◎池の下 劇団員募集◎
かつて演劇がここまで求められるときが果たしてあっただろうか? いまや、世界は巨大な価値観が崩壊し、人間は約束された楽園から追放され、かつてない孤独なときを迎えている。あるべき未来は見えず、共同体は幻想と化し、ばらばらな人間たちによる孤独な戦いを強いられている。演劇は人間の謎に迫るものである。分かりえない人間をなんとかして分かろうとする作業である。人間の謎を追求するものは演劇だけではなく、文学もまたその役割を担っているが、演劇の特質は、謎に迫る作業を一人の人間ではなく、答えを求める人間たちの集団によって行なうところにある。集団のちからで人間の謎に迫る。それが演劇であり、それが劇団という共同体である。 池の下は人間のゆたかさを求めて、演劇をはじめた。人間の身体のゆたかさ、感性のゆたかさ、そして人間がはらむ謎のゆたかさ。いま、池の下が求めることは、あらためて演劇の原点に立ち戻り、人間をよりシンプルなかたちをもって人々にみせていくことである。身体と空間と観客による純粋演劇のなかで、人間の本質に近づいていくこと。そして演劇という固定観念をどこまでも打ち破っていくこと。そこにこそ演劇の真の実験性があるのではないか。そして、そこにこそ演劇を通した人間のゆたかさが立ち現れるのではないか。
池の下は、いまゼロから新たに生まれ変わろうといています。演劇の可能性を信じ、いま演劇で何ができるかということを一緒に探していくメンバーを求めます。
【応募方法】
履歴書(全身写真と顔写真を添付)と「わたしについて」の題で作文(800字以上)を下記まで郵送。追って面接日を知らせます。
〒132-0034 東京都江戸川区小松川1-5-10-3103 池の下
◆問合せ先 池の下 ikenoshita@ac.auone-net.jp
◇劇団ホームページ http://www.ikenoshita.com
●池の下について
1996年 演出家 長野和文を中心に、演劇と舞踏の融合する新たな地平をめざし結成。
99年から寺山修司全作品上演計画を展開。愛知県芸術劇場「青森県のせむし男」、東京グローブ座 春のフェスティバル「青ひげ公の城」など17作品を上演。利賀演出家コンクール2006で、寺山の初期代表作「犬神」を上演、優秀演出家賞を受賞。2007年夏、寺山の人形劇台本「狂人教育」を独自の身体表現で創作し、3カ国6都市連続公演(密陽演劇祭)(ソウル)(大阪)(名古屋)(東京)(上海 国際小劇場演劇祭)を敢行しました。
2008年よりMISHIMA PROJECTを始動。三島由紀夫作品の連続上演もスタートさせました。2009年、上海のアジア太平洋地域演劇祭で「HANJO」を上演。
2011年3月、劇団活動を一時停止。2012年より、新たなメンバーで活動を再開予定。