狂犬百景 公演情報 MU「狂犬百景」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ゾンビ映画のオマージュ
    都心部のパニックをそのテーマに据えながら、直接そのパニックを表現するのではなく、周辺を描くことである種の距離感を保ったまま個々のストーリーを進めていく設定の上手さ。4連作の短編がそれぞれに起承転結を担う構成は観応えあり。ゾンビ映画のオマージュと愛情満載。

    ネタバレBOX

    『犬を拾いに』狂犬病蔓延のきっかけとなったストーリー。細かくダメな客を織り交ぜながら序曲を演出。青木友哉と大久保千晴が序盤に表情だけの演技を繰り広げていて観もの。森口美香のコミュ障振りも良かった。

    『部長は荒野を目指す』第一話から半日程度経過後の世界。外部も内部も行き詰まった中で、人々の思いが交錯する。加藤隆浩のダメ振りが面白い。終盤の本東地勝との携帯電話でのやり取りが笑えた。井神沙恵の天然な感じも良かった。

    『漫画の世界』狂犬病の存在が社会に受け入れられた世界。狂気の態で表現しているが、4人の示す行動は狂気なのだろうか。自らの狂気を語る彼らが意外に普通に観える。シニカルな狂気を観た感覚。沈ゆうこのコメディでもエンタメでもないアクトは色気があって良かった。

    『賛美歌』一気に前の3話が収斂していくのかと思いきやそうでもない。細かいつながりを提示していくものの、そこまで伏線の回収がされる訳でもなく、ここでも一定の距離感を保つ描き方で押し切ってくるのは新鮮。この4話が一番人間の闇を観せられた気がする。

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    2014/11/30 23:25

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