谷賢一氏(DULL-COLORED POP主宰/青年団演出部)を講師に迎えた「7×7=49時間集中ワークショップ」の開催が決まりましたので、以下にご案内させて頂きます。皆様のご参加、お待ちしております。
概要:
7日間×7時間、徹底的に考え、実践し、創作する。
「相手役の台詞を聞く」「台詞は腹で言え」「きちんとその場に存在する」……。演劇の現場で呪文のように繰り返されるスローガンの数々。何となくわかったような気で済ませていませんか? このワークショップ内では、スタニスラフスキーからサンフォード・マイズナー、リー・ストラスバーグといった海外の演技理論家から、国内では新劇から平田オリザに到るまで、数々の理論を参照しつつ、演技について考えます。
また「実践に勝る訓練はない」という大前提から、短編作品の創作を通して、いわゆる「本読み」から「立ち稽古」、「ミザンス」「ブロッキング」などのプロセスを経て、一本の短編作品を創作します。年末年始の7日間、徹底的に演劇しまくるワークショップです。
内容(予定):
シアターゲーム・エクササイズ各種/日常の演技、舞台上の演技/心と体に関するトリビアと研究報告/身体的行動の方法について/サルでもわかる古今東西演技論(スタニスラフスキー、サンフォード・マイズナー、リー・ストラスバーグ、平田オリザなどを中心にあれこれ)/リアルとアクチュアル(リアリズムとは何か)/会話と対話、あるいは関係性の言葉と意思の言葉について/身体から発せられる嘘と真実/presenceとexistence/台詞の処理について/サブテキストについて(サブテキストを行動に書き起こすということ)/ミザンス、ブロッキング
期間:
2010年12月25日(土)・26日(日)・28日(火)・29日(水)
2011年1月4日(火)・5日(水)・6日(木)
計7日間、全日13時~21時(18時前後に1時間の食事休憩)
場所:
東京都内のスタジオ・稽古施設にて
費用:
8,000円
定員:
12名(応募者多数の場合は書類審査アリ)
参加条件:
舞台に立つ野心のある方。なるべく全日参加できる方(多少のNG日はご相談下さい)。
応募方法:
12月18日(土)18時までに、h-ono@citrus.ocn.ne.jpまで以下の要項をお送り下さい。
1.お名前 2.フリガナ 3.電話番号 4.PCメールアドレス 5,携帯メー
ルアドレス 6.簡単なプロフィール 7.出演歴(代表作三作) 8.メッセージ(あれば) 9.写真(1点)
お問い合わせ:
大野企画(080-3015-1104/h-ono@citrus.ocn.ne.jp)
講師メッセージ:
先日、計16時間のワークショップをやったら、参加者の方から「こちらで企画を立てるから、もっと詳しく、長くやって欲しい」とお話いただき、実現したワークショップです。がっつり49時間、バカみたいに、サルのように、演劇やります。
49時間は長すぎる? いやいや、演技をきちんと考えて、参加者ときちんと向き合おうと思ったら、これでもまだ短過ぎるくらいです。演劇バカが集まれるよう、お値段もぎりぎりお安く致しました。
シアターゲームやエクササイズに終始する「お試し型」のワークショップではなく、10~20分程度の短編芝居を創作します。その中で、演技理論を紹介することにとどまらず、一人一人への辛辣なダメ出しをぶつけまくることで、鑑賞に耐え得るシーンを作るところまで行きたい。
で、できれば一般にも公開したい。やっぱり、実際にモノ作りして、人に見せるところまでやった方が、収穫なり成果なりは大きいし。どっかのスタジオかアトリエを借りてやろうと思ってます。
スタニスラフスキーの「身体的行動の方法」が理論的基盤になりますが、現代の会話劇を考える上で無視できない平田オリザの現代口語演劇理論についても触れ、その共通点を実証する、という野心もあります。たぶん二人ともお互いのこと嫌いだと思いますが、僕に言わせれば二人は理想郷を目指すのに電車で行くか車で行くか
の違いがあるだけで、同じ地面を走っているように思えるのです。
最終的には創作発表までこぎつけたい。内容の性質上、定員以上の参加者を取れないのですが、是非多くの方のご参加を望んでいます。
DULL-COLORED POP 主宰/ 青年団演出部 谷賢一
講師プロフィール:谷賢一
作家・演出家・翻訳家。DULL-COLORED POP主宰。青年団演出部。アトリエ春風舎芸術監督。日英の大学にて演劇学を修め、劇団を旗揚げ。以後、数十本の脚本・演出を担当し、脚本提供や外部演出、翻訳などでも活躍中。
俳優指導者としては、スタニスラフスキー、サンフォード・マイズナー、リー・ストラスバーグなどの研究・実践を通して「身体から感情へ」という方法論を実践。また、禅や心理学の発想を取り入れ、知的かつ行動的な演技指導を行っている他、最近は平田オリザの現代口語演劇理論を学び、現代人の心身に沿った演技論を模索し続けている。
2011年にはすでに3本の脚本提供・外部演出を予定している他、シアタートラムにて海外戯曲の翻訳・演出を担当。夏には休止中の劇団DULL-COLORED POPを再開し、独自訳・新演出による『マクベス』を上演予定。また、秋からはENBUゼミ専任講座講師として演技クラスを担当予定。