公演情報
「楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
Bチームを観劇。
1977年の初演以来数え切れないほど上演され続けてきた有名な戯曲……とのこと(今このコメントを書くために少し調べました)。
演劇鑑賞歴の短い私はこの名作戯曲の内容も知らず、ほぼ予備知識なしの状態で劇場に足を運びました。
出演者は4名の女優。皆女優としての立ち位置は違うけれど、この職業に就き、この職業に囚われた者としての深い苦悩は、ほぼ同等の重さを伴って胸に迫ってきました。
楽屋の席に座り化粧をしながら鏡に向かって今の思いを吐露する女優の表情を鏡の裏側から見つめる私たち観客。この難しいシチュエーションを演じきる女優ABCたちに感服です。
鏡台で化粧する場面はなかったものの、精神を患っていると思しき生者と、諦めの境地にいる先輩死者たちを鼓舞し、「三人姉妹」上演(誰にも観られることはないが)に導く新参者の死者とを演じ切った女優Dも素晴らしかったです。
ここぞの場面で流れる音楽と影の強調された照明の美しさも印象に残りました。
満足度★★★★
紀伊國屋ホールの楽屋ならこんな感じかしら(あくまでも私の妄想です)と思われるようなクラシックな楽屋での出来事。ここなら幽霊も居心地いいのかも。これが今風の楽屋(実はよく知らない)ならどうなんでしょう。
いくつかの「楽屋」を体験していますが、女優Dの狂気というよりいじらしい感じが新鮮でした。
「楽屋」を初めて見たのはテレビのプレミアムステージかなんかでしたが、全然知らないで見たため終盤になってやっと「ああ!彼女たちは幽霊だったのか」と気づく始末。最近でも幽霊モノにはよく騙されます。
満足度★★★★★
初日観劇。
「楽屋」は数多く上演され、自分も何度となく観ているが、本公演は丁寧で分かり易いという印象だ。女優という業に魅入られ身も心も苛まれるが、それでも女優であり続けたい執念、そんな世界観がしっかり描かれている。この有名な戯曲「楽屋」をどう観(魅)せるか、演出力が問われるが…。
その演出であるが、まず「楽屋」は、いくつもの2項対比をしていることから、それを意識した舞台セットの作りは見事。上手・下手側は死者と生者、鏡台の内側と外側(客席寄り)はまさしく楽屋と表舞台を表している。また女優の懊悩・心情を表すため、照明はモノクロ諧調による陰影付けという巧みさ。そして何といっても役者の動線を意識した演出は素晴らしい。
演技は、力のあるモノローグ、その意味で女優が”女優”になりきっており「楽屋」の世界観を堪能させてくれる。そして舞台と客席の間には楽屋の鏡があることをイメージさせ、鏡の中の自分に語りかける、同時に楽屋での回想・稽古風景を挿入する。もちろん鏡に向かうことは、常に客席側を向き演技し続けることになり、鏡という媒介を通して自分と観客という内外を意識すること。まさしく女優の存在そのものを表現している。初日のためであろうか演技が少し硬いように思えたが卑小なこと。
(上演時間1時間25分)【Aチ-ム】 後日追記