満足度★★★
鑑賞日2019/08/16 (金) 19:00
アンケートしっかり書いたのだけれど、古川健のシナリオについてばかり書いてしまった。本来、無料公演である理由は、準劇団員の皆様の芝居を観て評してもらうことが目的なので、後で大変失礼したと思った次第。そこで改めて。
Aチームを観劇。
こうした若手の皆さんを観る際、どうしても問題になるのが、年配役。祖父母を演じる2人は、かなり難しかっただろうと思う。通しで祖父を演じる石井喜光、祖母役を2舞台演じる男澤理紗。男澤理紗は、無理のない演技。一方、孫を溺愛するお婆さんというのは、可愛さを出せるので若さが邪魔になるとも言えないのだけれど、苦悩するお爺さんというのは、どうしても年輪を感じさせるという意味でかなり難しい役どころだと思う。その意味で石井喜光はよく演じ切っていったと思う。観たのが初日だったけれど、あそこまでこなせていたので、最終日にはどれだけ化けていたのだろう、気になるなあ。
矢田海渡の演技は鉄板。ただ絶対に完璧にできたはずなので、初日とはいえ演じきって欲しかったな。噛むような素質じゃないでしょうに。
板垣果那はプロフィールの印象とは打って変わった重みのある演技。
鈴木健太郎は、もっともっと幅が見せられると思うんだけれどなあ。役に落ち着きすぎて、ちょっと物足りない。
この舞台で一番損な役回りは、父親役。母親と祖母の確執のような見せ場もなく、祖父の苦悩もなく、少年のような心情の変化もなく、医師のような話を転がす楽しみもない。
そんな中で、父役の小池敏之が一瞬で魅せたのは、ストップモーションになった時の表情。笑っているのか、困っているのか、苦しんでいるのか判らない、ただただ観客を戸惑わせるような表情。あの口元はどうやって作った???鏡見て考えたのだろうなあ。凄みを感じさせたと言っては言いすぎかな。
最後に、お爺さんのズボンの裾、きちっと合わせようよ。金持ちの家で、折り返しはないよ。
古川健の脚本としてはかなり物足りない。タイトルと内容のシンクロがベタだし、落としどころも平板。ラストはそうなるよなあ、という感想。
満足度★★★★
Bキャストを観劇しました。14歳の少年が父母と祖母を殺害するという重い内容で、深く考えさせられました。準劇団員の役者さん達の舞台でしたが、皆、台詞も聴き取りやすく、それぞれの登場人物を好演していました。役者さん達の熱演に加え観応えがあり、観劇後も、ずしんと心に残る舞台でした。