/Z3xEgC0jHf

    4年以上前

  21. 舞台”男たちの中で”明日初日となりました。衣裳のスタイリングをさせて頂きました。公演前半日程はチケット代がお得です。是非お運びください。 https://t.co/HlcGsdncar https://t.co/e7M5lgbcoS #座高円寺 #男たちの中で

    4年以上前

  22. 🌍️本日放送🌎️ 舞台『男たちの中で』の話は勿論、「千葉哲也はハゲなのに何故モテるのか」「松田慎也は身長188㎝、靴30㎝もあるのに何故役者なんかやってるのか」等々いろんな話題が飛び出します。 FM世田谷「劇ナビ!!」 10/… https://t.co/oMyPfkl5xH

    4年以上前

  23. 秋から冬の 座・高円寺 「男たちの中で」 https://t.co/eUV0vzq416 どこに向かって、走っているのか、 何を求めて、戦っているのか 大丈夫、自分は、うまくやっている。 でも、なぜ、そう言い切れるのか。… https://t.co/ggOpOK8woU

    4年以上前

このページのQRコードです。

拡大