毛頭ーMOUTOU- 公演情報 毛頭ーMOUTOU-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 11月29日(土)S
    前作よりダークテイスト30%増。

  • 満足度★★★★★

    次回も期待!
    角角ストロガのフさんは第1回公演も見て、すっかりお気に入り。
    次回第2回公演で王子小劇場も決まっているし、箸休め的な力の抜けた公演かと思っていたけど、本気の公演でした。

    会場は小さいし広いところではないけど、客席が全てちょうど良いくらいに段になっているし、見やすいです。
    で、舞台セットは今回も凝った作りで、舞台の上手が洋室のリグング風、半分に切って下手側が畳の和室に書道セット一式。
    奥にもキッチンらしきものがみられ、このしっかりしたセットを見ただけで力の入り具合が分かりました。
    と言うか、手を抜けないのでしょうね。

    今回は前回のオムニバス的な作りから少し変えて、同時多発的に時間も空間も捻じ曲げて話が展開するけど、全てあるひとつの帰着点に向けて明確に動いているため、中心がブレることなく良くできた脚本でした。
    またひとつ脚本のレベルを上げた感じです。
    でも、褒めるばかりだとアレなので。もう少し同時多発の会話ひとつひとつを長く続けさせたり、丁寧に扱っても良いような。。。
    あれだけ早いスピードでポンポンと密度濃く見せられると疲れてしまうのでした。
    90分の舞台だったけど、中身は120分の舞台くらいは詰まっていました。

    また、もはや角角の特色と言っても良い、食べ物にまつわる話もしっかり展開されていて、食べ物に異常な存在感と生命感を感じるのでした。

    ネタバレBOX

    異常な世界観を描くのは前作と同じ。
    下手側は「自分は最低の人間です!」と語り「死にたい!」と叫ぶ書道家らしき人、上手側は筆でラブレターを書く夢見がちな女性がいて、同時進行で物語が始まります。
    その中間に、どちらの世界でも共有されている流し台には「兄」と呼ばれる、知恵遅れの男性が壁から胸上をだしてニコニコ舞台上の出来事を見つめています。
    この書道家の家には見るからに不思議な「母(ただし元父)」や頼まれてもいないのに無言でチャーハンを置いてゆく料理屋の配達等が出入りしています。

    そのうち、物語は書道家がなぜ最低の人間なのかを、少年時代から振り返る形で進んでいきます。
    ここからが、時間も空間も行ったり来たりで忙しい展開になってゆきます。
    それぞれ濃いキャラたちが、思い思いの悩みを抱えつつ、人と何らかの関係を築いてゆきます。

    そんな中、少年だった書道家は近くの料理店の「肉」に異様に魅了されてゆきます。これは親友も同じで、それ以外の肉を食べると「腐っているような」感じがして受け付けなくなってしまいます。
    これは原材料は人間の肉なのでした・・・。

    少年には知恵遅れの兄がいて、暴力的な父は兄を溺愛します。
    兄の母親は事故で死んで、その弟である少年の母(後妻)は男を作って蒸発したのでした。その恨みを息子である少年が受けていました。

    少年は心のどこかで知恵遅れである兄を見下していたが、ある日兄が見つけた書道コンクールにふたり揃って応募したところ、兄だけ入選しました。
    これが、少年の心をひどく傷つけました。

    ある日、料理店の主人に付き添って、料理の原材料のために人間を調達に来たところ、暗くてよく分からないまま襲ったのが、その知恵遅れの兄だった!
    そして、少年はその兄の肉を口に入れるのだった・・・。

    動揺して、兄が失踪した原因を自分が父親だからだと思いこんだ父親は、オカマのような格好で「自分は母親だ」と思い込んでしまう。
    そして、少年は自分が自分であることに嫌気がさしていた。
    少年は自分でなくなる事を選び、整形手術をして、その他様々な細工をする事で今の書道家になるのだが、その演出がおかしくておかしくて!
    まるで少年だった風貌が、奥に引っ込んで出てきたらヒゲ面の強面になっていて爆笑!

    その後、書道家のところにある女性がやってくるが、彼女は蒸発した母親の娘なのだった。
    書道家は彼女に恋をして、「死にたい」とばかりつぶやいていたのが、次第に活き活きした目になっていく。
    対する女性も書道家に恋をしたのだが、同じく書道家に恋をして振られていた彼女の友人からおまじないを教えてもらう。

    そのおまじないは恋する相手と両思いになるおまじないだ、と言い聞かされておまじないをはじめる無邪気な女性。
    しかし、それは呪いのまじないだった・・・。


    とにかくブラックで怖い話なんだけど、全体的な演出がライトでポップでスピーディーなので、気持ち悪いまま笑ったりできます。

    自分は角角ストロガのフが好みにぴったり合うみたい。

    今回これだけの公演を見せてくれたのだから、次の王子はもっと期待です!
  • 満足度★★★

    左右のシンクロなの?
    怖い眼力な役者そろいでもホラーになりきれてなく、って違うのかなぁ。上枝さんと辻沢さんに星です。

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