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【演技力が劇的に変わる】プロが教える「呼吸」と「聞く技術」で観客を魅了する方法

  • 劇団天文座 劇団天文座(0)

    カテゴリ:フリートーク 返信(0) 閲覧(5) 2026/01/22 10:12

「セリフは完璧なのに、なぜか演技が嘘っぽく見えてしまう…」
そんな悩みを抱えている俳優の方は少なくありません。実は、観客の心を本当に動かすのは、セリフそのものではなく、セリフとセリフの「間」にある沈黙や、相手の言葉を受け取っている瞬間の心の動きなのです。
今回は、プロの演出家によるワークショップで明かされた、演技のリアリティを劇的に高める具体的なテクニックをご紹介します。呼吸法からインナーモノローグの構築まで、明日から使える実践的メソッドが満載です。

なぜあなたの演技は「待っている」ように見えるのか?
9割の俳優が陥る「待機の罠」
多くの俳優が無意識にやってしまう最大のミス——それは相手が話している間、自分の出番を待ってしまうことです。
演出家はこれを「待機の罠」と呼びます。待機状態に陥ると、身体には次のような「嘘のサイン」が現れます。

目が泳ぐ:次の段取りを考えて焦点が定まらない
無意味な動作:まばたきが増える、髪を触る、視線が下に落ちる
リアクションの欠如:相手の言葉を聞いているフリだけで、実際は自分の脳内リハーサルに集中している

観客は敏感です。この「思考の空白」が生まれた瞬間、演技が嘘だと見抜かれてしまいます。
では、どうすればこの罠から抜け出せるのでしょうか?

演技が変わる!「聞く」を能動的アクションに変える方法
「聞く」は受け身ではない
プロの演出家が強調するのは、「聞く」という行為は立派なアクション(行動)であるということ。
単に音を耳に入れるのではなく、相手の言葉を自分の心に突き刺さる「刺激」として捉えることで、役としての思考が途切れなく連続するようになります。
聞くことを「動詞化」する3つのパターン

探る:相手の本音を見抜こうとする
受け止める:言葉の重みを全身で感じる
突き放す:相手の言葉を拒絶する

この能動的な「聞き方」を意識するだけで、舞台上での待機は「生きた反応」へと変化します。

インナーモノローグで演技に命を吹き込む
思考の空白を埋める「心の声」
演技に一貫性を持たせる最強のツールが**インナーモノローグ(内面的独白)**です。これは、相手の言葉に対して瞬時に湧き上がる心の声を言語化する作業。
効果的なインナーモノローグを作る3つの条件

現在進行形であること

「今、この瞬間」感じている言葉


葛藤を含んでいること

「信じたい、でも怖い」といった矛盾する感情


次のセリフへの架け橋

その思考があるからこそ、次の言葉を言わずにいられなくなる論理



「翻訳」で役の個性を際立たせる
相手が「愛している」と言ったとき、そのまま受け取るのではなく、役の状況に合わせて**「嘘だ、私を騙そうとしている」と脳内で翻訳**します。
この翻訳作業こそが、ありきたりな演技を多層的で深みのあるものに変える鍵なのです。

感情は「作る」ものではなく「誘発する」もの——呼吸の科学
呼吸は演技の設計図
呼吸は単なる生理現象ではありません。感情と密接に結びついた**演技のスコア(楽譜)**です。
ワークショップでは、呼吸を台本に書き込むことの重要性が語られました。
日本人だからこそ響く「呼吸の共鳴」
「阿吽の呼吸」という言葉があるように、日本人は特に呼吸に共鳴する文化を持っています。呼吸の音やタイミングそのものが、観客に役の感情を直接伝えるメディアになるのです。
吸い方で感情をコントロールする

鼻から吸う:副交感神経を刺激→リラックス、深い思考、内省的な感情
口から吸う:交感神経を刺激→緊張、驚き、怒りなどの激しい感情

吸い方(鼻か口か)と吐き方(鋭くか、長くか)のパターンを組み合わせることで、感情は無理に「作る」必要がなくなります。身体から自然に「誘発される」ようになるのです。

観客を引き込む上級テクニック:「口を閉じる」という魔法
予想を裏切るサスペンス効果
ワークショップで特に注目されたのが、**「口を閉じる(リップ・クロージャー)」**という技術です。
多くの役者は、セリフを言い終わるまで口を開けっぱなしにしがちです。しかし、演技の区切り(ビート)の途中で意図的に口を閉じると、観客に強力な心理効果を与えます。
口を閉じることで生まれる3つの効果

「終わりかな?」と思わせる

思考が完結したように見せかけ、観客の注意を引きつける


期待感の醸成

口を閉じたまま思考を続けることで「次に何を言うのか」という緊張感が生まれる


視線の誘導

自分が口を閉じることで、観客の注目を自然に相手役へ移せる



これは「サスペンション(宙吊り)」の技術。舞台上の時間の流れを豊かにする、非常に高度なメソッドです。

プロの演出家が教える実践フィードバック
神話劇で学ぶ身体的アプローチ
ワークショップでは、「時の神クロノス」と「医者アスクレピオス」を題材としたシーンで実践が行われました。演出家から飛んだ具体的なアドバイスをご紹介します。
すぐに使える3つのテクニック

「吸いながら入る」

登場する際、舞台袖で既に呼吸を始め、吸いながら第一声を発する
シーンの連続性が保たれ、突然感がなくなる


「吸いすぎない」

肺活量がある人ほど深く吸いすぎてしまいがち
日常会話では必要な分しか吸わない。過度な呼吸はリアリティを損なう


「呼吸の音を聞かせる」

絶望や決意の瞬間の「吸気音」をあえて出す
言葉以上に雄弁にキャラクターの意志が伝わる




成長を加速させる「加点方式」の自己評価法
減点主義から脱却する
ワークショップの終盤、メンバーたちが自分の演技を評価する場面がありました。ここで演出家が説いたのは、**「減点方式ではなく、加点方式で考える」**ことの重要性です。
今日から使える加点式評価

基本の100点:稽古場に来た、台本を読んだ、セリフを覚えた
追加の100点:呼吸を意識した(+100点)
さらに100点:インナーモノローグを考えた(+100点)
もっと100点:視線をコントロールした(+100点)

「質(クオリティ)」を追求する前に、まず「項目(ステップ)」を積み重ねる。この考え方が、役者に自信を与え、舞台での表現力を飛躍的に高めます。
最終目標は「5億点」——演技における探求に終わりはないというメッセージが、ユーモアとともに示されました。

まとめ:真実の瞬間を舞台に立ち上げるために
優れた演技とは、「セリフの上手さ」ではありません。
役としての人生が、1分1秒、呼吸の一つひとつに至るまで連続しているか——それこそが、観客の心を揺さぶる演技の本質です。
今日から実践できる3つのステップ

インナーモノローグで思考を繋ぐ

相手のセリフを「翻訳」し、葛藤を含んだ心の声を作る


呼吸で感情を宿す

鼻から吸うか、口から吸うかで感情をコントロールする


口を閉じて観客を巻き込む

意図的な沈黙でサスペンスを生み出す



これらの技術を磨き上げることで、あなたの演技は単なる「再現」を超え、舞台上に「真実の瞬間」を立ち上げることができるようになります。
次の舞台に向けて、まずは今日の呼吸から見直してみませんか?

演技用語ミニ解説

ビート:演技の最小単位。目的や状況が変わるごとに区切られる
プロクセミクス:相手との物理的な距離が心理に与える影響
エフォート:動作の質(重い、軽い、速い、遅いなど)


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